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やさしい物理講座ⅴ91「アマテラス粒子の正体」

 物理学の基本はこのような観測と知識の積み重ねにより真理が見えてくるものである。「天照」の神の名をつけたアマテラス粒子についての報道記事を紹介する。
なお、蛇足であるが吾輩は西暦ではなく皇紀を使っているのは何故か。中国の歴史に絡むが国を治めた支配者は通貨発行権・度量衡(ものさしなどの尺度)・そして時を支配するという意味で年号が始まった。同様に日本でも年号として「令和」が使われているが、日本には神武天皇から始まる「皇紀」というものがある。今年は皇紀2684年となる。西暦2024年+660年=皇紀2684年となる。秦の始皇帝の頃から日本には天皇が存在していたのである。ちなみに秦の始皇帝は15年で滅んだ。しかし、日本は神武天皇から2684年の歴史を持ちと国家として続いているのである。

     皇紀2684年7月2日
     さいたま市桜区
     理論物理研究者 田村 司

宇宙から来たアマテラス粒子、正体は鉄? 大きく曲がって飛来と推定

6/28(金) 0:00配信

アマテラス粒子を2021年に捉えた時のイメージ。宇宙線が大気とぶつかり生じた大量の粒子のシャワーを地表で検出した©大阪公立大学/京都大学L-INSIGHT/Ryuunosuke Takeshige

 宇宙から降り注ぐ桁違いにエネルギーの高い宇宙線の正体は、鉄など重い原子核かもしれない――。
謎に包まれている最高エネルギー宇宙線の正体に近づく論文を日米などの研究グループが28日、米科学誌フィジカル・レビュー・レターズ(https://journals.aps.org/prl/accepted/10071Y6fP581e89a84f7421725b12b7e526225cf8)に発表した。
【画像】宇宙線を観測するテレスコープアレイ実験の大気蛍光望遠鏡  
宇宙線は、ほぼ光速で宇宙空間を飛び交う粒子。
昨年11月、史上最高クラスのエネルギーを持つ「アマテラス粒子」が検出され、話題になった。ただ、1平方キロの面積に1世紀に1個ほどしか飛来しないため、観測数が少なく正体や発生源はわかっていない
■最高エネルギー宇宙線を19個観測  東京大宇宙線研究所の荻尾彰一所長らのグループは2008年から、宇宙線を観測する「テレスコープアレイ実験」を米ユタ州で開始。
100エクサ電子ボルト(エクサは100京)以上のエネルギーを持つ最高エネルギー宇宙線を、アマテラス粒子(244エクサ電子ボルト)を含め14年間で19個観測した。
 電荷を持つ宇宙線は宇宙の磁場によって曲がりながら地球に届くので、飛来方向に発生源があるとは限らない。発生源を近くの銀河のどこかと仮定し、磁場による曲がり方などを推定したところ、観測した19個の宇宙線はグニャグニャと大きく曲がりながら地球に飛来していることがわかった。
 大きく曲がるのは電荷が大きいことを意味する。水素や酸素など様々な原子核でシミュレーションした結果、19個の宇宙線の正体は鉄などの重い原子核である可能性が高いと研究グループはみている。

ケタ外れな超高エネルギー宇宙線の「アマテラス粒子」、新物理理論の可能性を示す

Jamie Carter | Contributor

超高エネルギー宇宙線「アマテラス粒子」が、ユタ州のテレスコープアレイ(TA)実験観測所の地表検出器群で観測された様子を描いた想像図(Osaka Metropolitan University/L-INSIGHT, Kyoto University/Ryuunosuke Takeshige)

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宇宙空間から地球に降ってきた、極めて高いエネルギーを持つ1個の粒子の観測に成功したとする研究結果が発表された。この粒子は、それが何なのかや、どこからやって来たのかも、これまでの研究では明らかになっていない。今回と同等のエネルギーを持つ「超高エネルギー宇宙線」は、今までに1991年に1回しか観測されていない。

この稀な粒子は、現在の科学ではまだ未知の素粒子物理学に従っているのかもしれないと、今回の観測を行った研究チームは述べている。観測結果をまとめた論文は科学誌Scienceに掲載された。

この粒子は、神道信仰における太陽の女神で、日本の国造りを助けたとされる天照大御神にちなみ「アマテラス」と命名された。1991年に検出された「オーマイゴッド粒子」に次いで、観測史上2番目に高いエネルギーを持つ宇宙線だ。

激烈な天体現象の名残

米航空宇宙局(NASA)によると、宇宙線は太陽系外の銀河系内や、銀河系外の宇宙を起源とする荷電粒子で、ほぼ光速に近い速度で移動する。激烈な天体現象の名残で、絶え間なく地球に到来している。だが、今回の宇宙線はエネルギーが桁外れに高く、極めて珍しい。

研究を率いた大阪公立大学の大学院と南部陽一郎物理学研究所に所属の藤井俊博准教授は「この超高エネルギー宇宙線を初めて発見したとき、過去30年で例のないエネルギーレベルを示していたため、誤りだったに違いないと思った」と述べている

超高エネルギー

2021年5月27日、研究チームは極めて高いエネルギーを持つ1個の粒子を検出した。この粒子のエネルギーは、腰の高さからつま先の上に落としたレンガのエネルギーに匹敵すると、科学者らは表現している。米ユタ州デルタ近郊の面積700平方kmの敷地に、地表検出器507台を正方格子状に配置したテレスコープアレイ(TA)実験観測所で発見された。TAは宇宙線に特化した実験観測所で、2008年から稼働している。
今回の宇宙線は、銀河系に隣接する宇宙の空洞領域(ボイド)の方向からやって来ているように思われるが、明確な発生源は存在しない。論文の共同執筆者で、ユタ大学のTA共同広報担当のジョン・マシューズは「これらが空のどこから来ているかを指し示すことができるはずだ」と指摘する。「だが、オーマイゴッド粒子や今回の新粒子の場合、発生源の方向に軌跡をたどっても、それらを生成するほど高いエネルギーを持つものは何もない。これは謎だ。いったい何が起きているのだろうか」

ユタ州のテレスコープアレイ(TA)実験観測所にヘリコプターで配置される地表検出器(Institute for Cosmic Ray Research, University of Tokyo)

説明不能

天体物理学者らは今、アマテラス粒子がどこからやって来たかと、粒子の正体が何かを説明しなければならない状況に置かれている。「宇宙線が飛来した方向に合致する有力候補の天体は特定されていない。これは、未知の天体現象や、標準理論を超えた新規の物理的起源の可能性を示唆している」と藤井准教授は述べている。

欧州原子核研究機構(CERN)によると、標準理論は、4種類の基本的な力に支配される、物質の基本構成要素がどのように相互作用するかを説明している。CERNは、世界で最大規模で最も出力が高い粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」を備えている。だが宇宙線は、地球上で作り出せるどんな高エネルギー粒子よりも100万倍高いエネルギーを持っているという。

論文の共同執筆者で、ユタ大教授のジョン・ベルツは「これらの宇宙線は、空のまったく異なる場所からやって来ているように思われる。謎の発生源は1つではないようだ」と指摘する。「それは、時空構造の欠陥である宇宙ひもの衝突かもしれない。これはつまり、人々が考え出している奇抜なアイデアを思いつきで挙げてみているだけだ。従来の方法による説明はできないのだから」

「オーマイゴッド」粒子

観測史上最高エネルギーの粒子が検出されたのは、史上2番目のアマテラス粒子検出に先立つ32年前のことだ。ユタ大学のフライズ・アイ(蝿の目)実験で検出され「オーマイゴッド」と命名されたこの粒子は、宇宙線として理論的に可能な値を超えるエネルギーを持っていた。

銀河系内にはこの粒子を生成できるエネルギーを持つ天体は存在しないため、天体物理学者らは当惑した。それ以後数十年間で、超高エネルギーの宇宙線が30個検出されているが、オーマイゴッドのエネルギーに迫ったのはアマテラスが初めてだ。オーマイゴッドのエネルギーは推定320エクサ電子ボルト(3.20×10の20乗eV)だった一方、アマテラスは244エクサ電子ボルト(2.44×10の20乗eV)だった。

科学者らは今後、より多くの超高エネルギー宇宙線を捕捉できるかどうかを確かめるために、ユタのテレスコープアレイ(TA)の性能を向上させる予定だ。(forbes.com 原文

「あれ、大きいぞ」 到来したアマテラス粒子、超高エネルギーの衝撃

石倉徹也2024年4月6日 10時00分

<前編> 「スーパー宇宙線」を探せ!

 宇宙から地球に降り注ぐ、極端にエネルギーの高い粒子(宇宙線)が研究者たちを困惑させている。観測史上2番目に高いエネルギーを持つ「アマテラス粒子」も最近発見されたが、発生源はまったく分かっていない。現代物理学に大きな謎を突きつけている。

前編では、アマテラス粒子発見の衝撃と、過去に日本と米国で大論争となった「スーパー宇宙線」の謎について紹介します。

 2021年夏。京都大白眉(はくび)センター特定助教の藤井俊博さん(現・大阪公立大准教授)は、研究室のパソコン画面に映った、普段とは桁違いの数字に目が止まった。

 眺めていたのは、米ユタ州の観測施設「テレスコープアレイ(TA)実験」が捉えた宇宙線の観測データ。244エクサ電子ボルト(エクサは10の18乗)というエネルギーの高い粒子1個が飛来してきたことを意味した。

 

「あれ? 大きいな」。ソフトウェアの間違いかと思ったが、見直した元データは「本物」を示していた。過去最大級のエネルギーを持つ粒子の到来。現地の明け方に検出し、発見者が日本人だったことから日本神話に登場する太陽神の名から「アマテラス粒子」と命名した。

 昨年11月に米科学誌サイエンスhttps://doi.org/10.1126/science.abo5095

)で発表すると、世界で2千以上のメディアが報道。アマテラス粒子は一躍、有名となった。

 

ただ、研究者たちは手放しで喜んではいなかった。

 「発生源など新たな謎も出てきており、むしろ状況は混沌(こんとん)としてきている」と東京大宇宙線研究所の荻尾彰一教授は表現する。いま、何が起きているのか。

1グラムで地球を破壊するレベル

 地球には、宇宙のかなたから高エネルギーの粒子が宇宙線として降り注ぐ。地表まで達するのは低エネルギーのもので、私たちの体を毎秒100個ほど素通りしている。

 ただ、アマテラス粒子のような100エクサ電子ボルトを超す超高エネルギーの宇宙線がまれに地球に飛来する。

 そのエネルギーの大きさは圧倒的だ。蛍光灯が放つ光の粒子一個のエネルギーは約2電子ボルトなので、アマテラス粒子はその1垓(がい)倍(100000000000000000000倍)。仮に粒子が1グラム、つまり10の23乗個ほど存在すれば、地球を壊すほどの威力を持つ計算だ。

 そんな桁違いの宇宙線が最初に発見されたのは1962年。米ニューメキシコ州の荒野に並べた検出器が捉えた。人類が加速器で作れるエネルギーの1千万倍に達する「宇宙最強」の粒子は、どこからやってきたのか。謎解きが始まった。


理論限界を超えた「スーパー宇宙線」

 宇宙線の数はエネルギーが大きくなるほど少なくなり、アマテラス粒子レベルは1平方キロの面積に1世紀に1個ほどしか飛来しない。勝負は検出器を置く広さで決まる。装置の高性能化とともに観測例は増えていった。 2000年前後、日米を中心に論争が起きた。


“1グラムで地球破壊” 超高エネルギーの「宇宙線」捉える

2023年11月24日 5時34分

宇宙から降り注ぐ小さな粒子「宇宙線」のうち、計算上、わずか1グラムで地球が破壊されるほどの巨大なエネルギーを持つものを発見したと、大阪公立大学などの国際研究グループが発表しました。観測史上2番目に高いエネルギーの「宇宙線」だということで、グループでは巨大な星が爆発するなどして発生した可能性があるとしています。

砂漠に設置した507台の装置が宇宙線捉える

大阪公立大学の藤井俊博 准教授ら、日本やアメリカ、ロシアなど8か国が参加する国際研究グループは、宇宙から地球に降り注ぐ小さな粒子「宇宙線」を観測するため、2008年からアメリカ ユタ州の砂漠地帯に設置した507台の検出装置のデータを定期的に解析してきました。


その結果、2021年5月、「244エクサ電子ボルト」という観測史上2番目に高いエネルギーの宇宙線を捉えたということです。

グループは宇宙の謎の解明につなげる期待を込め、この宇宙線を日本書紀などに登場する神様の名前にちなんで「アマテラス粒子」と名付けました。

藤井准教授は「地道な観測を続けることでようやく捉えることができた。今後も観測を続け、この宇宙線の起源を明らかにしたい」と話していました。

発生源は未知の天体?

「宇宙線」は宇宙から降り注ぐ陽子などの小さな粒子で、発生源となった天体でどんな現象が起きたのかを知る手がかりとなります。

今回捉えた宇宙線の「244エクサ電子ボルト」というエネルギーは、粒子1つで40ワットの電球をおよそ1秒間点灯できる大きさで、計算上は、わずか1グラムで地球が破壊されるほど巨大なものだということです。

1991年に観測され、「驚くべき粒子」という意味で「オーマイゴッド粒子」と名付けられた宇宙線の「320エクサ電子ボルト」に次ぐものでした。

こうした極めて高いエネルギーの宇宙線の発生源では、
▼巨大な星が爆発したり
▼ブラックホールからガスが噴き
大規模な天体現象が起きた可能性があり、今後、研究が進めば、未知の天体の発見につながる可能性があると期待されています。

宇宙から降り注ぐ粒子などの観測によって、宇宙の成り立ちを探る研究は世界各国で進められていて、国内では岐阜県に「KAGRA(カグラ)」と「スーパーカミオカンデ」という大型の実験施設があります。

▼「KAGRA」は星どうしが衝突したり、ブラックホールが合体したりしたときに生じる「重力波」と呼ばれる時空のゆがみを、
▼「スーパーカミオカンデ」は巨大な星が寿命を終えるときに放出される「ニュートリノ」という粒子を、それぞれ観測しています。

大阪公立大学などの国際研究グループは、こうした他の施設の観測結果を組み合わせて解析することで、今回捉えた宇宙線の発生源の解明を進めたいとしています。

地道なデータ解析 「ようやく捉えた」

研究成果を公表した国際研究グループ「テレスコープアレイ実験」は日本やアメリカ、ロシアなど8か国から140人ほどの研究者が参加しています。

グループではアメリカ ユタ州の砂漠地帯の、滋賀県のびわ湖とほぼ同じ広さの700平方キロメートルの範囲に507台の検出装置を設置し、15年前から宇宙線の観測を続けています。

大阪公立大学の藤井准教授は6年前から、500台余りの装置が観測する膨大なデータを解析し、共同研究者に配布しています。

3か月に1度、藤井准教授みずから、装置のデータが保存されたコンピューターにアクセスして解析を行っていますが、検出装置に不具合が生じてうまく観測できなかったデータを取り除く作業に時間がかかり、1回分の解析に1週間近く費やすこともあるということです。

藤井准教授は「データを解析する作業は地道なもので、過度に期待を抱くこともなく、これが自分の仕事だと思って続けてきた。モニターのエネルギーの数値が『244』を示しているのを見たときは大変驚き、何かの間違いではないかと何度も確認したが、正しい結果だとわかると、歴史的な瞬間に立ち会えた喜びを感じた。発生源で何が起きていたのかという、新たな謎を突き止めたくなり、非常にわくわくした」と振り返りました。

そして、「今回のように高いエネルギーの宇宙線が地上に届くことはまれなので、今後も地道に観測と解析を継続する必要がある。ようやく捉えた宇宙線なので、今後の宇宙天文学の道しるべになってほしい」と話していました。

2022年01月28日 15時00分サイエンス

天文学者が「地球に向けて膨大なエネルギーを発する謎の物体」を報告


オーストラリアの研究チームが「1時間に3回というペースで地球に向けて膨大なエネルギーを放出する謎の物体」を新たに報告しました。太陽系から約4000光年という距離に位置する問題の物体は、観測史上前例のない光り方をしていたとのことで、研究チームは「全く予想外」「ちょっと不気味」とコメントしています。

A radio transient with unusually slow periodic emission | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04272-x

Mysterious object unlike anything astronomers have seen before - ICRAR
https://www.icrar.org/repeating-transient/

Unexplained Radio Signal Unlike Anything Seen Before Found By Astronomers | IFLScience
https://www.iflscience.com/space/unexplained-radio-signal-unlike-anything-seen-before-found-by-astronomers/

Astronomers detect powerful cosmic object unlike anything they've seen before | Live Science
https://www.livescience.com/ultra-slow-magnetar-new-stellar-object

新たにオーストラリアの国際電波天文学研究センター(ICRAR)のナターシャ・ハーレイ-ウォーカー氏が報告した「GLEAM-X J162759.5-523504.3(以下、GLEAM-X)」は、「18分に1度というペースでおよそ1分間巨大なエネルギーを放出する」という物体。エネルギー最大時には全天体でも屈指の明るさに達しますがおよそ1分後には暗くなり、また18分後には輝き出す……という動きを繰り返したとされています。
ICRARが作成した、GLEAM-Xのイメージムービーが以下。

Repeating Transient Animation

明滅するGLEAM-Xを天体図に模式的に描き込んだ図が以下。

Repeating Transient Profile

 このような明滅を繰り返す天体は「Transient(突発天体)」と呼ばれますが、今回のGLEAM-Xは突発天体の中でも前例のない存在とのこと。突発天体は基本的に超新星のような「数日かけてエネルギーを増し続け、その後数カ月かけて消え去る」というタイプと、パルサーのような「ミリ秒単位で明滅を繰り返す」というタイプの2種類に分類されます。今回のGLEAM-Xは前者にしては明滅が早すぎ、後者にしては明滅が遅すぎるため、ハーレイ-ウォーカー氏いわく「全く予想外」とのこと。GLEAM-Xは太陽系から約4000光年離れているため、一連の明滅現象自体は約4000年前に発生したものです。研究チームはエネルギー最大時の明るさと、太陽よりも小さいというサイズ、そして非常に偏光した電波を放出したという点から、その存在が理論上予言されていたゆっくりと回転する中性子星の一種である「超長周期マグネター」か、ないしは「超強力な磁場を持つ白色矮星」ではないかと判断しています。ハーレイ-ウォーカー氏は今回の観測結果について、「理由はわかりませんが、この物体はこれまでに観測された天体よりもはるかに効率的に磁気エネルギーを電波に変換しています」とコメント。今後は既存の観測記録からGLEAM-Xに該当する記録を探す予定だと語りました。

「これだけ調べたのに」 謎の超高エネルギー宇宙線、起源は闇のまま

石倉徹也2024年4月7日 

 「スーパー宇宙線」を探せ!

 宇宙から地球に降り注ぐ粒子「宇宙線」の中に、理論のエネルギー限界を超える「スーパー宇宙線」は存在するのか。「ある・ない」論争に終止符を打つべく、日米が中心となった「テレスコープアレイ(TA)実験」が2008年に始まった。


 米ユタ州の小さな町デルタ郊外の荒野。ここに点在するのが、ベッドのような形をした粒子検出器。宇宙線が地球の大気とぶつかると生まれる大量の粒子「空気シャワー」を24時間検出できる装置だ。1.2キロ間隔で並ぶ数は507台。その面積は琵琶湖とほぼ同じ約700平方キロメートルになる。
 さらに検出器を取り囲むように望遠鏡を3カ所設置し、空気シャワーが引き起こす蛍光を捉える。望遠鏡は月のない晴れた夜しか使えないが、シャワーが発達する様子が見え、元の宇宙線の種類やエネルギーの大きさの判断に役立つ。

「チャレンジングだが面白かった」

 日本側代表を務めた東京大宇宙線研究所の福島正己名誉教授によると、04年に始まった建設は苦労の連続だった。

 遠隔で検出データを集めるため、当時はまだ新しかった無線LANをつけた検出器を作り、広大なエリアにヘリで運搬。故障すれば歩いて修理に向かった。土地の使用許可や環境保護のため野生植物の調査もした。「チャレンジングだったが面白かった。矛盾する結果をはっきりさせたいという情熱をみんな持っていた」 スーパー宇宙線の存否はどうだったのか。

テレスコープアレイ実験が行われている米ユタ州の荒野。琵琶湖とほぼ同じ約700平方キロに、検出器が望遠鏡が点在する(C)TA実験グループ


ヘリコプターによって米ユタ州の荒野に運ばれる粒子検出器(C)東京大学宇宙線研究所

参考文献・参考資料

宇宙から来たアマテラス粒子、正体は鉄? 大きく曲がって飛来と推定(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

ケタ外れな超高エネルギー宇宙線の「アマテラス粒子」、新物理理論の可能性を示す | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

「あれ、大きいぞ」 到来したアマテラス粒子、超高エネルギーの衝撃:朝日新聞デジタル (asahi.com)

“1グラムで地球破壊”超高エネルギーの宇宙線捉える 大阪公立大など | NHK | 宇宙

天文学者が「地球に向けて膨大なエネルギーを発する謎の物体」を報告 - GIGAZINE

「これだけ調べたのに」 謎の超高エネルギー宇宙線、起源は闇のまま:朝日新聞デジタル (asahi.com)

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