見出し画像

政治講座ⅴ1454「『泣いて馬謖を斬る』諸葛公明のような立場の習近平氏」

今回は日本中から嫌われ者の習近平氏の弁明を試みた。
習近平内部の出来事は、中国の汚職疑惑による「綱紀粛正」による粛清であろうか。
振り返ると、鄧小平の改革開放路線で中国共産党員による権力を笠に着て賄賂・横領などで不正蓄財が横行したことは想像に難くない。共産党員に賄賂を贈らないと商取引ができないと噂ではよく聞いた。中国共産党の崩壊に繋がると危機感を持ったのが習近平氏であろう。
習近平氏は1985年にアメリカ合衆国を視察で訪問し、当時のアイオワ州知事で後に駐中国大使のテリー・ブランスタッドと親交を結んでホームステイをした。ソ連にゴルバチョフ新政権が登場したこと,及び,米ソ軍備管理・軍縮交渉の再開,米ソ首脳会談の実現等,米ソ関係において比較的大きな動きが見られたこととが特徴的な年である。それからしばらくしてソ連は1991年に民主化の波と経済危機で崩壊する。その旧ソ連と米国の社会を拝金主義と悟ったようである。そして、目の当たりにしたのは堕落した快楽主義と民主主義の姿を米国民の社会に感じ取ったのであろう。民主主義と拝金主義者を批難する思想は共産主義のイデオロギーであるから当然の帰結であるが中国に蔓延した拝金主義を是正する必要性を痛感したのであろう。このように習近平氏は堕落した中国共産党を必死で立て直そうとしているのであろう。
まるで三国志の魏・蜀漢・呉における蜀の劉備玄徳亡き後に再興に尽力した諸葛亮孔明のようである。
習近平氏が腹心として任命した秦剛外相も李尚福国防相を解任したのは、汚職疑惑が判明して、やむなく、諸葛孔明が「泣いて馬謖をきる」ことになった故事のようなことをしているのであろう。温故知新、歴史は繰り返されるのである。
今回はそのことを、報道記事から推測して、紹介する。

     皇紀2683年10月27日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国、李尚福国防相を解任 在任わずか7カ月、理由不明 汚職疑惑も

毎日新聞 によるストーリー • 18 時間

シンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)に出席する中国の李尚福国務委員兼国防相=2023年6月2日、ロイター© 毎日新聞 提供

 中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)常務委員会は24日、李尚福国務委員兼国防相を解任する人事を決定した。7月に外相を解任された秦剛氏について兼務していた国務委員の役職も解いた。中国中央テレビが伝えた。

 李氏の後任は発表されなかった。秦氏の外相解任と同様、李氏も就任からわずか7カ月での交代となった。解任の理由は不明だが、8月下旬に動静が途絶えてから、兵器の調達を巡る汚職などさまざまな臆測が飛び交っていた。

 李氏は2022年10月に中央軍事委員会委員に昇格。今年3月に国防相と国務委員に就任した。しかし、8月29日に北京で開催された「中国アフリカ平和安全フォーラム」での演説が公表されて以降、動静が途絶えていた。

 李氏が公の場から姿を消したことについて英紙フィナンシャル・タイムズは9月14日、李氏が国防相としての任務を解かれたと米政府が判断していると報道。ロイター通信も同月15日、中国軍当局から装備品の調達に関連して李氏が調査を受けていると伝えていた。

 特に李氏が17年9月からトップを務めていた中央軍事委員会の装備発展部に関連した汚職疑惑が取り沙汰されており、装備発展部は今年7月末、17年10月以降の入札の規律違反に関し、情報提供を求める公告を出している。

 また今年7月下旬には人民解放軍の戦略ミサイル部隊「ロケット軍」の2トップである李玉超司令官と徐忠波政治委員が相次いで解任された。ミサイルを含む中国軍の宇宙開発で中心的な役割を担ってきた李氏もこれら一連の取り締まりで、捜査対象として連座した可能性がある。【北京・岡崎英遠】

中国が秦剛外相も李尚福国防相も解任、問題は想像以上に深刻かもしれない―香港メディア

Record China によるストーリー • 1 日

24日、香港メディア・香港01は、中国で今年に入って外相と国防相が突如解任されたことについて「問題は想像以上に深刻かもしれない」とする記事を掲載した。© Record China

2023年10月24日、香港メディア・香港01は、中国で今年に入って外相と国防相が突如解任されたことについて「問題は想像以上に深刻かもしれない」とする記事を掲載した。

記事は、8月29日以来公の場に姿を現していない李尚福(リー・シャンフー)氏が24日、国防相と国務委員の職を同時に解任されたと紹介。同様に長期間公の場に姿を見せず、7月25日に外相を解任された秦剛(チン・ガン)氏も国務委員の職を解かれたと伝えた。そして、今年3月の全国人民代表大会(全人代)で国務委員に昇格したばかりの2人が突如として失脚したことは、彼らの間で想像以上に深刻な問題が起きている可能性を示唆するものだと評した。

中でも李氏について記事は国務委員と国防相を一気に解任されたことに着目し、「中国政府が李氏の関する問題についてすでに結論を下したことを示すとともに、その問題の深刻さを反映している」と指摘。失脚の背景として習近平(シー・ジンピン)国家主席が7月26日に西部戦区の空軍を視察した際に「厳格な基調を堅持し、各レベルの党管理の政治的責任を厳格化し、腐敗との闘いをますます深く推し進めなければならない」と強調したほか、同日には中央軍事委員会装備発展部が「全軍装備調達入札評価専門家の不正の手がかり収集についての公告」を出し、17年10月以降の装備調達にかかる不正問題の手がかりを集め始めたことを挙げ「奇しくも李氏が中央軍事委員会装備発展部長となったのは17年9月のことだった」と伝えている。

また、秦氏が7月の外相解任、今回の国務委員解任と2回に分けて更迭されたのは、外相解任時には調査が進行中で、調査の進展で問題が明らかになるにつれ、国務委員解任に至ったとの見方を示した。そして、現在57歳の秦氏は外交畑を歩み、外交部の報道官、新聞司長、儀典秘書官を歴任したのち21年に駐米大使という重要ポストに再任され、さらに1年後には外相に就任、今年の全国人民代表大会(全人代)で国務委員に昇格して最年少の「党・国家指導者」となった矢先の解任劇だったと紹介した。

記事は、両氏とも新任の国務委員であったこと、比較的長い不在の後に突然解任されたことから、外部からは政治の透明性に対する疑念が生じていると指摘。それでも中国共産党や中国政府がこの件について沈黙を守っているという事実は、問題の複雑さと深刻さを示しているとした。そして「両氏の問題は、中国が統治システムと統治能力の近代化を推進し、権力をそのおりの中に入れるためには一層の努力が必要であること啓示している」と結んだ。(翻訳・編集/川尻)

中国・秦剛外相に続き李尚福国防相も解任 相次ぐ“重要閣僚”の解任が習近平体制に与える影響は?専門家が分析

FNNプライムオンライン によるストーリー • 1 時間

中国・秦剛外相に続き李尚福国防相も解任 相次ぐ“重要閣僚”の解任が習近平体制に与える影響は?専門家が分析© FNNプライムオンライン

10月24日、中国の国会にあたる全国人民代表大会の常務委員会は、2カ月近く動静が途絶えていた李尚福国防相の解任を決めた。

李国防相は、2023年8月末に北京で開かれた「中国アフリカ平和安全フォーラム」の出席を最後に表舞台から姿を消していたが、これまでにイギリスのフィナンシャルタイムズは、複数のアメリカ政府高官の話として、アメリカ政府が「李国防相が中国当局の調査対象となり、国防相としての任務を剥奪されたと結論づけた」と報じていた。

そのような中で、10月24日の夜に放送された中国国営テレビで「李国防相の解任」は報じられた。

「防衛」と「外交」が解任される異例な事態

また、7月に外相を務めていた秦剛氏も解任されていて、「防衛」と「外交」という国家の安全保障を支える重要閣僚が共に就任してから1年もたたないうちに解任されるという異例の事態となった。

李氏も秦氏も解任の正式な理由は公表されていないが、事実上の更迭とみられている。

中国の政治経済や安全保障政策を専門とする京都先端科学大学の土屋貴裕准教授は「李氏が所属していたロケット軍は、研究開発や装備調達にかかる予算が潤沢で汚職の温床となり得る土壌があった」と指摘する。

その一方で「中国では政府の要職よりも共産党の要職の方が上位にあり、今回の解任がすぐに大きな影響を与えることはない」と分析する。

「中国のロケット軍は汚職となり得る土壌がある」

── 解任された李国防相が所属していたロケット軍とは?

ロケット軍(元第二砲兵)は習近平の肝いりの軍種の1つで、今回解任された国防部長の李尚福氏のみならず、魏鳳和(元国防部長)氏や張又俠(現中央軍事委員会副主席)氏らが重用されてきた。

ロケット軍は、台湾への武力行使の中核を担う軍種であるだけでなく、グアムキラーのDF26、空母キラーのDF21Dなど、アメリカに対する接近阻止・領域拒否の戦略上も重要な役割を果たす軍種であり、研究開発や装備調達にかかる予算も潤沢だったとみられる。

しかし、それゆえに汚職の温床となり得る土壌があり、ミサイルが所定の性能を満たしていないことを契機に、部品納入の不正から今回の汚職が発覚したといわれている。

2023年7月26日には、2017年10月以降の装備調達に対する入札審査活動の調査に関する公告が出されており、装備調達をめぐるさまざまな問題が指摘されている。

その後、7月28日付の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは「ロケット軍の李玉超司令員、劉広斌副司令員、張振中副司令員が装備調達をめぐる汚職で、中央軍事委員会紀律検査委員会の調査員に連行された」と報じている。

そして、7月31日の中国国営テレビが、司令官に海軍出身の王厚斌(元海軍副司令員)、政治委員に空軍出身の徐西盛(元南部戦区空軍政治委員)がそれぞれ就任したことを報じるなど、他軍種からの人事異動が明らかにされた。

また、正式に発表はされていないものの、これに関連してロケット軍幹部だけでなく、軍工企業の幹部も複数名処分されているといわれている。

李氏は、2017年9月に張又俠氏の後任として中央軍事委員会装備発展部部長に任命されており、その就任以降の期間が対象となっていることから、こうした装備調達をめぐる汚職の責任を理由に解任されたとみられる。

── 2人の重要閣僚が解任され、習政権に与える影響は?

2人の国務委員を同時に解任するというのは確かに異常である。

しかし、外交部長、国防部長や国務委員のポストは、日本を含む諸外国では大臣クラスで、通常であれば失脚は大きな影響があるが、中国では政府の要職よりも共産党の要職の方が上位にあり、党内の序列は205人いる中央委員で決して高くはない。

このことから、今回の2人の解任が政権運営にすぐに影響を与えることはない。

一方で、不倫や汚職などを把握できなかったか、把握していながら2人を引き上げてしまったことに問題があるとすれば、中央組織部や規律検査委員会の責任でもあり、逆に共産党、政府、軍内のさらなる綱紀粛正につながることも考えられる。

中国政治の“不透明さ”が浮き彫りに

習政権は1期目の発足当初から、汚職や腐敗を取り締まる「反腐敗闘争」と多くの人事交代や組織改編を伴う改革の深化を進めてきた。その結果、異例の3期目は自らが引き上げた側近で固められた「習氏一強」となっているが、「習主席はたとえ自らが引き上げた側近でも容赦なく取り締まる」(日中外交筋の関係者)という分析もある。

とはいえ、「防衛」と「外交」という諸外国に対して「対外的な顔」の立場であった2人が解任の理由も明らかにされず突然解任されることは、あらためて中国政治の不透明さを浮き彫りにした。

習主席は、2022年の党大会で最高指導者として3期目続投を決め、2023年3月の全国人民代表大会で新たな政府を発足させた。しかし、就任から1年もたたずに自らが引き上げた重要閣僚が相次いで解任されるという事実は、習主席が側近を簡単に切るという冷徹さを物語っている。

中国では10月29日から「香山フォーラム」(安全保障に関する多国間会議)が北京で開催される。

中国国営テレビは、90以上の国と国際組織が代表団を派遣する方針と報じ、またアメリカ国防総省も代表団を派遣するともいわれる中、国防相不在の中国がどう対応するのか。中国側の対応が注目される。

(執筆、インタビュー取材: FNN北京支局 河村忠徳)

参考文献・参考資料

中国、李尚福国防相を解任 在任わずか7カ月、理由不明 汚職疑惑も (msn.com)

中国が秦剛外相も李尚福国防相も解任、問題は想像以上に深刻かもしれない―香港メディア (msn.com)

習近平 - Wikipedia

三国時代 (中国) - Wikipedia

中国・秦剛外相に続き李尚福国防相も解任 相次ぐ“重要閣僚”の解任が習近平体制に与える影響は?専門家が分析 (msn.com)

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?