デフレが悪いか否かは、原因にもよるし、程度にもよる
原油価格の値下がりで日本の物価が下がるならば、素晴らしい事です。「アラブの王様が消費税を減税してくれたから消費者物価が下がった」事を悲しむ人はいないでしょう。反対に、原油価格の値上がりでインフレ率が2%になっても、日銀は喜ばないでしょう。
技術の進歩でスマホが安く作れるようになったのなら、それは素晴らしい事です。スマホ会社の利益が増え、社員の給料も下がらず、しかも消費者は安く買えます。しかし、スマホ会社が利益を削って安売り競争をしているのだとしたら、素直には喜べませんね。消費者は喜びますが、スマホ会社の株主か従業員が困っているはずですから。
今ひとつ、買い控えが発生するかもしれません。「値引き競争が激化しそうだから、値下がりするまで待とう」と皆が考えると、売り上げが落ちるので、焦ったスマホ業界が一層値引き競争を激化してしまうかも知れませんね。
でも、以上は毎年物価が5%も10%も下がる場合の話です。日本の過去20年は、消費者物価が年平均0.3%しか下落しなかったのですから、影響は目に見えない程度だったはずです。「海の水を一口飲んだら減る」と言っているのと同じで、言葉のお遊びですね(笑)。
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