政治講座ⅴ496「国際観艦式の無視の理由:不法占拠と侵略の野望」
国際観艦式に出席出来る訳がない。竹島、尖閣諸島、北方領土(千島列島・南樺太)の日本の領土・領海に不法占拠している国は、恥ずかしくて出れないね。しかも、敵視政策をしているから無理である。思い出した、レーダー照射事件への謝罪も無しでした。盗んだ仏像もまだ返していない。両国とも無礼な国だからしょうがないか?
皇紀2682年10月26日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
海自の国際観艦式、中国と韓国は招待に回答なし…期限2週間過ぎる
読売新聞 2022/10/26 08:20
酒井良・海上幕僚長は25日の定例記者会見で、11月6日に相模湾で開催する「国際観艦式」に中国と韓国を招待したが、期限を約2週間過ぎても参加するか回答が寄せられていないと明らかにした。
国際観艦式は、参加国の親善を目的に開催され、今年は20年ぶりに日本の主催で行われる。海自の艦艇20隻のほか、米豪印など12か国の艦艇18隻が参加する予定。防衛省は6月、ウクライナ侵略を踏まえ、ロシアの招待を取り消したと発表している。
習近平は「台湾統一」攻勢を強めても急がない 台湾への武力行使をできない中国の本当の事情
岡田 充 2022/10/26 08:20
中国共産党の第20回党大会(2022年10月16~22日)は、習近平総書記の3期目続投を決め「習一強体制」をいっそう強固にした。台湾問題で習氏は「完全な統一は必ず実現できる」と台湾統一を強調した。この発言をとらえ「2024年までに台湾に侵攻する」など、相変わらず台湾有事を煽る声もある。しかし、習氏が台湾統一を急ぐ主体的・客観的条件は揃っていない。統一攻勢は強めるが急いではいない、ということだ。
米台への警告・威嚇が狙い
台湾問題が大会でどう表現されたかを振り返ってみよう。習氏は大会初日の党活動報告で次のように述べた。
「台湾問題の解決は中国人自身のことであり中国人自身が決めるべきだ。われわれは最大の誠意と最大の努力を尽くし、平和的統一の未来を勝ち取るが、決して武力行使の放棄を約束せず、あらゆる必要な措置をとる選択肢を残す。その対象は外部勢力の干渉と、ごく少数の“台独”分裂勢力と分裂活動に向けたものであり、広範な台湾同胞に向けたものでは決してない。祖国の完全統一は必ず実現しなければならず、必ず実現できる」
メディアは「武力放棄せず」を大見出しの1つにとったが、武力行使を否定しない方針は、2005年成立の「反国家分裂法」が武力行使の条件を規定して以来、ことあるごとに言及してきた。2021年7月の中国共産党誕生100年演説をはじめ、同年10月の「歴史決議」、2022年8月の「台湾白書」でも同じように触れられており、決して目新しくはない。ここから政策変更を窺うことは難しい。
確かに2017年の第19回党大会にはなかった表現だが、当時は台湾問題が現在ほど緊張してはいなかった。今回は台湾問題が米中対立の主要争点になっていること、中国が台湾問題で「主要敵」を「外部勢力」(アメリカを指す)と蔡英文当局を意味する「“台独”分裂勢力」の二者に絞る中、台湾問題で「挑発・干渉する」米台への警告と威嚇が狙いだろう。
党大会は10月22日、党規約の修正も採択し、「台湾独立に断固反対し抑え込む」との表現が盛り込まれた。これまでの党規約では「台湾」の文字は入らず、「祖国統一」だけをうたっていた。その意味では、今後、台湾統一攻勢は強まるだろう。
習演説を受けて、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は10月17日、スタンフォード大学で「早期に再統一を目指す決意を固めた」と述べた。アメリカ海軍作戦部長のマイケル・ギルデイ大将も10月19日、アメリカのシンクタンク「アトランティック・カウンシル」で(侵攻の)「時間軸を想定して議論する場合、2022年、あるいは2023年の可能性まで考慮すべきだと考えている」と述べた。だが、いずれもその根拠や客観的な理由には触れていない。
アメリカが乱発する台湾有事を煽る発言
ここで思い出すのは2021年3月、アメリカのインド太平洋軍司令官だったフィリップ・デービッドソン海軍大将が上院軍事委員会で、「中国軍が2027年までに台湾に侵攻する可能性がある」とした証言だ。
デービッドソン氏の証言は、今から考えれば2021年4月の日米首脳会談にむけ、台湾を念頭に日米同盟強化に日本を取り込むための「地ならし」と世論工作だった。首脳会談では①台湾問題を半世紀ぶりに言及、②日米安保の性格を「地域安定装置」から「対中同盟」に変更、③台湾問題で日本を主体的に関与させるため防衛予算を大幅に増やすことをうたった。
アメリカの同盟強化の意図は何か。バイデン大統領が台湾問題を米中対立の「核心」に据えたのは、アメリカ1国ではもはや中国に対抗できないからだ。同時にこの間のバイデン政権の台湾問題での挑発「行動パターン」をみると、①アメリカが挑発し中国に競争するよう仕向ける、②中国に軍事的、経済的に「過剰対応」を引き出させる、③国内外で中国の威信や影響力を喪失させることが読み取れる。アメリカのナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問に中国が大規模軍事演習という「過剰対応」で報復したのはその例だ。
それによって中国の台頭を抑え、アメリカの一極覇権を維持するのが目的だ。言い換えれば、台湾問題でアメリカが望むのは緊張緩和ではなく激化といってもいい。バイデン政権が仕掛ける米中対立の構図から読み込むと、「武力行使を否定しない」とする習発言は、状況対応型であることが理解できる。
中国に厳しい見方で知られるアメリカの中台関係専門家であるボニー・グレイザー氏は、先述したブリンケン氏の発言などに対し「2022年、2023年というのは単なる臆測にすぎない。無責任な発言だ」と述べ、「2027年までに台湾を侵攻する」というデービッドソン氏の証言にも懐疑的だ。
台湾側の見方も紹介しよう。台湾海軍で軍艦長を務めた経験がある張競・中華戦略学会研究員は、「台湾有事」切迫という「予言」に対し、「客観的証拠や理論的根拠なしに、西側国家が敵対国に仕掛ける『認知作戦』であり、伝統的な宣伝戦と同じ内容で新味はない」とコメントする。
武力行使と武力統一を混同
日本でも「統一のためには武力行使も辞さない姿勢を示した」といった、「武力行使」と「武力統一」を混同し続ける報道もある。その原因は習演説が「平和統一」に続いて、すぐその後に「武力行使の約束を放棄しない」という文言が登場するためだろう。習氏は、「誤解」を承知で敢えてこうした表現を使い、米台への強い警告を示そうとしたのかもしれない。
だが、習氏がこれまで示してきた台湾政策の基本から考えると、「平和統一」戦略を放棄し、「武力統一」を容認したと見てはならない。「武力行使」と「武力統一」は同義ではない。武力行使は威嚇や嫌がらせ、さらには想定外の軍事衝突を含め幅広い意味がある。「武力行使」には「武力統一」も含まれるが、党の公式台湾政策は「平和統一」にある。
それを否定するには、国家発展戦略全体の見直しを含め戦略的転換が必要だ。それが中国式の論理である。
習氏は大会報告で「共産党の使命」として、「2035年までに社会主義現代化を基本的に実現し、今世紀半ばまでに社会主義現代化強国を築く」ことを「戦略方針」として挙げた。台湾統一もまたこの戦略方針の「大局」に従属する任務なのだ。統一のために戦略方針を犠牲にするわけにはいかない。これもまた中国式論理だ。
統一の主体的・客観的条件を説明しよう。これは、2021年5月にも本欄で書いたが(「中国が台湾に武力行使をしない3つの理由」)、その後のロシアのウクライナ侵攻という新状況を踏まえた新バージョンだ。
第1に、軍事力という主体的要因だ。中国は軍艦数や中距離弾道ミサイルの数でアメリカを上回るが、総合的軍事力では依然として大きな開きがある。ロシアがウクライナを侵攻から8カ月経っても制圧できないどころか苦戦していることを考えれば、200キロメートル離れた台湾海峡を渡海して本島攻略に成功するのは極めて難しい。軍事力で解決しようとするなら、米中衝突は核戦争を覚悟する必要があり、米中ともに衝突は望んでいない。
第2は、「統一支持」がわずか3~5%程度にすぎない台湾の民意だ。民意に逆らって武力統一すれば、台湾は戦場化する。武力で抑え込んだとしても、国内に新たな「分裂勢力」を抱えるだけで、統一の「果実」は得られない。
「武力統一」が一党支配を脅かす
第3に、武力行使に対する米欧の反発と制裁は、ウクライナ問題の比ではないだろう。バイデン氏は、中国をロシア以上の「最大の競争相手」(2022国家安全保障戦略)と見做しており、アメリカは武力行使を奇貨として中国を完全に「へこます」制裁を発動するはずだ。
武力行使は、「一帯一路」にもブレーキをかけ、「ゼロコロナ」政策によって陰りが見える経済成長の足を引っ張る。結果的には中国の発展が阻害され、共産党の一党支配の維持という最大のプライオリティーを危機に陥れる恐れがある。武力統一はもちろん、武力行使にとって最も高いハードルは「統治の危機」だ。
米中首脳は2022年11月、インドネシアでの主要20カ国首脳会議(G20)を機に、初の対面首脳会談の可能性を模索している。台湾問題をめぐる米中の隔たりは大きいが、習氏はバイデン氏がこれまでの首脳会談で約束した「アメリカは新冷戦を求めず、台湾独立を支持しない」など「四不一無意」(「4つのノー、1つの意図せず」、①新冷戦を求めない、②中国の体制変更を求めない、③同盟関係の強化を通じて中国に反対することを求めない、④台湾独立を支持しない。「一無意」は「アメリカに中国と衝突する意図はない」)の「言行一致」を要求するはずだ。今回の20回党大会の習演説を受け、両首脳が台湾問題でどのような発言をするかが、最大の注目点になる。
参考文献・参考資料
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