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活字中毒者として生きる[11~20]

前回に引き続き、「本好きへの100の質問」に答えていく、第2回目。

前回はとても書きやすかったように思う。
パソコンに向き合ってから「何を書こう?」と何時間も悩みつづける作業も嫌いではないが、最低限書かなければならないことが決まっている一問一答は楽で楽しかった。

第1回はこちらをご覧ください。



11.月に何冊くらい読みますか?

まちまち。多くて10冊、少なくて1冊も読まない。

小説に関しては通学時間に読んでいるけど、すぐに電車酔いするため多くは読めない。持病で自律神経が終わってるため活字を眺めているだけでも酔ってしまう。最悪。
小説は夜寝る前の1、2時間を読書時間として当てているが、当然毎日読めるわけではない。で、大学の課題やらなんやらで時間を取られて月1冊程度しか読めないことも少なくない。
本を読むときは紅茶と薄暗い部屋という完璧な環境を用意してからでないと集中できないため、「隙間時間」の読書は苦手だ。
熟読するタイプということもあり、自分のペースでゆっくりと読んでいる。

専門書に関しては1年前の自分とは大違いで最近は積極的に読むようになった。
春学期の研究では月5冊ほど読んでいたが、「限られた時間の中で自分の研究に関連するものだけを選ばなければならない」状況だったため、いささか息苦しさもあったように思う。

今は興味のある本は片っ端購入している。
自分の所有物になった本は、もう逃げることはない。だからいくら積んでも安心できるのだ。

13.文庫本の値段として「高い」と感じるのはいくらからですか?

1200円〜。

文庫本は安い。300円くらいのものもあるし、800円でもまあ平均くらいだ。だから文庫本に「高い」と感じることは滅多にないし、そう感じる本に出会ったことはそうそうない。
それに古書店やブックオフで買うことが圧倒的に多いから、まず1000円台の文庫本に出会うことはない。

私は小説を映画のように捉えている。
数時間、あるいは数日をかけてじっくり自分のペースで見られる映画だ。
だから形として残る上に何回も読めるという捉え方をしている文庫本が映画の大学生料金1500円を下回るなんて、なんて安いんだろう。
とまあ、こんな考え方をしているわけだ。

14.本は書店で買いますか、それとも図書館で借りますか。その理由は?

基本的に買う。

前回でも書いたけど、我が家は本に限り親にお金を出してもらえるというなんともありがたいシステムがある。
だから容赦なく買ってしまう。

中高の頃までは学校の図書館に籠りっぱなしだった。司書さんと大の仲良しだったし、友達とよく図書館を探索したりしていた。
今でも図書館は大好きな場所だ。だけど大学の図書館は学術書ばっかりで小説はほとんどないし、利用者が多いためか司書さんとの距離も遠いし、家からも物理的に遠い。

それに学術書や専門書は特に書き込んで汚していきたいタイプだから、必然的に買うしかない。
古本屋の本も、鉛筆で汚く書き込まれた歴史を見るのも好きだ。

15.あなたは「たくさん本を買うけど積読派」それとも「買った本はみんな目を通す派」のどちらでしょう?

「たくさん本を買うけど積読派」。

私が結果的に大量の本を積んでいる理由は、本を買う際に読むことを主目的としていないからである。
もちろん本は読んで消化しなければ意味のない物質であるが、読むという行為の以前に本と人間の関係性というものが存在すると思っている。

前回も書いたが、膨大な世界中の本屋のあらゆる本棚のたった一つの本に出会うということは、なかなか奇跡的な出会いであると言える。
それは作者との出会いであり、そうさせた世界の動きが反映されたものである。
あらゆる偶然を乗り越えて出会った本は、簡単に手放せるものであるし簡単に膨大な情報の中に溶けていってしまうだろう。
それがいくら本や紙といった物質を伴っているとしても。

だから私は本との出会いを大切にする。
そしてその出会いを冷凍保存するかのように、金を出して所有することで自分の本棚に仕舞い込むのだ。

16.行き場に困ったとき、とりあえず書店に入ってしまう。そんなことはありますか?

微妙かも。
小さい書店だったら入るけど、紀伊国屋書店とかの大型書店は苦手かもしれない。

これは[1~10] に書いたことだけど、書店で「おすすめの本」として加工された売り方があまり好きではない。
無造作に置かれた本たちの中から、運命の相手を見つけてあげたい。発掘する、掘り起こす。そこに快感と楽しさを覚えている私にとって、効率的に売ることを重要視された空間は快適というわけではない。

近所の古書店では売ってるんだか在庫なんだかよくわからないような本が無造作に積み上げられている。
そして客が目当てのブツを掘り返すたびに様相を変えていく。
ちょっとずつ変容していくその有り様は決して汚いわけではなく、むしろ美しい。
本と人間の関係性は商品と消費者の関係性にとどまらず、またそれこそが文学、文化の意義なのだろう。

17.馴染みの書店・図書館に、なにかひとこと。

近所のおじいちゃんがやってる古書店に。

閉店時間は「お客さんがいる限り」。
そんな最高な空間が自分の住んでいる街にあって幸せだと思う。本を介して初めて成立する人間の繋がりがここにはあって、そんな人たちはみんな、自分が大切に思っているものが一緒だったりする。
デジタルの時代に大型書店は経営に苦しんだりして書店業界に携わる人々はきっと今大変だけれど、そんなお金のことを感じさせないような温かい雰囲気がここにはある。
どこか現実的ではなく、一方どこか現実的なこの場所が好きだ。

18.あなたは蔵書をどれくらい持っていますか。

積読だけでおそらく100冊くらい。
蔵書含めたらわかんない。未知数。

というのも自分の所有物として(財源はともかく)本を保管し始めたのは大学に入ってからだ。なので実際に持っている本は多くはない。
あとはほとんどの本を家族と共有している。
父は物理学の学術書、母は自己啓発〜新書、私は小説〜専門書。だから特別誰の所有物であるというはっきりした区分けはない。

これもまた書くつもりだけど、自分の積読をあらためて把握したくて蔵書リストをエクセルで作った。
そしたら積読だけでも100冊を超えていて、ますます数えるのがめんどくさくなった。

19.自分の本棚について、簡単に説明してください。(小説が多く新書が少ない、等々)

18番参照。
積読だけが自分の部屋に置いてあって、そのほかは家族と本棚を共有している。

中高の時も本を買うことはあったけど、ほとんどブックオフの「110円コーナー」だった。そして読み終わってはブックオフで売ってしまう。
だから今まで読んだ本は手元に残っていない。少し惜しいことをしたかな、と思うけど、あったらあったで管理に困るだろう。

本棚の中身は専門書が4割。あとは小説。
専門書も始めは図書館で借りていたが、返却期限が来るのと線が引けないことから購入するようになった。
ここ半年で専門書がますます増えている。

20.本棚は整理整頓されていますか。

されている方ではある。
今まで本を買ってこなかったため本棚はスカスカだったが、最近ようやく充実してきたように思う。
そういえば、私の部屋には本棚というものがない。ピアノの上、机の上にひたすら並べられているだけである。リビングには家族共有の本棚があり、そこには膨大な絵本や学術書、小説が置かれている。なんとなくそれぞれの所有物として分けられて並べているが、自分の本は自分の部屋に置いておきたいものだ。
でも本棚を買う金銭的余裕も、というより必要性が特になく、結局適当な床や棚の上にい無造作に置かれている状態になっている。

ただしその並び順、置き方には並々ならぬこだわりがある。
別途記事に書く予定だが、蔵書は全て書籍JANコード、キーワードごとなどにまとめてエクセルにリスト化している。
背表紙にはNDC(日本十進分類法)をシールで貼って管理している。
どうやらオーダーメイドの蔵書印を作れるところがあるらしく、近い今度自分の蔵書印を作ってみたいと思っている。そんなところ。

我が家、図書館化計画。
着々と進行中。


読書家への質問第2弾、こんなところだろうか。

お付き合いありがとうございました。

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