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政治講座ⅴ1365「遠洋集団、碧桂園、恒大集団の解体命令」

解体命令がでた恒大集団が開発中だった海花島の建物、昨年1月撮影。(2023年 ロイター/Aly Song/File Photo)

アクセルだけでブレーキの無い車は危険である、その上にハンドルの無い車はもっと危険である。経済も同じである。中国の経済はハンドルが無く、前に走るだけのアクセルだけで止まる事のできない、まるでブレーキの無い車のようである。止まるときは、大事故で罪のない被害者の犠牲を出して止まるのである。いま、大事故が起きているのが中国経済である。費用対効果、収益性の無い大型・過剰建築、それが鬼城マンションとして無駄の産物となっているのである。上記の解体命令のマンションが上記写真である。
今の中国の不動産をめぐる出来事は、そのような比喩で説明できるのである。今回はそのような危機に堕ちいた企業の報道記事を紹介する。

     皇紀2683年9月18日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国不動産の遠洋、全ての外貨建て債の支払い一時停止

Reuters によるストーリー •23 時間

[15日 ロイター] - 中国の政府系不動産開発会社である遠洋集団(シノ・オーシャン・グループ)は15日、全ての外貨建て債券について、再編が実行されるまで返済を一時停止すると発表した。

ドル建て債は同日から香港取引所での売買が停止になった。

香港証券取引所に提出した書類で、流動性の問題が短中期的に続くと予想しており、オフショア債務の「全体的な再編」が最善の方法だと考えていると説明。銀行や債券保有者、金融機関を含む利害関係者とオフショア債務の償還期限の延長や債務再編などについて引き続き交渉するとした。

同社の債務問題は、中国の不動産危機が一段と悪化していることを示している。

米格付け会社ムーディーズは15日、遠洋集団の返済停止を受けて、同社の格付けを「Caa2」から「Ca」に引き下げ、見通しを「ネガティブ」とした。

ムーディーズは今回の返済停止は資金繰りの悪化を反映しており、デフォルト(債務不履行)や他の債務の返済加速につながる可能性があると指摘。負債比率が高いことなどを踏まえると、破綻した場合は外貨建て債保有者の資金回収率は低いとみられるとの見方を示した。

15日の遠洋集団の株価は12.1%下落し、0.58香港ドルで取引を終えた。

中国不動産の遠洋、外貨建て債支払い全停止 約6000億円

中国・台湾

【上海=土居倫之】中国の不動産開発会社、遠洋集団控股は15日、全ての外貨建て債券の支払いを停止すると発表した。発行残高は約6000億円。深刻な販売不振で資金繰りが困難となっており、償還期限の延長など債権者との債務再編交渉で経営再建を目指す。

遠洋は支払い停止の理由について「不動産販売が急速に減少し、流動性圧力が高まっているため」と説明している。同社は2022年の不動産販売実績が20位の中堅不動産

中国不動産不況の衝撃 マネー流出も【中国経済コラム】

2023年9月17日 0時02分 

「中国の不動産問題のフェーズが変わった」

中国経済に詳しいエコノミストの言葉です。今、中国の不動産不況が世界の金融市場にも悪影響を及ぼし始めています。相次ぐ不動産大手の経営悪化。それは地方の財政問題にも飛び火し、中国政府が恐れていたマネー流出も起きています。(中国総局記者 下村直人)

不動産最大手もついに…

冒頭の「フェーズが変わった」との言葉のきっかけになったのは中国の不動産最大手「碧桂園」が8月初旬に一部の債券の利払いを先送りしたことでした。

「碧桂園」はこれまであまり名の通った会社ではありませんでした。

経営危機に陥っている不動産大手「恒大グループ」はサッカーチームの運営やEV=電気自動車の製造など、“派手に”多角化を進めてきたこともあり、知名度がありました。

これに対して「碧桂園」は国内の地方都市の開発などを中心に成長してきた会社なだけに、これまで国際ニュースの話題になることがあまりなかったのです。

しかし、今や「碧桂園」は世界でニュースの中心に躍り出ています。

英語名「Country Garden」は欧米メディアでも頻繁にとりあげられ、アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」は「Country Gardenが新たな懸念をもたらしている」などと伝えています。

2023年8月30日に発表した中間決算では489億人民元、日本円で9800億円の最終赤字に陥り、会社は「今後も業績が悪化し続ければ、デフォルト=債務不履行に陥る可能性がある」と投資家に脅しともとれるようなメッセージを送りました。

株価下落を引き起こし…

中国不動産最大手のデフォルト危機とあって中国の株式市場では、株価の下落傾向が続きました。

上海株式市場では、株価指数が8月25日に一時、ことしの最安値をつけました。

7月31日の高値と比べると、8%余りの下落です。

中国政府が恐れるマネー流出も

さらに中国政府が恐れていることが起きています。
資金の流出です。


中国政府は公表していませんが、アメリカ・ワシントンに本部があるIIF=国際金融協会がまとめた資金の流れによると、ゼロコロナ政策の解除以降、中国の株式市場へは資金の流入傾向が続いていましたが、8月は、一転して巨額の資金が流出しました。その額は、149億ドル、日本円で2兆1000万円余りにのぼったのです。

人民元安も進む

資金の流出は、株式市場からだけではありません。
外国為替市場で、中国の通貨・人民元も売られています。

2023年9月8日には、1ドル=7.35台まで値下がりし、15年9か月ぶりの安値を更新しました。

加速する元安に危機感

元売りを抑えるため、中国人民銀行は取り引きの目安となる「基準値」を、元高方向に設定するなど、通貨の防衛姿勢を強めています。
また、市場介入には慎重な姿勢を示しているものの、9月7日に発表した8月末時点の外貨準備高は、前の月(7月末)から442億ドル、日本円で6兆4500億円あまり減少
市場関係者のひとりは、「予想以上の規模の減少であり、通貨を防衛するために介入した可能性もあるのではないか。人民元安は資金流出を加速させるおそれがあり、当局は、相当危機感を強めているはずだ」と話していました。

地方財政をゆるがす

経営難が明らかになった「碧桂園」。
やっかいなのは地方財政と結びついている点です。
中国では土地は国有で、地方政府が土地の使用権を不動産開発会社に売って、その収入をインフラ開発の財源にあててきました。
地方都市での開発に力を入れてきた「碧桂園」の経営難は、不動産業界に依存してきた地方政府の財政悪化につながりかねず、経済に大きな打撃を与えるおそれがあるのです。

「住宅を建築するだけでなく、住宅所有者に包括的なライフスタイルのソリューションを提供する」
「ブランド価値は不動産部門を超えて拡大した」

これは2018年、碧桂園がアメリカのフォーチュン誌が発表する世界の企業の売り上げに基づくランキング「フォーチュン・グローバル500」の353位になったときのプレスリリースの文言です。
住宅建設だけにとどまらない事業拡大に会社が自信を深めている様子が手に取るように伝わります。
不動産投資熱とバブルの崩壊
経済悪化や金融危機の発端の多くが不動産由来であることは日本のバブル崩壊と不良債権処理、アメリカのサブプライムローンの焦げ付きから起きたリーマンショックを見ても明らかです。

経営難に陥った碧桂園は、年内に日本円で3000億円を超える返済が必要になるとされ、デフォルト懸念が依然、くすぶります。
中国経済がどのような道をたどっていくのか、歴史を繰り返さないのかどうか、世界の金融市場が神経を使う展開が続きそうです。

中国当局、国有保険会社設立し恒大人寿保険の資産と負債移管へ

ロイター編集

2023年9月15日午後 8:28 GMT+92日前更新

中国の金融規制当局は15日、国有保険会社を設立し恒大人寿保険の全資産と負債を移管する計画を承認したと発表した。解体命令がでた恒大集団が開発中だった海花島の建物、昨年1月撮影。(2023年 ロイター/Aly Song/File Photo)

[北京 15日 ロイター] - 中国の金融規制当局は15日、国有保険会社を設立し恒大人寿保険の全資産と負債を移管する計画を承認したと発表した。

中国当局、中国恒大のウェルス部門の従業員を拘束

Jacob Gu によるストーリー •2 時間

(ブルームバーグ): 中国当局は、中国恒大集団の富裕層向け資産管理部門の複数の従業員を拘束した。

  深圳市の警察は16日夜にソーシャルメディア上で声明を発表し、拘束は「最近」行われたと説明。そのうち1人について「杜」という苗字のみを公表した。罪状は明らかにされておらず、何人が拘束されているかも明言されていない。

  深圳に本拠を置く「恒大財富」は2015年に設立された中国恒大の100%出資子会社。リンクトインのプロフィルによると、責任者は杜亮氏だが、ブルームバーグ・ニュースは、同氏が拘束された中に含まれているかどうかを確認できなかった。

  中国恒大は2021年に400億元(現在のレートで約8100億円)の理財商品(資産運用商品)の支払いを滞らせ、全国的な抗議行動を引き起こした。

  恒大財富は8月31日、流動性逼迫(ひっぱく)のため投資商品の支払いができないと発表していた。

中国恒大、理財商品の支払いできず-資産処分進まず手元資金不足

  当局は16日に、捜査は継続中だとして投資家に対し、オンラインで苦情を申し立てるなど当局に手掛かりを提供するよう呼び掛けた。

原題:Chinese Police Detain Some Staff of Evergrande Wealth Unit (1)(抜粋)

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©2023 Bloomberg L.P.

中国、結局はデフレ回避か

Nathaniel Taplin によるストーリー •30 分

中国、結局はデフレ回避か© Alex Plavevski/Zuma Press

 中国経済はデフレを危機一髪で回避したようだ。今のところは。

 15日に発表された8月の主な経済データは、厳しかった6月と7月からの持ち直しをはっきりと示唆するものだった。だが、不振が長引く住宅部門にはそれほど心強いニュースはなく、中・小規模都市で価格下落が加速した。一方、小売売上高の伸びは7月の前年同月比2.5%から4.6%に加速。失業率はわずかに低下した。

 政府はここ数週間で融資を促す施策を相次ぎ打ち出した。2回目の住宅ローン利用の条件が緩和されたほか、14日には銀行の預金準備率が大幅に引き下げられた。

 こうした措置により、消費者物価の下落が長期化して1990年代の日本のように物価下落と極端な買い控えのスパイラルに陥る可能性は後退する。

 中国の消費者は依然として極めて慎重で、貯蓄水準は新型コロナウイルス流行前を大きく上回っているようだ。だがここにきて、状況は明らかにいくぶん改善しつつある。

 最も顕著なのは、中国経済で最も大きな比率を占めるサービス業の雇用改善だ。サービス業購買担当者指数(PMI)のサブ指数である雇用指数は、今春に建設業とともに急低下したが、再び上昇し始めている。ただし、改善と悪化の分岐点となる50は依然として下回っている。ゴールドマン・サックスによると、より短い周期で消費活動を測る大都市の交通渋滞などの一部指標も、夏の終盤に回復し始めた。

 さらに、7月の総合消費者物価指数(CPI)はわずかに低下したものの、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアのCPIは、1月以来の大きい伸びを示した。総合CPIの押し下げ要因となった豚肉や燃料の大幅下落などで、おそらく家計に余裕ができたのだろう。また、8月のサービス価格の上昇率は1年半ぶりの高水準に達し、併せてサービス業の雇用ははっきりと底打ちの兆しを見せ始めた。

 良いニュースは、端々で状況が好転していることだ。悪いニュースは、これが全て大変低い水準から始まっていることだ。かろうじての成長回復ではなく、力強いそれを見込むべき理由はまだほとんどない。

 中国政府はさらなる措置を講じて住宅市場を下支えする必要がある。そうしないと、価格下落は家計の消費意欲を損ない続けることになる。経済の4分の1程度を占める不動産部門の低迷は、春から夏にかけてのように、再び労働市場全体を悪化させかねない。

 仮に不動産部門が年内に底打ちしたとしても、活動は依然として2019年の水準を大幅に下回っている。データ提供会社CEICによると、8月の新設住宅着工床面積はわずか5100万平方メートル。19年8月は1億4200万平方メートルだった。

 経済に占める割合が大きく、かつ家計の富の主な貯蔵手段でもある部門が横ばいのままでは、消費の力強い回復を見込むのは難しく、労働市場はリスクにさらされたままだろう。多くの資源を消費して多くの無駄を生み出してきた部門から経済を方向転換したいと政策立案者が考えるのはもっともだ。だが少なくとも今のところ、これに代われるものはない。

参考文献・参考資料

中国不動産の遠洋、全ての外貨建て債の支払い一時停止 (msn.com)

中国不動産の遠洋、外貨建て債支払い全停止 約6000億円 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

中国不動産不況の衝撃 マネー流出も【中国経済コラム】 | NHK | コラム 株・円相場

中国当局、国有保険会社設立し恒大人寿保険の資産と負債移管へ | ロイター (reuters.com)

中国当局、中国恒大のウェルス部門の従業員を拘束 (msn.com)

中国、結局はデフレ回避か (msn.com)

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