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#059 結果としての効果効能

さてさて、前回の続き。
こちらの中学校に来て、スクールカーストの最下層に転落してしまった長男が再び、起き上がったという話は前回、ざっくりお伝えしました。
その過程で、中学受験をしたことが威力を発揮したことを今回はお伝えしようと思います。

自らのプレゼンスを高めるために、彼は勉強で良い成績を取ろうと決意します。なぜ、そう思ったのかは、いくつか理由がありますが、まず悪目立ちするヤツは、もうすでに見渡せば、ゴロゴロいました。そして、こちらの学校は、やるもやらないもあなたの自由ですよ、というスタンスなので、悪目立ちは大して目立たない上に、厄介者として扱われるだけ、ということで、悪目立ち方向は最初に選択肢から消えたようです。

それよりも彼は元々、アメリカの大学に行きたいと言っていて、具体的にはUCLAをはじめとしたカリフォルニア大学のどこかや、西海岸にある有名私大やリベラルアーツの大学を希望しています。こちらに来るまでは憧れのみと言っても、過言ではない状況でしたが、こちらに来てみると、希望の大学に向けて既に準備をしている人たちがいるという事実。特に、アジア系の両親を持つ子どもたちはそれが色濃く出ています。いわゆる、タイガーペヤレンツを持つ子どもたち。そんな人々に触れ合う中で、これはきっちり成績を取って置かなければならんな、と本人が思ったこともあり、授業の理解を深めることと、提出するレポートの質にこだわることにしました。

さて、と。ここから中学受験の効用について2つほど。
一つ目は、問題を繰り返し解き、問題にあった解法を見つけるという経験は知らない問題にぶち当たったときに、自分が知り得る解法を順番にあてはめて答えにたどり着こうとするプロセスが身についています。これによって、8割、9割の問題は、英文の内容さえ理解できるようになれば、それっぽい解法を見つけ出して、ドンピシャの答えではないけど、だいたい合っているところまではたどり着けます。こちらはだいたい合っていれば、それは〇です。なので、彼も〇です、一瞬、英文に戸惑うものの、解法を探り当てることでなんとか乗り切っている様子。

二つ目の効用は、作文を繰り返し、行ったことです。長男は国立中に行くための受験勉強で、小論文が受験科目に入っていました。事実から共通点や違いを見つけ出し、それを自分なりの考察を入れて、改善案などを導く、論文を書くプロセスをきっちり抑えていたので、課題のレポートを書くときには、まず日本語でしっかり文章の構造と内容をおさえておいて、そこから、作文の3倍くらいの時間をかけて英語になおしていく。出来上がった英語の文章は拙いかもしれませんが、彼が伝えたいことのレベルはそれなりに高く、読めば納得のレベルまで毎回、導くことができていました。

そして、何より、大学に入るんだという気持ちが分かりやすく外に出てきているので、学びの意欲も大きくなっています。

中学受験は自分自身がやると言ったことではあるものの、実際のところは、親や塾の先生にやらされていたところもあるように思うが、こちらの「やるかやらないかを自分で決める」スタイルの中でも、これまで積み上げてきた思考の方法が自分の新たな道を切り開くための重要な補助線になっていることを実感します。

ということで今日はここまでですが、日本でやっていたことが活きたという話はこれからも気が付けば、書いていこうと思います。

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