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政治講座ⅴ339「FBIはアメリカ合衆国憲法修正第 4 条の違憲の疑い濃厚」

 以前、米国には「2つの国」が存在する事を解説した。米国での内戦の武力衝突は南北戦争(Civil war)が西暦1861年に起こった。「2つの国」との表現は民主党・共和党による政権交代は、「2つの国」になる要因の政権抗争の結果である、その戦いは合法的に行われることを原則とするが、しかし、今、民主主義の崩壊を感じさせる動きに見えるのである。陰謀・謀略による情報操作・フェイク情報から今政権を握った権力者による権力の濫用にも見えるのである。民主主義の危機・立憲主義の危機である。米国は無法国家に成り下がるのか?
今回は今のトランプ捜査に絡んだ事件を「米国憲法の規定に従うとどうであるか」を取り上げる。

       皇紀2682年8月29日
       さいたま市桜区
       政治研究者 田村 司

はじめに

斯くも熾烈な権力闘争を目の当たりにするとは、思わなかった。トランプを大統領にしたくない勢力の正体は何であろうか? 従来の既得権益者にとっては邪魔な存在であろうか?以前、掲載した続編である、
政治講座ⅴ334「トランプショータイム」|tsukasa_tamura|note

アメリカ合衆国憲法修正第 4 条 について


アメリカ合衆国憲法修正第 4 条 (修正 IV) は、権利章典の一部です。
不当な捜索や押収を禁止しています。
さらに、令状を発行するための要件を設定します。
令状は、裁判官または治安判事によって発行され、推定される理由によって正当化され、宣誓または確約によって裏付けられ、捜索する場所と押収される人または物を特に説明する必要があります。
修正第 4 条の判例法は、政府の活動とは「捜索」と「押収」とは何か、捜索と押収を行う推定原因となるものは何か、修正第 4 条の権利の侵害にどのように対処するかという 3 つの主な問題を扱っています。
初期の裁判所の判決では、修正条項の適用範囲は財産または人物への物理的侵入に限定されていましたが、Katz v. United States (1967) では、最高裁判所はその保護が個人のプライバシーへの侵入や物理的な場所への侵入にまで及ぶと判断しました。
ほとんどの捜索および押収活動には令状が必要ですが、裁判所は、同意調査、自動車捜索、明白な証拠、緊急事態、国境捜索、およびその他の状況について一連の例外を設けています.除外規則は、修正が施行される 1 つの方法です。
Weeks v. United States (1914) で確立されたこの規則は、合衆国憲法修正第 4 条違反の結果として得られた証拠は、通常、刑事裁判では認められないとしています。後に違法な調査の結果として発見された証拠も、「毒木の実」として認められない場合があります。例外は、法的手段によって必然的に発見された場合です。修正第 4 条は、英国政府が発行する一般捜査令状の一種であり、革命前のアメリカにおける緊張の主な原因である援助令状の乱用に対応して採択されました。修正第 4 条は、新しい憲法に対する反連邦主義者の反対に応えて、1789 年にジェームズ マディソンによって、権利章典の他の修正条項とともに議会に導入されました。議会は 1789 年 9 月 28 日に修正案を各州に提出しました。1791 年 12 月 15 日までに、必要な州の 4 分の 3 が修正案を批准しました。1792 年 3 月 1 日、トーマス・ジェファーソン国務長官は、それが正式に憲法の一部であると発表しました。権利章典は最初は州政府にも地方政府にも適用されず、連邦の犯罪捜査は国の歴史の 1 世紀にはあまり一般的ではなかったため、20 世紀以前には修正第 4 条に関する重要な判例はほとんどありませんでした。この修正は、修正第 14 条のデュー プロセス条項を介して、Mapp v.Ohio (1961) で州および地方政府に適用されると判断されました。


合衆国憲法修正第一条(1791年成立)

政教分離原則,信教・表現の自由


合衆国議会は、国教を制定する法律もしくは自由な宗教活動を禁止する法律、または言論・出版の自由もしくは人民が平穏に集会して不満の解消を求めて政府に請願する権利を奪う法律を制定してはならない。

[解釈]

アメリカ合衆国憲法では、『信教(宗教)の自由』が認められており、法律で特定の宗教を『国教』として定めたり強制したりすることはできない。特定の宗教の教義・規範・目的に従った『宗教政治(神聖政治)』は明確に否定されており、この修正第一条では『政教分離の原則』が示されている。

アメリカでは言論・出版・平穏な集会(政治結社の結成)の自由が認められており、アメリカ国民は国家に対する不満の解消を求めるための請願権』を保障されている。

合衆国憲法修正第二条(1791年成立)

市民の武装権(武器の保有権)

よく規律された民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し携帯する権利は、これを侵してはならない。

[解釈]

アメリカ独立革命によって成立したアメリカ合衆国の国家観・歴史観・政治思想を典型的に示すのが、市民(民兵)の武装権を保障しているこの修正第二条である。アメリカ合衆国は、国家権力がすべての暴力と火器(銃器)を独占して管理するという『銃規制』を否定しているが、それは軍隊を保有する国家に対して市民が無力(無防備)になることを防ぐためであるとも解釈できる。つまり、アメリカ合衆国をイギリスから独立させたような『よく規律された民兵』の必要性を承認することで、すべての国民に武器を保有する権利(自由を守るために武装する権利)を認めているのである。

アメリカというとハリウッド映画などの影響から『星条旗に対する忠誠心』などがイメージされやすいのだが、アメリカは憲法で市民の『抵抗権(革命権)』を保障しているように、国家権力が暴走して市民の自由・権利を抑圧するような事態に陥ればアメリカ市民(アメリカ国民)は武装して不正な国家と戦って転覆させる民兵にもなるのである。国家権力を絶対的なものにせず、一般市民の側にも『政治的・軍事的な抵抗権』を担保する意味合いを持つ条文になっている。一方で、社会契約論の抵抗権などとは無関係な『国民同士の銃犯罪』が多発していることから、この修正第二条の『武器を保有・携帯する権利』を改正して、銃規制をより強めることで安全な社会を作るべきだというリベラルな政治家・国民も増えている。

合衆国憲法修正第三条(1791年成立)

兵士による民間からの徴発(民間家屋での宿営)の禁止

 平時においては、所有者の同意なく、兵士を家屋に宿営させてはならない。また戦時においても、法律の定める方法による場合を除いて、同様に宿営を禁じる。

[解釈]

アメリカの兵士は、平時には当然のことながら、民間人の家屋に強引に宿営することはできず、『国家・戦争のため』だからといって軍隊が民間人の家屋の所有権を脅かすことはできない。戦時においても、民間家屋の接収や兵士の宿営を可能とする特別な法律を定めない限りは、兵士は民間の家屋を接収したりそこで宿営したりすることはできないとされている。

合衆国憲法修正第四条(1791年成立)

相当の合理的理由がない捜索・逮捕・押収の禁止

 不合理な捜索及び逮捕・押収から、その身体・家屋・書類及び所有物の安全を保障される人民の権利は、これを侵してはならない宣誓または確約によって証拠づけられた相当の理由に基づくものであって、捜索すべき場所及び逮捕すべき人または押収すべき物件特定して記載するものでなければ、いかなる令状も発してはならない

[解釈]
 裁判所の令状に記載された相当な合理的理由がない限り、アメリカ国民は不当な捜索・逮捕・押収を受けない権利を保有している。アメリカの刑事司法・事件捜査における『令状主義』を明文化した憲法の条文であり、その令状には『捜索すべき場所・逮捕すべき人物・押収すべき物件』のすべてが明記されていなければならず、その令状がなければ強引な捜索や逮捕など拒否することができる

アメリカの警察官・保安官のイメージは、力づくで犯罪者を制圧したり少しでも抵抗の素振りを見せれば拳銃を発砲しかねないという『コワモテなイメージ(それだけ犯罪者の側も銃器で反撃してくる危険制がある)』であるが、逮捕時の警察の指示に従って無抵抗であることをアピールしていれば、合衆国憲法は『合理的理由のない捜索・逮捕・押収』は無効であるということを明記しているのである。

My  opinion.

今、FBI・司法省 vs トランプ氏の攻防戦は前述した米国憲法修正第四条をめぐって戦いが始まっているのである。事実は小説より奇なり。顛末がどうなるか楽しみにしている。
どんとはらい!

参考文献・参考資料

アメリカ合衆国憲法修正第 4 条 (アメリカ合衆国憲法修正第4条) 2021 - mixi.wiki

アメリカ合衆国憲法 - Wikipedia

アメリカの憲法 修正第一条~修正第四条 (esdiscovery.jp)

アメリカ南北戦争 - ウィキペディア (wikipedia.org)

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