見出し画像

やさしい物理講座ⅴ82「詭弁の物理学」

 日本語で日常的に使われる「詭弁」とは、「故意に行われる虚偽の議論」 「道理に合わないことを強引に正当化しようとする弁論、 論理学 で外見・形式をもっともらしく見せかけた虚偽の論法」 「実質において論理上虚偽あるいは誤謬でありながら、故意に誤りのある論理展開を用いて、間違った命題を正しいかのように装い、思考の混乱や欺瞞を目的としておこなう謬論」を指す 。辛辣な表現であるが、今の物理学はその二文字「詭弁」に該当する。そして、その諸悪の根源は「相対性理論」に起因する。仮説を仮説で証明したような論評が多い。これから紹介する報道記事に関しても同様である。「量子のもつれ」の原因・理由を探究せずに、相対論の「時間」の概念と結びつけようとする。「量子のもつれ」の本当の物理的原因を探究せずに「相対論」の時間の概念に結びつけて結論を出したつもりでいる。なお、その詳細については、後述する「以前掲載したブログのURL」をお読みください。「相対性理論」は「支離滅裂な理論」であるので一般人には理解できないのは当然である。「相対性理論」の専門家も矛盾に薄々気が付いていると思われるが、権威主義が跋扈する物理学界においては異論を言い出せないのが現実である。「地動説」が認められたのはガリレオの死後350年後であったが、「相対性理論」の間違いが正されるまであと300年は要することであろう。物理学を学ぶ大学生諸君にはくれぐれも「『相対性理論』は間違えている」などと主張しないようにご注意ください。大学卒業が危うくなることは明らかである。
今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2684年6月20日
     さいたま市桜区
     理論物理研究者 田村 司

「時間」とはなにか?→「量子もつれ」によって作られた“副産物”かも イタリアの研究者らが提唱

「時間」とはなにか? イタリアの研究チームが仮説を提唱© ITmedia NEWS

 イタリアのフィレンツェ大学などに所属する研究者らが発表した論文「Magnetic clock for a harmonic oscillator」は、時間が量子もつれから生じるという理論モデルを提唱した研究報告である。研究チームの計算結果は、時間が物理的現実の基本的な要素ではなく、量子もつれの結果として生成されたものである可能性を示唆している。

 一般相対性理論では、時間は宇宙の構造に組み込まれており、この物理的現実は時空に設定されている。この理論では、重力の存在によって時間がゆがんだり遅れたりする。一方、量子理論では、時間は可変でないものとされ、他の物体の特性のようには変化しない。その経過を記録するには、物体の外部にある時計を参照する必要がある。

 今回研究チームは、ある物体が時間とともに変化するのを見るのは、その物体が“時計と量子もつれ状態だからではないか”と考えた。「変化する物体」と「時計」が量子もつれになっており、この量子もつれによって「時間」が生まれるという理論モデルである。量子もつれとは、2つの物体がどれだけ離れていても密接に結びついており、一方を乱すとその瞬間もう一方も影響を受けるという現象だ。

 研究チームは、量子もつれした状態を数学的にモデル化するために「時計」役に小さな磁石のシステムを、「変化する物体」役にバネのように振動するシステム(量子オシレーター)を準備した。なお、磁石のシステム(時計)と量子オシレーター(変化する物体)は、量子もつれの状態に設定した。

 この設定下で、シュレーディンガー方程式を用いて系の時間発展を記述。その結果、通常の時間変数の代わりに、磁石のスピンを数え上げる変数が現れることが分かった。磁石のスピン状態が変化するたびに、量子オシレーターの状態も変化する。この変化は、観測者にとって「時間の経過」として認識される。

 このモデルでは、時間とは実際には磁石のスピン状態の変化にすぎない。外部の観察者から見ると、全体のシステムは静的で変化のないものとして見えるが、内部の観察者には変化が時間として感じられる。

 研究チームのこの実験結果は、時間は量子もつれの結果として現れるものであり、もつれがなければ時間も存在しないことを示す。もし私たちが時間の経過を知覚するならば、物理的世界に量子もつれが織り込まれていると考えられる。逆に、量子もつれのない宇宙では、全てが静的で変化がないように見えるのかもしれない。

 Source and Image Credits: Alessandro Coppo, Alessandro Cuccoli, and Paola Verrucchi. Magnetic clock for a harmonic oscillator. Phys. Rev. A 109, 052212 - Published 10 May 2024

 ※Innovative Tech:このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。X: @shiropen2


「なぜ時間は過去→未来にしか進まない?」を“量子もつれ”で説明か 未解決問題「時間の矢」に切り込むInnovative Tech

2024年06月05日 08時00分 公開

[山下裕毅ITmedia]

このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 英サリー大学と米カリフォルニア大学サンディエゴ校に所属する研究者らが発表した論文「The Decoherent Arrow of Time and the Entanglement Past Hypothesis」は、時間が過去から未来へ一方向にしか流れない理由を探究した研究報告である。

“量子もつれ”で未解決問題「時間の矢」に切り込む

 普段感じている時間は、過去から未来へと一方向にしか流れていかない。このような時間が一方向に進む概念を「時間の矢」と呼び、物理学の未解決問題の一つとしている。この時間の矢を説明する新しい考え方を提案したのがこの研究である。

 この論文では、宇宙が始まったときには「量子もつれ」は少なかったと主張(宇宙の初期状態が非常に低いもつれエントロピーを持つ状態であったという仮定)しており、これを「量子もつれの過去仮説」(Entanglement Past Hypothesis、EPH)と呼んでいる。

 「量子もつれ」とは、2つ以上の量子がどんなに遠く離れていても互いに強く関連し合う量子特有の現象をいう。この状態にある量子は、一方の状態が決定されるともう一方の状態も即座に決定される特性を持つ。量子もつれは外部からの干渉があると壊れてしまい、この現象を「量子デコヒーレンス」と呼ぶ。量子コンピュータを実用化する上でも、このデコヒーレンスは大きな障害となる。

 論文では、宇宙が進化するにつれて、量子もつれが増えていき、それと同時にデコヒーレンスも増えていったと説明。量子デコヒーレンスは後戻りできない変化(不可逆的なプロセス)なので、時間が前にしか進まない理由の鍵になると指摘している(デコヒーレンス的時間の矢)。

論文のトップページ

 これは「熱力学的時間の矢」と類似している。宇宙の初期状態が非常に低い熱力学的エントロピーを持っており、時間が進むにつれてエントロピーが増加する現象によって時間の一方向性を説明するというものである。

 まとめると、この研究では、時間の矢について新たな視点を提供している。具体的には、宇宙の初期量子状態が非常に低い量子もつれを持っていたという「量子もつれの過去仮説」を提唱。この仮説に基づき、量子デコヒーレンスというプロセスが時間の一方向性を説明する鍵となる。デコヒーレンスは、環境と絡み合うことで生じる不可逆的なプロセスであり、量子もつれの増加がその証拠となる。

以前掲載したブログのURL

やさしい物理講座ⅴ70「量子エンタングルメント(量子もつれ)に関する光の伝播方向の新解釈(新説)」|tsukasa_tamura (note.com)

やさしい物理講座ⅴ67「重力は質量のあるものに作用する」|tsukasa_tamura (note.com)

やさしい物理講座ⅴ66「トリウム原子核励起」|tsukasa_tamura (note.com)

やさしい物理講座v31「ブラックホールが宇宙空間ガス物質で作り出す現象の光の屈折」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v26「いよいよ特殊相対性理論と一般相対性理論の終焉である。」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v23「運動している物質中の光の振る舞い」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v21「未発見の重力子、そしてKAGRA計画の重力波測定の研究成果の出ない理由」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v17「量子力学から考察した素粒子の光子(フォトン)と重力子(グラビトン)とヒッグス粒子の考察」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v16「光粒子(素粒子:電磁波)と物質の相互作用」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v14「E=mc²の検証・・・まだ仮説のまま実証されていない、呵々。」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v13「光の真空中の減衰理論」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v7「狂った時計で時間を測定する愚行、"Time Dilation”の詐術にご用心」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v5「光子(素粒子)には慣性力が働かないから『光時計』は理論的に機能しない。それは『時間の遅れ』の証明にはならない」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v4「光子(素粒子)は質量0で重力の影響を受けない。」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座V3「素粒子を粒子と見ないで『場の考え方』が必要」|tsukasa_tamura|note

やさしい物理講座v36「宇宙膨張説・ビックバン理論・宇宙インフレーション論の矛盾解消のため、『光の真空中の減衰理論』に道を譲るべき時期であろう」|tsukasa_tamura|note

私がビックバン理論(宇宙膨張説)を信じない理由 副題 光の減衰理論(仮説)|tsukasa_tamura|note

「時間の遅れ(time dilation)」の錯誤|tsukasa_tamura|note

死後350年後。ガリレオは"地動説の罪"が許されるまで異端者だった

2020年7月2日 雑学カンパニー編集部

「それでも、地球は回っている」誰もが一度は聞いたことのあるこのセリフ。どうやら、これはあのガリレオ・ガリレイが宗教裁判で有罪になったあとに言ったものらしい。しかし調べてみると、このガリレオの罪はのちに許されていた。しかも、彼の死後ずいぶん経ってから!
その罪の内容と免罪までのあまりに長い時間におどろくこと間違いなし。

【歴史雑学】ガリレオの地動説の罪が許されたのは死後350年後

【雑学解説】ガリレオの「地動説の罪」とは?

今回のトリビアの主人公であるガリレオ・ガリレイは、16〜17世紀のイタリア・フィレンツェで活躍した物理・天文学者だ。

ガリレオは、自分で改良した望遠鏡を使って得た観察結果から、地球が太陽の周りを回っていることを明らかにした。そう、地動説を証明したのだ!

では、彼が犯した罪とはなんだったのか? 科学の進歩に貢献したのだから、特別悪いことはしていないように思える。

この疑問の答えは、キリスト教。つまり聖書の教えに反する思想をもったという罪だった。

カトリック教会は正しい正当な教えではなく、異なった考えをもつ者を異端とすることで、その教えを守っていた。カトリック批判が盛んになった16世紀半ば、ローマに宗教裁判所が設置され、そこで異端か否かの判断が下された。

ガリレオの地動説が異端とされたのは宇宙観の違い

問題は、カトリックの宇宙観だった。どんな考えだったかというと、動かない地球の周りを太陽や月が回っているという天動説。つまり、ガリレオが証明した地動説とは真逆の考え方だったのだ。

1633年の宗教裁判で、聖書の教えに反した地動説を唱えたガリレオは異端とされた。この結果、フィレンツェ近郊のアルチェトリの自宅で軟禁生活を強いられた。

その後も科学の研究は続けたが、1642年1月にガリレオは異端という罪を背負ったまま、77歳で病死した。

天動説と地動説の歴史とは?地動説に変化した理由について解説!

350年後にようやくガリレオの裁判が見直される
カトリック教会がその重い腰をあげて、ガリレオの裁判の見直しを行ったのは、なんと20世紀後半になってから! 1979年のアインシュタイン生誕100年を機に、当時の教皇ヨハネ=パウロ2世がガリレオの異端判決の再調査を命じたのだ。

だが、そのプロセスもなかなかにゆっくりだった。1979年から再調査が行われ、1983年に17世紀の宗教裁判が誤りであったことが表明された。そして、その9年後の1992年11月にヨハネ=パウロ2世の演説によって、ようやく正式にガリレオの名誉が回復されたのだ。
ガリレオの死が1642年であるから、正式に異端判決が取り消されるまで、その死からちょうど350年かかった計算である。
 
こうした長い年月を経て、ガリレオの地動説を唱えたという罪は許された。教会の判断を覆すことがこんなにも難しいとは…。だが一方で、真理はいつかは認められるということを教えてくれる例でもある。

【追加雑学】ガリレオの裁判は2回あった?

なんとガリレオは1616年と1633年の2回、宗教裁判にかけられていた!

最初の1616年の裁判では、地動説を教えることを一切禁じられこそはしたものの、警告のようなものだったという。しかし、ガリレオはその後も地動説に関する執筆を続けたため、最初の裁判での約束を破ったことを主な理由に、2度目の裁判にかけられた。

この1633年の裁判で、ガリレオの罪は決定的となる。ガリレオは地動説の放棄か死かの二択を迫られ、地動説を唱えた異端者として生きのびることを選んだのだった。
 ちなみに、ガリレオが「それでも、地球は回っている」と言ったという逸話は、2回目の裁判のときとされているが、真偽は定かではない。
教会権力に警告されても止められない知的探求欲。さすがは、真理をつかんだ天才ガリレオである。

参考文献・参考資料

「時間」とはなにか?→「量子もつれ」によって作られた“副産物”かも イタリアの研究者らが提唱 (msn.com)

「なぜ時間は過去→未来にしか進まない?」を“量子もつれ”で説明か 未解決問題「時間の矢」に切り込む

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?