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政治(金融)講座ⅴ923「世界恐慌の到来の予兆」

万物は流転するが歴史はまた繰り返される。丁度100年前に武漢ウイルスに似たスペイン風邪が大流行した。スペイン風邪の起源は中国と言われている。そして1929年の金利引き上げに伴い、株価暴落して米国から世界恐慌が1932年に始まる。まさに、過去の軌跡をたどるように歩んでいるように見える。インフレ防止のために急激な金利引き上げが銀行の経営を圧迫、米国債の下落、預金者の取次騒ぎに発展、銀行破綻に追い込まれた。100年前の歴史の再現か。皆様は歴史の証人になることであろう。経済の勝者になるか、敗者になるかは今の判断と行動に掛かっている。今のam10:00時点で大手銀行株価は前日比8%から10%の下落を経験している。昨年の11月ごろからの金融株の異常な株価上昇が米国のSVB破綻により、ここ数日間、経験したことのない下げ幅を記録している。ピンチはチャンスであるのだがさて諸君の判断は如何に? 虎視眈々と吾輩も狙っているのである。
今回は今後どう行動すべきかとを含めた報道記事を紹介する。

     皇紀2683年3月14日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

株価が下落…「底値買い」や「ナンピン買い」がキケンとされる“これだけの理由”

Finasee によるストーリー • 3 時間前

「老後の備えは自分で作らなくてはいけない」そんな危機感がコロナ禍でさらに膨らみ、投資を始める人が増えている。しかし、そうはいっても奥深いのが投資の世界。慣れれば慣れるほど疑問や不測の事態に直面することも増えてくる。

株価が下落…「底値買い」や「ナンピン買い」がキケンとされる“これだけの理由”© Finasee

そこで、この連載では「資産形成3年目だからこそ知りたい」用語や投資情報を解説する。第15回は「株価の底値買い」について。決算発表に伴い、業績の下がった企業の株価を見ると、どのように行動すべきか迷うもの。市場全体に目を向けても、2022年8月に一時2万9000円台まで復活した日経平均株価は、2023年2月下旬は2万7000円台まで水準が徐々に切り下がっている。

株価が下落傾向のタイミングこそ「仕込み時」と考える投資家もいるが、初心者にとってはこのような時こそ慎重な投資が重要だ。今回は、株価の下落時に不安にならないための投資法を見ていこう。

株価下落時の主な対応方法3つを解説

株価下落に直面したときは、手じまいをするかもう少し粘るかで迷うことも多い。対応方法としては大きく分けて3種類がある。

1. そのまま保有を続ける

株価が下がっても慌てず、じっと相場の反転をうかがう方法だ。市場の需給で一時的に値下がりすることも珍しくない。割安度や業績を改めてチェックして一時的なものと判断した場合は、下手に動かず待つのも手だ。急落した場合も同様に、次の展開を辛抱強く待ち続けよう。

ただし、見込みもないまま止むを得ず長期保有している「塩漬け」の状態には注意したい。「見切り千両、損切り万両」という格言があるくらい下落したときの売却のタイミングは難しいとされるが、「塩漬け」銘柄を保有することは運用効率の低下にもつながりかねない。資産運用の目的や期間を鑑みて保有を続けるのか売却するのかを検討したい。

2. 売却する

保有している株式を売却し、損失を確定させる方法(損切り)もある。保有し続けた場合、さらに株価が下落して含み損が膨らむ可能性もあるため、損失額を確定させることで損失が膨らまないようにする狙いだ。購入した株の価格が下落し、回復が見込めないと判断できるケースでは有効といえる。

ただし、反転した場合もすぐに買い直すのはNG。損切りした銘柄に拘らず、あくまで自分の「買い」と「売り」の基準をもとに投資を続けよう。

3. 追加で注文する

反転に期待し、保有を続けるだけではなく、追加で注文を行う方法。ナンピン買いと呼ばれる。平均購入価格を下げることで、株価上昇時に含み損を解消するまでの時間を短くできるというメリットがある。

しかし、株数が増えることで、株価がさらに下落すれば損失の膨らむスピードが速まる可能性もある。デメリットとして、他の投資対象に回す資金がなくなったり、分散投資しづらくなったりすることなどが挙げられる。

株価の底値買いは「仕込み損」のリスクが高い

底値とは、一定期間中の一番低い株価をあらわす。一時的に株価が安い状態である優良銘柄を探して買い、値上がり益を狙うのが「底値買い」の基本戦略だ。このことから、株価の下落相場を「仕込みどき」と捉える投資家もいる。

しかし、「ナンピン買い」と同様、初心者は以下の3つの理由からあまり手を出さない方がよい投資方法といえる。

1つ目の理由は、「十分な値上がり益を得られない危険性がある」からだ。

株価が下落している最中に、どこが底値になるかは誰にも分からない。また、株価が大幅に下がっている最中は、機関投資家などがまさに売却中である可能性が高い。そのような時に、資金量に劣る個人投資家がいくら購入しても下落は止まらない。その結果、仕込んだ株を損切りする必要が出てきたり、塩漬けになってしまったりするリスクがあるのだ。

2つ目の理由は、「さらに損失を広げてしまう可能性がある」からだ。

リーマンショックやコロナショックなど、世界的な株価暴落時は相場の値動きが普段以上に激しくなる。とくに初心者は動揺も相まって適切なタイミングで損切りできず、損失を広げてしまう可能性が高まる。さらに、急な下落相場で冷静さを失い、信用取引などハイリスクな売買や、普段の売買ルールとは異なる取引をしてしまうことも。

3つ目の理由は、「下落している銘柄は旬を過ぎていることが多い」からだ。

株価が下落し続けることには理由がある。株価が下落するのは株主の売りが増えているためであり、背景には業績不振なども考えられる。また、投資家にとってその銘柄が旬を過ぎていることもある。たとえば、2022年の東証プライム市場での下落銘柄ワースト30の多くは、「グロース」と呼ばれる今後成長が期待できると見込まれた企業や、勢いのあった新興企業の小型株が占める。相場全体からの期待が落ち込んだ銘柄は、なかなか上昇に転じることが難しいのだ。

安定して上昇を続ける銘柄がベター

株の短期〜中期での売買は、損する人と得する人が出るゼロサムゲーム的な側面を持つ。「頭と尻尾はくれてやれ」というように、株価相場の最高値や最安値を読み切ることは非常に難しいと言われるなか、利益を奪い合う相手は機関投資家やプロのトレーダーだ。とくに相場が荒れているとき、個人投資家が普段と異なる売買で勝つことはほぼ不可能だろう。

落ちるナイフを掴むな」という格言通り、下落している銘柄での「底値買い」や「ナンピン買い」を無理に目指さず、業績と株価が連動する銘柄でコツコツ投資していくのが望ましい。

投資初心者だけではなく中級者以降も、長期保有で利益の獲得を目指すプラスサムの世界での投資が現実的であるといえるのではないだろうか。

文/中曽根 茜(ペロンパワークス)


米当局の介入でも破綻する銀行は恐らく増加-アックマン氏

Zoe Ma によるストーリー • 2 時間前

(ブルームバーグ): 米シリコンバレー銀行の破綻に対応し米当局が銀行システムを支えるため介入しても、銀行破綻が増える可能性があるとの見方をパーシング・スクエア創業者のビル・アックマン氏が12日夜のツイートで示した。

  同氏は一方で、今後どのように銀行破綻を管理するかについて米政府が「明確なロードマップ」を提示したことを称賛した。

FRBが緊急貸し付け、窓口貸出も緩和-預金は全額アクセス可能

原題:Ackman Says More Banks Will Likely Fail Despite Fed Intervention (抜粋)

(この記事は一部に自動翻訳を利用しています)

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ビットコイン1カ月ぶり大幅高、米金融システム不安を当局が和らげ

Muyao Shen によるストーリー • 5 時間前

(ブルームバーグ): ビットコインはアジア時間13日午前の取引で約1カ月ぶりの大幅高。米金融システムの健全性への懸念払拭(ふっしょく)を当局が目指したことを受けた。

  ビットコインは一時5.3%高の2万1582ドルと、2月15日以来の大幅上昇。シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を受け、米当局は全ての預金者の資金を保護すると約束したほか、資金繰りに窮している銀行には短期融資の条件を緩和すると発表した。シグネチャー・バンクはニューヨーク州金融当局により事業停止となったが、預金者は資金にアクセス可能となっている。

  分散型デリバティブ取引プラットフォーム、シンフューチャーズのレイチェル・リン共同創業者は「米連邦準備制度の救済計画は市場の信頼を高めた」と述べ、「特にシグネチャーが暗号資産業界内の主要な金融機関であることを考えると、別のプレーヤーが崩壊する可能性についての懸念を和らげた」とも指摘した。

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FRBが緊急貸し付け、窓口貸出も緩和-預金は全額アクセス可能 シグネチャー・バンクを事業停止、NY州当局-SVB破綻の余波

原題:Bitcoin Increases More Than 5% After US Supports Banking Sector(抜粋)

(この記事は一部に自動翻訳を利用しています)

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「シリコンバレー銀行」破綻の影響が世界中に広がっている、世界経済の今後は?

「シリコンバレー銀行」破綻の影響が世界中に広がっている、
世界経済の今後は?© GIGAZINE 提供

by Tony Webster 2023年3月10日に発生したアメリカ銀行大手「シリコンバレー銀行」の経営破綻による影響がヨーロッパやアジアなどの世界中に広がり始めていることが報じられています。これまでスタートアップへの投資を積極的に行ってきたシリコンバレー銀行の経営破綻により、世界各地のスタートアップに悪影響が及ぶことが懸念されています。 SVB Fallout News: Spreading Problems Around the World - Bloomberg https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-03-11/svb-fallout-spreads-around-the-world-as-uk-firms-plea-for-help#xj4y7vzkg Bank of London submits rescue bid for UK arm of Silicon Valley Bank | Business News | Sky News https://news.sky.com/story/bank-of-london-weighs-rescue-bid-for-uk-arm-of-silicon-valley-bank-12830933 Silicon Valley Bank collapse is impacting many Indian startups | TechCrunch https://techcrunch.com/2023/03/11/silicon-valley-bank-collapse-is-impacting-many-indian-startups/ Bank of England statement: Silicon Valley Bank UK | Bank of England https://www.bankofengland.co.uk/news/2023/march/boe-statement-silicon-valley-bank-uk Silicon Valley Bank’s China joint venture says operations stable and independent amid US parent’s collapse | South China Morning Post https://www.scmp.com/business/china-business/article/3213190/silicon-valley-banks-china-joint-venture-says-operations-stable-and-independent-amid-us-parents SVB Collapse (SIVB) and FDIC Auction on March 12, 2023 - Bloomberg https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-03-12/fdic-auction-for-svb-said-to-be-underway-final-bids-due-sunday アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクララに拠点を置くシリコンバレー銀行は、これまで多くのテクノロジー企業を顧客に抱え、スタートアップへの投資を積極的に行ってきました。しかし、2023年3月にシリコンバレー銀行の株価が暴落し取り付け騒ぎが発生。同行は3月10日に経営破綻を発表し、連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入ることが明らかにされています。 「シリコンバレー銀行」とは一体どのような銀行でなぜ破綻してしまったのか? - GIGAZINE


「シリコンバレー銀行」とは一体どのような銀行でなぜ
破綻してしまったのか?© GIGAZINE 提供

経営破綻の発表当初、FDICで保護される預金保険の上限は1口座当たり最大25万ドル(約3360万円)と規定されていることから、シリコンバレー銀行から投資を受けたスタートアップが口座の凍結や従業員への給与不払いによる業務の一時停止などをの一時停止としった影響が懸念されていました。その後、2023年3月12日にはアメリカ合衆国財務省・連邦準備制度理事会(FRB)・連邦預金保険公社(FDIC)が共同で「預金を全額保護する」との声明を発表しています。 経営破綻した「シリコンバレー銀行」と「シグネチャー銀行」の預金全額保護をアメリカ財務省やFRBが発表 - GIGAZINE

経営破綻した「シリコンバレー銀行」と「シグネチャー銀行」の預金全額保護をアメリカ財務省やFRBが発表© GIGAZINE 提供

シリコンバレー銀行の取引先企業は世界中に存在しています。例えば、インドでは60社以上のスタートアップが25万ドル(約3300万円)以上をシリコンバレー銀行に預金しているだけでなく、約25社が100万ドル(約1億3380万円)の融資を受けているとされていますしかし、一部のスタートアップは、シリコンバレー銀行の預金をすぐに移動させ、利用できる別の銀行口座を保有していなかったため、口座から預金を引き出すことができなかったと報告されています。 また、イギリスではシリコンバレー銀行のイギリス法人が破産手続きを申請しており、テクノロジー企業などに資金繰りの悪化といった被害が広がることを防ぐために、イギリス政府が同行の新たな買い手を募集しています。イギリスのジェレミー・ハント財務相は「一部の顧客にとっての貸し手の重要性を考えると、シリコンバレー銀行の経営破綻はイギリスのテクノロジー企業に大きな影響を与えます」と述べています。シリコンバレー銀行イギリス法人の買収先募集に伴う競売は現地時間2023年3月13日午前まで行われる予定です。 シリコンバレー銀行イギリス法人に対して、イギリスの中央銀行であるイングランド銀行オークノース銀行などが買収の協議を行っています。イングランド銀行のアンソニー・ワトソンCEOは「シリコンバレー銀行の規模とサービスを考えると、経営破綻によって失われることは許されません」と述べています。


「シリコンバレー銀行」破綻の影響が世界中に広がっている、
世界経済の今後は?© GIGAZINE 提供

by graham chandler しかし、一部の顧客からは「イギリス政府による救済やいかなる形での支援も行われるべきではありません」「シリコンバレー銀行イギリス法人の経営破綻は顧客が適切な資金管理を怠った結果であり、その他のイギリスの納税者はこれを救済するために一銭も費やすべきではありません」という意見も寄せられています。 一方、上海浦東発展銀行とシリコンバレー銀行の中国での合弁会社であるSPDシリコンバレー銀行は、健全な運営が継続されていると発表しました。SPDシリコンバレー銀行の広報担当者は「SPDシリコンバレー銀行は、標準的な枠組みと独立したバランスシートにより、中国の法律や規制に従って常に安定して運営されてきました」と自信を示しています。 アメリカ・シリコンバレー銀行を管理下に置いたFDICは、2023年3月11日にシリコンバレー銀行の売却に向けた競争入札を開始しています。シリコンバレー銀行買収の入札は現地時間2023年3月12日午後に締め切られ、その後買収者が明らかになります


破綻銀行の預金全額保護へ 米大統領、責任追及を強調

AFPBB News によるストーリー • 3 時間前
【AFP=時事】米財務省など当局は12日、経営破綻した中堅銀行のシリコンバレー銀行について、預金を全額保護する方針を発表した。別の中堅シグネチャー銀行もこの日、新たに破綻したが、やはり預金は保護される。ジョー・バイデン大統領は立て続けの銀行破綻を受け、金融部門の監視・規制を強化するとともに、責任を追及する考えを示した。

破綻銀行の預金全額保護へ 米大統領、責任追及を強調© NOAH BERGER / AFP


 財務省と連邦準備制度理事会、連邦預金保険公社は、SVBに関して、預金者は週明け13日以降、預金を全額引き出せると説明。納税者が負担を強いられることもないとした。シグネチャー銀行の預金も全額保護される。
 FRBはまた、金融機関に対し、資金需要を支援するため、新たな融資枠を設定する方針を示した。
 バイデン大統領はツイッターで、「米国民と米企業は必要な時に信頼して銀行預金を引き出せる」と強調。一方で、一連の問題について「責任を追及する」と言明した。(c)AFP
【翻訳編集】AFPBB News

【コラム】銀行破綻でFRBの方向転換シナリオ復活-オーサーズ

コラムニスト:John Authers によるストーリー • 9 時間前
(ブルームバーグ): 世界の金融システムが動揺している。米国のシリコンバレー銀行(SVB)が破綻した。2008年のリーマン・ブラザーズ破綻をきっかけにワシントン・ミューチュアルも破産申請を余儀なくされたが、米国の金融機関としてはそれ以来最大の破綻となった。

Jerome Powell, chairman of the US Federal Reserve, speaks during a House Financial Services Committee hearing in Washington, DC, US, on Wednesday, March 8, 2023. Powell reiterated the central bank might accelerate the pace of hikes and raise rates to a higher peak than previously expected amid signs of a stronger economy, while stressing that no decision has been made on the pace of Federal Reserve tightening.© Bloomberg


  12日にはニューヨークのシグネチャー・バンクも事業停止を強いられた。ドットコムバブル崩壊と世界的金融危機の組み合わせの中に突然放り込まれたかのような感がある。
  こうした状況をマクロ的な文脈からも見てみたい。米国債にとって、先週は歴史的にも波乱に満ちた1週間だった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5ポイントの利上げがあり得ると議会証言で示唆し、米2年国債利回りは5%を突破した。
  9日に発表された週間の米新規失業保険申請件数失業増が示され、利回りは急低下。10日になると2月の雇用統計が発表された。非農業部門の雇用者数は予想以上に増加したが、失業率は上昇。SVBに関するニュースが流れると、利回りは大きく低下した。
  1987年までさかのぼり、2年債利回りの2営業日での大きな下げをまとめてみた。87年のブラックマンデー89年のミニクラッシュ、2001年9月11日の同時多発テロ08年9月のリーマンショックと金融機関の救済資金を盛り込んだ問題資産購入計画(TARP)の議会での否決など最近の金融史に残る危機的状況が上位5位までを占める。SVB危機に伴う2日間の2年債利回り低下幅はそれに次ぐ6位となった。
  SVBだけで以前の危機に匹敵するシステミックリスクをもたらすとは言い難いが、利回りの大きな低下を助長した理由は2つある。
  最初の理由は、利回りが短期間で大幅に上昇しており、投資対象としての米2年国債がここ数年なかったほど魅力的に見えたことだ。5%のリターンが2年間保証され、利回りが下がればキャピタルゲインも得られるチャンスは無視できない。もう一つは、SVB危機が米連邦準備制度の考えを変えるかもしれないことだ。
  景気の変調で米連邦準備制度が、利上げではなく利下げに突然転じると数カ月にわたり想定してきた投資家もいたが、これは常に非現実的だった。マクロデータはその性質上、展開していくのに時間がかかり、中央銀行がアプローチを調整できるのは状況が明らかになってからだ。
  利下げが遅れ必要以上にひどい不況に対処しなければならなくなるタカ派的なミスよりも、ハト派的なミス、つまり時期尚早な利下げでインフレが定着してしまうことをFOMCが懸念していることは明白だ。
  本当に金融政策の方向を反転させるには、金融安定に対する脅威が必要だ。よく言われるのは、米金融当局は何かが壊れるまで引き締めなければならないということだが、何かが壊れてしまった今、FOMCが方向転換する可能性ははるかに高くなった。
  このことは、ブルームバーグ端末のファンクション「WIRP=世界の金利予想確率」で作成されたフェデラルファンド(FF)金利予測の急変からも明らかだ。
  WIRPのデータを別のアングルで説明したのが次のチャートだ。それぞれの線はFF金利の市場予想で、最も下の線はパウエル議長が2月1日に行った記者会見直後の予想だ。来年1月までにFF金利が4.5%を大きく下回ることを示唆している。
  一番上の線は今月7日にパウエル議長が議会で証言した後の金利予想。そして真ん中の線は10日時点のFF金利見通しだ。これまで想定していたよりも金利が幾分低くなるという見通しが表れている。
  オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場がすぐに示した反応は、来週のFOMCでの0.25ポイント利上げの可能性が圧倒的に高く、0.5ポイント利上げの可能性は排除してもよいというものだった。
  2Vリサーチのジェラード・マクドネル氏は、「レバレッジを効かせた金融機関がトラブルに陥ることは伝統的に、金融引き締めの一つの経路だ」と指摘する。
  銀行は預金を集めるために高い金利を提示しなければならなくなり、これは利益を圧迫するとともに融資の条件を厳格化させる。それによって金融環境が引き締まり、インフレ圧力が弱まるという仕組みだ。当局が銀行や預金者を救済しないというルールに重点を置けば、それは追加的なFF金利引き上げに代わるものになるかもしれない。
  ただ、そうすると米連邦預金保険公社(FDIC)が預金保険の対象としない25万ドル(約3330万円)を超える預金については、調査会社ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ社長が言うように、救済がほぼ確実な「大き過ぎてつぶせない銀行」や国債にシフトするリスクはある。
  要するにリスキーな状況だ。ただ、米連邦準備制度が銀行の破綻を金融政策の効果が発揮されている証左と受け止め、今後に必要と考える引き締めがより小さくなることはあり得る。
(ジョン・オーサーズ氏は市場をカバーするシニアエディターでブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。ブルームバーグに移籍前は英紙フィナンシャル・タイムズに在勤し、Lex Columnの責任者やチーフ市場コメンテーターを務めました。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません
原題:SVB Fallout Puts Fed Rate Pivot Back in Play: John Authers (抜粋)
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米国発「金融危機」が起こる? 3銀行連鎖破綻は米経済悪化の前兆か エコノミストが指摘...「FRBの過剰な引締めで、すべての銀行の収益が悪化」

J-CASTニュース によるストーリー • 昨日 20:05
米国発金融危機が起こるのか? ハイテク企業が集まるシリコンバレーで、テック関連のベンチャー企業を支援していた銀行が破綻したことが2023年3月10日発表された。

米国発「金融危機」が起こる? 3銀行連鎖破綻は米経済悪化の前兆か エコノミストが指摘...「FRBの過剰な引締めで、すべての銀行の収益が悪化」© J-CASTニュース


同銀をふくめ米国では5日間で3つの銀行が破綻し、金融市場には動揺が走っている。折しも、FRB(米連邦準備制度理事会)は3月下旬のFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げ幅を高めると見られていた。
これ以上利上げしたら、金融機関の首を絞めることにならないか。銀行の連続破綻は米国経済悪化の前兆なのか。エコノミストの分析を読み解くと――。

シリコンバレーで、ベンチャー企業融資の銀行が破綻に

報道をまとめると、米連邦預金保険公社(FDIC)は2023年3月10日、米銀行シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻したと発表した。SVBはテクノロジー関連のスタートアップ企業向け融資で知られており、SVBの総資産は約2090億ドル(約28兆円)、資産規模は全米で16位だ。米銀の破綻としては、史上2番目の規模になる。
これを受けて同日のニューヨーク株式市場は、ダウ工業平均、ナスダック、S&P500種の3指数とも大幅に下落。ドル売り円買いが進み、ドル円相場は一時1ドル133円台にまで円高が進んだ。
さらに3月12日、ニューヨーク州金融監督当局が暗号資産関連企業との取引で知られる米銀行シグネチャー・バンクの破綻を発表した。同銀の総資産は約1100億ドル(約15兆円)で、全米29位。米国では3月8日にも暗号資産取引が多いシルバーゲート・バンクが破綻しており、5日間で3銀行が破綻したことになる。
銀行の連鎖破綻を防ごうと、イエレン米財務長官は3月12日、FRB(米連邦準備制度理事会)とFDICの幹部と緊急協議、シリコンバレーバンクとシグネチャー・バンクをFDICの管理下に置き、預金者を完全に救済する措置を講じるよう命じた。ただ、預金者に預金が全額戻るかどうかは不透明だ。

米国発「金融危機」が起こる? 3銀行連鎖破綻は米経済悪化の前兆か エコノミストが指摘...
「FRBの過剰な引締めで、すべての銀行の収益が悪化」© J-CASTニュース


今回の事態をエコノミストはどう見ているのか。
日本経済新聞オンライン版(3月13日付)「米財務省などシリコンバレー銀行の預金、完全保護」という記事に付くThink欄の「ひと口解説コーナー」では、日本経済新聞社特任編集委員の滝田洋一記者は、FRBの対応について、
(以下引用)
「金融引き締めの強化を語っていたはずなのに、今や金融システム危機対応の例外措置に大わらわ。インフレ到来も読み誤り、銀行の連鎖破綻リスクも読めずでは、金融のヤブ医者です。破綻を防げなかった不始末を棚上げにして、対応が素早かったというわけにはいかないでしょう」
(以上引用)
と厳しく批判。そのうえで、
(以下引用)
「銀行破綻が相次ぐ中で、3月のFOMC(連邦公開市場委員会)はどう対処するのでしょう。金融の弱い鎖が預金の取り付けに怯えるなか、0.5%の利上げどころか0.25%の利上げでさえ金融システムには逆噴射のはず。FRBは2007年8月のパリバ・ショックの後でさえ利上げモードでしたから、あまり良いトラックレコード(過去の運用実績)を残しているとはいえませんが」
(以上引用)
と、3月23、24日に予定されているFOMCの行方に注目した。
ちなみに「パリバ・ショック」とは、2008年のリーマンショックの発端となった金融事件のこと。2007年8月、仏大手銀行BNPパリバが投資ファンドの解約を凍結した。購入した住宅ローン証券の損失が大きかったためだが、これにより市場でサブプライムローン商品の買い手がつかなくなり、世界同時株価急落に発展。金融危機が世界に広がった。

リーマンショック時の右往左往に比べ、当局の対応は早かったが...

米国発「金融危機」が起こる? 3銀行連鎖破綻は米経済悪化の前兆か エコノミストが指摘.
..「FRBの過剰な引締めで、すべての銀行の収益が悪化」© J-CASTニュース


SVB破綻にショックを受けたウォール街
同欄では、みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏が、
(以下引用)
「金融システム不安への対応は、迅速に、かつ十分すぎるほど行うのが良策。FRBの非公式会合は一部で3月13日開催と報じられていたが、預金取り付け騒ぎが広がらないよう、12日に前倒しして動いたのは適切な対応だと筆者(=上野泰也氏)も考える。とはいえ、これで金融システム不安がどこまで沈静化するかには、実際に状況を見きわめなければ分からない面がある
(以上引用)
と、今後に懸念を示した。
また、同欄では丸紅経済研究所の今村卓所長が、今回の米当局の対応とリーマンショック時の大騒動と比較した。
(以下引用)
「金曜日に経営が破綻した金融機関を当局が保護、東京市場が開く直前の米国の日曜夕方に当局が緊急対策を公表する展開は、リーマンショック前後の2008年夏から秋にも頻発。イエレン財務長官も当時はサンフランシスコ連銀総裁で当局者。既視感があります」
(以上引用)
と説明。
(以下引用)
「違いは、当時は未経験で手探り、後追い、不十分な対応を繰り返したのに、今回は当時を教訓に規模は過大に近いが、保護対象は限定する政治にも配慮した規律ある対策が講じられたことでしょうか。とはいえスタートアップと伝統的な金融の接点となった金融機関の破綻は新たな問題。スタートアップの金融面の脆弱さが意外に大きな影響をもたらすことも分かり、しばらく警戒が必要だと思います」
(以上引用)
と、やはり今後に注視すべきだとした。

市場の利上げ見通しは、一気に下がった


米国発「金融危機」が起こる? 3銀行連鎖破綻は米経済悪化の前兆か エコノミストが指摘...
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シリコンバレーの中心地、サンノゼの市街地
一方、今回、米財務省、FRB、FDIC(米連邦預金保険公社)など米当局者が一致して素早い措置を取ったことを評価するのが、三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト市川雅浩氏だ。
市川氏はリポート「米シリコンバレー銀行の破綻が金融市場に与える影響について」(3月13日付) の中で、特にFRBが取った新しい流動性対策を表で紹介しながら、こう指摘した【図表1】。

米国発「金融危機」が起こる? 3銀行連鎖破綻は米経済悪化の前兆か エコノミストが指摘...「FRBの過剰な引締めで、すべての銀行の収益が悪化」© J-CASTニュース
(図表1)FRBの新たな流動性対策の概要(三井住友DSアセットマネジメントの作成)
(以下引用)
「今回のSVBの破綻は、流動性管理や金利リスクの管理に問題があったSVB固有の事情が主因であることから、他行も同じ状況と考えるのは行き過ぎた懸念との声も聞かれます。ただ、長期金利上昇による保有有価証券への影響は、広く金融機関に共通します。なお、ニューヨーク州金融監督当局は3月12日、暗号資産関連企業との取引で知られる米銀シグネチャー・バンクの破綻を発表しました」
(以上引用)
(以下引用)
「このような状況下、米財務省、FRB、FDICは3月12日、SVBとシグネチャー・バンクの預金を全額保護する例外措置を発表しました。また、FRBは同日、SVBの破綻を機に金融システム全体が機能不全に陥る『システミックリスク』を抑制するため、新たな流動性対策(Bank Term Funding Program、BTFP)を発表しました【図表1】。これらの施策は、市場の混乱を鎮静化させるのに大きく貢献すると思われます」
(以上引用)
また、SVBの破綻によって、市場の利上げ見通しが大きく後退したと指摘するのは、野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏だ。
石黒氏は「SVB破綻で市場の利上げ見通しに大きな変化」の中で、SVB経営破綻前後で米FF(フェデラル・ファンド)金利予想値が大きく変わったグラフを示した【図表2】。

米国発「金融危機」が起こる? 3銀行連鎖破綻は米経済悪化の前兆か エコノミストが指摘...「FRBの過剰な引締めで、すべての銀行の収益が悪化」© J-CASTニュース



(図表2)米SVB破綻前後の米FF金利予想値2時点比較(野村アセットマネジメントの作成)
これを見ると、破綻直前の3月8日時点でのFF金利誘導目標上限値(2024年1月)は5.44%だったのに、破綻直後の3月10日時点では4.73%にまで急落している。石黒氏はこう説明する。
(以下引用)
「SVB破綻による米金融不安の高まりを受けて、市場の米利上げ見通しは大きく変化しました【図表2】。米国債投資などでの損失が膨らんだことが今回のSVBの破綻につながったとみられています」
(以上引用)
(以下引用)
「FRBによる利上げが続けば、今後他の金融機関に同様の痛みがもたらされるとの懸念もあり、市場はFRBが金融不安への発展を回避すべく、利上げ再加速には動かないと、見方を変えたようです。市場はSVB問題の余波を巡り不安定な展開が想定されます。ただ、米当局がSVB問題の解決や他の金融機関への波及回避に向け協議を重ねており、米金融不安への市場の警戒感の行方が目先のポイントとなりそうです」
(以上引用)

SVB1社だけではない、多くの銀行が抱える債券投資の損失

米国発「金融危機」が起こる? 3銀行連鎖破綻は米経済悪化の前兆か エコノミストが指摘...「FRBの過剰な引締めで、すべての銀行の収益が悪化」© J-CASTニュース

米国経済はどうなるのか(写真はイメージ)


ところで、SVBの破綻は1社だけの問題とどまるのか、それとも米国経済悪化の前兆なのだろうか。
「米国の信用不安がグローバルに波及していくリスクをはらんでいる」と指摘するのは、野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミスト木内登英氏だ。 木内氏は「シリコンバレーバンク破綻に見る米国信用不安の拡大リスクと金融政策への影響」のなかで、銀行株がグローバルに下落している現状をこう説明する。
(以下引用)
「シリコンバレーバンクの経営破綻を受けて、金融市場は他の銀行の経営環境に対する不信も強めている。米国では主要銀行の株価が大きく下落したが、10日には欧州でも銀行株が下落し、さらに同日には日本でも銀行株が大きく下落したのである。米国発のグローバルな信用不安に発展するリスクも垣間見られる」
(以上引用)
(以下引用)
「この経営破綻を個社要因だけで片づけることはできないのではないか。FRBによる急速な利上げによって、多くの銀行では債券投資の損失(含み損)が広がっている。金利上昇で預金流出は広く起こっているだろう。また、逆イールド化の進展は、すべての銀行の収益基盤を損ねている。さらに、コロナ問題後のテクノロジーバブルの反動の影響は、不良債権の増加など、多くの銀行の打撃となっているはずである」
(以上引用)
また、経済悪化につながる兆候が、3月10日に発表された2月分米国雇用統計に見られるという。
(以下引用)
「失業率は3.6%と、市場予想の3.4%よりかなり悪化している。また時間当たり賃金は前月比プラス0.2%と、やはり市場予想のプラス0.4%を下回った。チャレンジャー・グレイ・クリスマス社によると1~2月の米企業の人員削減は18万1000人と前年同期の5.3倍にまで膨らんだ。これは、リーマンショック時の2009年以来14年ぶりの水準である。雇用統計での雇用者増加数は事前予想を上回ったが、テクノロジー企業の大量の人員削減の動きが、この先雇用情勢の悪化につながってくる可能性があるだろう」
(以上引用)

米国発「金融危機」が起こる? 3銀行連鎖破綻は米経済悪化の前兆か エコノミストが指摘...
「FRBの過剰な引締めで、すべての銀行の収益が悪化」© J-CASTニュース


米ハイテク企業は立ち直れるか(写真はイメージ)
そして、木内氏はこう結んでいる。
(以下引用)
「FRBの大幅利上げの影響が遅れて顕在化し、米国経済を大きく悪化させる、いわゆるオーバーキルへの不安は金融市場で根強いだろう」
(以上引用)
(以下引用)
「シリコンバレーバンクの経営破綻の影響がこの先どの程度グローバルに波及していくかについては、まだ慎重に見極める必要がある。しかし、米国経済・物価情勢だけでなく、信用不安といった金融面の要因が、FRBの金融政策の見通しと金融市場に大きな影響を与える、新しい局面に入ってきたと言えるのではないか」
(以上引用)
(福田和郎)

参考文献・参考資料

株価が下落…「底値買い」や「ナンピン買い」がキケンとされる“これだけの理由” (msn.com)

米当局の介入でも破綻する銀行は恐らく増加-アックマン氏 (msn.com)

ビットコイン1カ月ぶり大幅高、米金融システム不安を当局が和らげ (msn.com)

「シリコンバレー銀行」破綻の影響が世界中に広がっている、世界経済の今後は? (msn.com)

破綻銀行の預金全額保護へ 米大統領、責任追及を強調 (msn.com)

焦点:シリコンバレー銀破綻、超緩和局面終了で早くも金融システムにほころびか (msn.com)

【コラム】銀行破綻でFRBの方向転換シナリオ復活-オーサーズ (msn.com)

米国発「金融危機」が起こる? 3銀行連鎖破綻は米経済悪化の前兆か エコノミストが指摘...「FRBの過剰な引締めで、すべての銀行の収益が悪化」 (msn.com)

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