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ここまでこれたのはあなたのおかげ

長年に、それも半世紀以上に渡って愛され続けているのは、この場では決して語りきれないほどに何重もの意味があると思う。

 

およそ1ヶ月前にビートルズの最後の新曲がこの世に放たれたことを、世界中の誰がどう待ち望んでいただろうかと、今頃になって思い更けていた。

私は幼い頃に、メンバーの一人であるポール・マッカートニーのアルバム「Flowers In The Dirt」から「My Brave Face」という楽曲に出会い、一緒に聴いていた父から色々と話を聞く中で、ビートルズというバンドとジョン・レノンを知った身である。

以来、実家に置いてあったアルバム「Abbey Road」やジョン・レノンのソロアルバム「Imagine」などを手に取って聴き込んでいた時期もあった。

それから暫くして楽曲を耳にすることがなくなってしまって以降、十数年ぶりに新曲という形で音が耳に触れた時には、なんとも言えない感情が込み上げていた。

私がまだ小学生だった頃に、ジョージ・ハリスンの訃報が記憶の隅に残っている中、残されたメンバーだけでここに至るまでの道のりはとてつもなく長く、そして「想像を絶する」という言葉だけでは到底表せないほどに困難だったと、繰り返し聴いていくうちにそれらが伝わってきている。

無論技術面においても、制作が開始された当時の力だけでは再現が難しいとされていたことを、各方面で展開されていた媒体などを通じて存じていた。

それよりも彼らが1960年から1970年の間にかけて残した音楽が、もしも一つのシーンとして世間の片隅に埋もれてしまっていたら、このようにして現代に蘇ることはなかったかもしれない。

世界中の人々に…それもいろんな世代を超えて愛され続けていたからこそ「最後の新曲」という形で日の目を見ることができたのは、本当に奇跡以外の何ものでもないと。
わずかな時間で音にのせて感動や笑いが詰まったミュージックビデオを観ながら、私はひとり感慨深くなってしまっている。

時代が少しずつ前に進み出そうとしている最中で、世界中に巻き起こしたこの日の出来事を境に多分、もといこれからも忘れはしないだろう。そしてこの先も、新たな歴史の1ページとして語り継いでいくことになるだろう。

「Now And Then」が、私たちが前と踏み出していく後ろ姿を見守っていると同時に、楽曲を通じて彼らが伝えたかったメッセージを今ようやく受け取ることができました。

『ありがとう。あなたのおかげで、私はここまでやってこれました』

最後までお読みいただきありがとうございました。 またお会いできる日を楽しみにしています!