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#055 我が家のかたち

我が家の政治体制についての話。
我が家には私と妻、長男(12歳)、次男(10歳)の4人がいます。
ちょうど4年前の今の季節、我が家に民主化運動が起き、土日の2日だけ完全な民主主義を導入してみることにしました。何をするにも、1人1票の投票権をもって、多数決で決めることにしました。
まず昼食について、安定多数の意見により、2日ともにマクドナルドのランチセットが採用されました。主婦層の反発を買いました。子ども部屋に置く家具を買うことになり、行く店を決める際に、都内のお店か、家の近くに行くべきか、投票となり、家の近くに行きましたが、結局、欲しいモノがなくて、空振りで帰ってきました。他にも、アレコレ、やることがあったのですが、それなりに進み、それなりに滞り、結論から言うと、全員の満足度の総和は低かった、です。
さて、日曜日の夕飯時に、家族で話し合いました。結論として、我が家にはまだ民主主義は時期尚早ということでした。我々には、アジアの新興国などでよく見られる開発独裁体制が良いということになり、我が家はお父さんのリーダーシップによる経済的な発展と教養レベルの向上を最優先事項として当面の4年間はこれで行くことになりました。そして、この4年間があと1週間で終わりを迎え、4月より新たな体制に移行します。この4年間を振り返ってみると、息子たちは厳格な家族としてのルールと教養人になるための道徳で縛られ、少しの自由は失ったかもしれませんが、引き換えに小学生にしては高い教養レベルと、世の中や生活において直面する課題に対しての自分なりの答えと、ルールを守ることや道徳心によって他人から信頼されることを得ることができました。
そして、少し民度の上がった我が家族は、4月より新たに、パートナー制度を取ることになりました。これは多くのコンサルティングファームや監査法人で取られている経営体制で、パートナーと呼ばれる出資者が執行役となる代表パートナーを選出し、組織運営に当たることになります。開発独裁体制のときの独裁者から、代表パートナーとして家族運営の執行にあたる私ですが、これからはパートナー会議に議題を諮った上で、決定を下すことになります。そして、意見が割れたときには、代表パートナーに一任されることが決まっています。ということで、今からの6年間はこの体制で臨むことになりました。
そして、さらにその後は、ついに民主主義体制を導入することとなります。

さて、この流れを振り返ったり、計画したりする中で、息子たちが気が付いたことがあります。政治体制は、その国の民度レベルによって、うまくいく体制が異なることが分かりました。俯瞰してみたとき、私たち日本国民は民主主義体制を構えられるほどの民度を持ち合わせているのか、小学生にとっては重たい議題ですが、彼らの意識の中に、それがあることは大きな成長であると言えます。

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