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改革活動で最も重要なのはノリのよさ

こんにちは。企業改革コンサルタントの小野司です。

企業改革に取り組む若きリーダーさん、そしてウィズコロナなどで、企業改革に取り組まれる企業さまに、改革のヒントをお届けしています。

改革活動が上手くいっている会社や組織には特徴があります。どこもノリがいいことです。

ある方から、成功者といわれる人は、学歴、頭の回転の速さ、よりもノリのよさが違うと聞いたことがあります。そのイメージと似ています。

では、改革活動が上手くいっている会社のノリとは、どういうものでしょうか。例えば、以下のようなものが浮かびます。

1.リスクを考え過ぎない。直感で行けそう、面白そうと思えばすぐ動く。
2.やってダメなら、すぐにやめ、すぐに元に戻すという割り切りがある。
3.周囲(他人、他部署)を見ている。そして、周囲をよく巻き込む。
4.上司の考えを参考にするが、自分たちの考えや感性を大切にする。
5.修正能力が高い。

この5つをこのブログでは、5つのノリ基準と呼びます。

では、ノリを前々回、前回と登場したビデオ撮影の事例で紹介します。

https://note.com/tsukasaono/n/n5c665d90cc61

私が、作業者の全員の動作をビデオ撮影してみましょう提案した時の行動の違いでノリを説明いたします。

お父さんがお子さんの運動会のために、ビデオカメラを買いました。そして、初めて撮影します。撮影方法はよく知りません。しかし、直感的になんとかなるだろう、というノリで撮る方もいると思います。

これと同じように考えます。私、コンサルの現場では、撮影法は細かくお教えしないようにしています。最近のカメラでしたら、深く考えなくても、そこそこ撮れます。

お子さんの運動会の場合であれば、表情など撮りたいところを中心に狙います。そうすれば、家で楽しめる程度には撮れると思います。

ですから、コンサル現場でも細かくは伝えません。以下に、2社の事例を紹介いたします。

A社の場合:「ウチはビデオカメラがありません。」との回答。デジカメでも、スマホやタブレットでもいいですよと提案しますと、「デジカメはありますが、長い時間撮れないと思います」「スマホで撮っても、ダメですよ(動作分析できませんよ)」などの回答。
結局、ビデオカメラがないので撮影できない等、できない理由が多く出されました。結局、コンサルが、別途日を設定しデジカメで撮りました。
B社の場合:「やってみます」と即答。あまりにも回答が早く、判断が軽すぎるように感じました。こちらの方が不安になり、どのように撮ればいいか分かりますか?と聞くほどでした。
結局、自分たちで工夫して撮られました。作業分析するには、十分よく撮れていました。一人だけ、班長からスマホを借りてそれで撮ってきました。それもよく撮れてました。スマホで撮影したものは、TVやPCなどに繋げられませんでした。そのため、メンバーみんなで、小さな画面を見入りました。ワイワイガヤガヤ言い合いながら分析しました。

ビデオ撮影は2社ともなじみがなかったようです。ビデオ撮影でこれだけの違いがあるのです。

A社は、業界での売上高もよく(利益率は高くありませんでした)、有名大卒など学歴の高い人が多かったです。
失敗を恐れているのか、完璧でないとダメという雰囲気がありました。その後の改革活動では、上司の考えを想定しての発言、教科書的な発言が散見されました。
その後は、入念な事前検討を重ねたため、課題設定にたどり着くまで期間を要しました。それから実行段階に入りました。大きな課題を設定したため、比較的大きめの成果は出ました。しかし、数人のエースが頑張って、やっとできたという状況です。全体的にノリはいいとは言えませんでした。全体活動にはちょっと遠かったです。

A社は、コンサルタントがいなくなった後は、改革活動はしていないそうです。定着させることができませんでした。

最もフットワークが軽かったのがB社でした。パートの女性が多く、とにかく行動力がありました。メンバーみんなが自分の頭で考え、想像力を働かせて発言されていました。
改革活動も進みました。小さな課題の設定と解決を積み重ねてゆきました。そして、気がついた時は、大きな成果に結びついていました。5つのノリ基準に当てはまっていました。

B社は、コンサルタントがいなくなった後も、自力で改革活動が進んでいます。

もう一つ、ノリで印象に残っている会社があります。オール手作業の食品加工業です。

平均年齢70歳弱で、ほとんど女性です。競合は採算が合わず撤退し、地域で2社くらいしか生き残っていませんでした。
作業者の多くは、小さな改革アイディアを多く出されていました。そして、面白そうと思うとすぐ実行していました。そして、その結果をみんなで共有していました。
年齢層の高い女性の集まりでしたから、仲間同士、微妙な関係もあったと思います。しかし、社長は、現場を乗せるのが上手い方でした。前述の5つのノリ基準に当てはまっていました。

若き改革リーダーのみなさま

改革活動での5つのノリ基準と、改革活動の進み具合や成果の関係について、イメージはつきましたでしょうか。

今回、ビデオ撮影という細かな事例で紹介しました。そして、改革活動でのノリは細かなところにも現れる傾向にあります。

細かなところのノリでしたら、比較的に作りやすいと思います。そのノリを作り出すコツを2つ紹介します。

1.小さな成功体験をつくりだすこと
2.面白そうなことをまずやってみて、小さな失敗をたくさんすること
 そして、小さな失敗をしても、大したことないじゃないかと思えるようになること。そうすれば、新たなチャレンジにも抵抗がなくなります(それがノリです)

改革活動には、ノリが重要。参考になれば、ありがたいです。



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