見出し画像

政治講座ⅴ612「祖先返りの計画経済に逆戻りと民間企業の淘汰が始まった」

毛沢東の失敗した「大躍進政策」のような計画経済をやろうとしている。ソ連も計画経済の失敗でソ連崩壊となったことを歴史から何も学んでいない。日本のバブル経済の崩壊からも何も学んでいない。そして、中国はまさに今、不動産バブル崩壊や金融破綻の危機にある。思い通り経済を操れると思ったら大間違いである。経済は生き物と同じで思い通りにはならないのである。中国発の世界恐慌のとなることは目に見えるようである。

        皇紀2682年11月22日
        さいたま市桜区
        政治研究者 田村 司


習近平が「計画経済」を“大復活”へ…! 中国で始まった「民間企業大淘汰」と、習近平が“大逆走”する「ヤバすぎる現実」…!

福島 香織 - 4 時間前

中国名物「おひとり様デー」大セールに“異変アリ”!

11月11日は中国で言うところの「光棍節(おひとり様デー)」「双十一」。
クリスマスセール、春節セールなどと並ぶ、国をあげた大セール週間で、特に、独身、ボッチが買い物しやすいようにECショッピングサイトが売り上げ総額(GMV・流通総額)を競い合い、例年この季節、その売り上げ記録更新が中国経済ニュースの筆頭を飾ったものだった。
だが今年はほとんど話題にならなかった。
というのもアリババのECモールサイト・天猫や、京東といった著名インターネットプラットフォームが運営するECサイトが大々的に売り上げ総額を即日発表しなかったのだ。数字がないと、外海メディアも報じにくく、比較的静かな双十一となった。


今年は盛り上がりに欠けた Photo/gettyimage© 現代ビジネス


今更だが、11月11日は、1が四つ並ぶことから、独りぼっち(ボッチ)の日とされた。クリスマスセールなどこれまでのセールはカップル、家族をターゲットとしていたが、それを独身者(光棍)、友達やパートナーがいない人向けの「自分へのご褒美」セールとして、2009年からECサイトなどが仕掛けたのが始まりだ。
昨今は天猫サイトだけでも売り上げが10兆円を超える消費のカーニバルになり、このセールは海外にも波及していた。特に近年はカリスマ・インフルエンサーによるライブコマース式販売が一種のオークションショーのような娯楽にもなり、消費を刺激していた。
だが、昨年ごろからカリスマ・インフルエンサーの脱税問題が摘発され、また民営インターネットプラットフォームに対する独占禁止法違反取締その他を理由とした圧力が強まるにつれ、派手な双十一セールが自粛ムードになっていたのだ。

習近平への「忖度」か…?

また、折からの計画経済回帰の政策が特徴的な習近平政権第三期目が初まって最初の双十一節ということもあり、各企業とも、言動に慎重になっていたのではないかと思われる。
今年の双十一セールの中国報道をみると、第一財経は「国貨の逆襲」として、「国貨」の売れ行きが好調といった観点で報じている。具体的には「天猫(アリババ)で10月31日のセール開始日最初の一時間で取引された102のブランド中、1億元を超えたブランドの半数が国産ブランドだ」と国産人気を強調しているのだが、これは多分に政治的ムードを汲んだ報道の仕方だ


三期目に入った習近平国家主席の「統制」が強まっている 
Photo/gettyimage© 現代ビジネス


当局やメディアは、明らかに国産品や国有企業を推しており、習近平政権下の「国進民退」(国有企業を進め民営企業を後退させる)の推進を意図している。民営企業の雄とされてきたアリババやテンセントや京東などは、こうした風潮の中で自重している印象だ。
 
こうした動きの中で、11月はじめ、この三大民営プラットフォームに気になる動きがあった。

IT大手「テンセント」はどうなる…?

中国国営三大通信キャリアの中国聯通(チャイナ・ユニコム)、中国移動(チャイナ・モバイル)傘下の上海モバイル、中国電信(チャイナテレコム)が、それぞれテンセント(騰訊)、京東科技、アリババと戦略的合作協議(戦略的協力協議)に調印し、合資会社を設立することになったのだ。
これは2016年末に打ち出された「混合所有経済制度改革」(混改)に沿った新しい動きとみられている。
テンセントのケースを例に取り上げると、11月2日、チャイナユニコムとテンセントは新たな合同経営企業を創設するため、中国国家市場監督管理総局から批准を得た。ユニコム創新創業投資有限公司と深圳市テンセント産業創投有限公司が共同経営企業を新設し、無条件批准を得たという。

テンセントとユニコムの合弁会社は何を意味するか…
Photo/gettyimage© 現代ビジネス


ユニコムとテンセントが設立した企業は、俗に混改新公司(混合所有経済制改革によって生まれた新企業)と呼ばれるもので、株式比率はユニコム48%、テンセント42%、関連職員10%。ユニコム側は、親会社のテンセントの株式構成はかわりない、と説明し、普通の投資行為と同じで、二企業がそれぞれ資金を出して合資企業を作ったにすぎない、という。
ただ、この発表前に一部で中信集団がテンセント株を購入し、テンセントを国有化する、という噂が流れた。
11月1日に中信集団は正式にこの噂を否定し、その翌日にユニコムとテンセントの戦略合作協議発表があったので、チャイナウォッチャーたちの中には、この動きは最終的にテンセントの国有化につながっていくものと見ている向きもある。

着々と進む民間企業の淘汰

国有企業の混改は一般的に双方の持株や役員たちが持っている株の交換を通じて、国有企業が持ち株を通じて民営の資本に参入し、その経営をコントロールしていくやり方だ。
こうすることで国有企業の市場競争を後押しし、同時に民営資本を国有企業を通じて党が管理指導できるようになる。混合所有制の最終目的は、建前は国有企業改革を進めて中国企業の市場競争力と経済の活力を増加させることだが、習近平の意図するところは、経済統治を強化することで、西側の市場や資本とデカップリングが進む今後に備えようという考えではないかと疑われている。


上海の国有通信企業「チャイナユニコム」のオフィスビル
 Photo/gettyimage© 現代ビジネス


チャイナユニコムに話を戻すと、ユニコムの混改プロセスは2016年にスタートし、三大電信キャリアのうち最も積極的に混合所有を進めてきた。
2017年8月、ユニコムが発表した混改計画によれば、まずテンセント、百度、京東、アリババ内部の投資家たちを引き込み、ユニコムA株を定期購入させる。
さらにアリババなどとインターネットプラットフォームのクラウドコンピューター領域での協力を展開する。
ユニコムとアリババの協力は混改のシンボリックな成果となった。当時、ユニコムのクラウド業務は他の国有電信企業に後れを取っていたが、アリババがユニコムに対し全面的にクラウドサービスをサポートし、ユニコムはアリババに対し全国の主要データベースセンター、ネットワーク資源を解放し、政府への販売チャンネルを提供した。
2017年10月にユニコムが発表した「チャイナユニコム混改とテンセント合作のビッグステップ、クラウドコンピューター、ネットサービスにおける全面協力展開」というオフィシャルリポートでは、この協力をさらに強化して、全く新しいインターネット生態プラットフォームを打ち出すと宣言。
これはアリババやテンセントとも違う、国有のインターネットプラットフォームが、民営寡占状態のインターネットプラットフォーム事業に参入していく、という風に受け取られた。
しかしその後、この件に関する続報はなかった。


中国では民間企業が国営企業に圧迫されようとしている 
Photo/gettyimage© 現代ビジネス


こうした経緯ののち、ユニコムがテンセントと合資企業を作って混改プロセスを再始動させたということらしい。
クラウドサービス事業については、チャイナモバイルはすでにモバイルクラウドを、チャイナテレコムは天翼クラウドを打ち出しているが、これらは華為が支援していた。
ユニコムのクラウド事業はアリババ、テンセントの支援を受けたということになる。こういう風に、同業種の民営企業と国有企業の合作による混合企業が、民営寡占市場に参入し、おそらくは民営企業側は淘汰されていくとみられている。

ついに始まった「改革開放の逆走」

実際、中国のクラウド市場はアリババの「阿里クラウド」、ファーウェイの「華為クラウド」、テンセントの「騰訊クラウド」が市場のトップ3として長らく君臨していたが、地方政府業務においては、国有天翼クラウドなど政府系クラウドをセキュリティを理由に使用を義務化し、民営クラウドはじわじわ後退しはじめている。
これは国有と民営のフェアな競争ではなく、政治的な手法による民営寡占市場潰しといえるかもしれない。
この問題について、杭州の学者の常玉がラジオフリーアジア(11月3日)に「民営企業の国有化スピードは今加速しており、来年はこの種の合同経営(合営)モデルがさらにその他領域に拡大していくだろう」との予測を語っていた。
「現在、公私合営が一つの方向性であることは誰もが知っている。第20回党大会前から彼ら(習近平ら)は資本の無秩序な拡張に反対し、民営企業が大きくなることを許さなくなっていた」と言う。
習近平新時代の経済政策が、経済の発展以上に経済の統治を目的にしていることは疑いなく、インターネットプラットフォームや金融、不動産や教育その他の国家の核心利益にかかわる市場で民営企業を淘汰したり国有化したりすることで、市場自体を党がコントロールしていく意図がうかがえる。


習近平は「改革開放の逆走」を選んだのか・・・
 Photo/gettyimage© 現代ビジネス


これを海外メディアは計画経済回帰といったり、改革開放の逆走と形容している。
1953年の毛沢東の公私合営政策を模倣している、という指摘もある。

中国「統制経済」の復活

第20回党大会の指導部人事で李克強、汪洋、胡春華ら共青団派がパージされたのは、彼らが改革開放経済を支持し、中国経済の自由化、市場化、民営化を経済発展の動力と考えており、習近平の経済政策方向と完全に反対であったからだというのも一つの原因だろう。
来年にはインターネットプラットフォームやクラウド市場などの分野だけでなく、さらに広範囲の業種でこうした混改が加速するという予測もあり、それは中国市場にまだ残る多くの外資企業も影響を受けずにはいられないだろう。

参考文献・参考資料

習近平が「計画経済」を“大復活”へ…! 中国で始まった「民間企業大淘汰」と、習近平が“大逆走”する「ヤバすぎる現実」…! (msn.com)

大躍進政策 - Wikipedia

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?