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【解決編】電子工作の秋、ハンコンにアナログスティックを増設した秋

この記事は2回に分けているのである。

前回1年をかけてアナログスティックをPCに認識させるというプログラムを完成した私、そこからプラモの技術をいかして見事アナログスティック設置というところまで完成させたが、そこでいきなりハンコンがホイールベースという完全密室状況で故障するという事態に見舞われたのである。

👆こちらが【事件勃発編】である

密室内でなにが起こっていたかということをブログ記事を読んで推理してみよ、という挑戦状で終わっていたのである。

あっさりスクロールする前に、なぜこの故障が起こったかをあらためて推理してみてくれ。


■解決編――京都完全密室ハンコン動作不良事件

(いちおう勢い余って下にスクロールしてしまったケースを想定して、十行ほど余白を取っている。次の一行を見ればすぐに答えがわかるので見てはいけない。)








注目すべきはこの2枚の画像だったのである。

👆「■ここからはプラモ」という見出しの、最初の方で使われていた1枚
👆故障後の説明で使われていた1枚

これは記事内で故障前と、故障後に2回使われている画像であるが、実は同じようで同じではなかったのである。

下の1枚はモーターの軸のところに、何か鼻糞のようなものがついているのである。

👆うん・・・?
👆これは・・・

これはフィクションではない。「ハンコンが壊れた!」という焦りから写真を撮るのを忘れたのと、わかりやすさを考えて、合成画像にしていることは確かであるが、故障した時、本当にこのように鼻くそのような屑がモーターの軸にたくさん付着している状態だった。

――この屑はなんなのか?

「電子工作探偵」の私は、パイプをくゆらせながら考えた。

最初は、この日盛大に大きな穴を掘っていたためグリスか何かに穴を削ったプラスチックがくっついているのかと思った。しかしプラスチックの屑くらいでは特に問題ではない。

私はあぐらをかき、目を閉じて、指を輪にして、完全な瞑想状態に入った。数分後、私はあぐらをかいた状態で、なんとゆっくりとその場で回転しはじめた。

1時間後、若干の乗り物酔いのような感覚に襲われつつ、ちょっと朝立ちもしつつ、銀河系全体と完全に一体化した電子工作探偵の中で、あらゆる謎が明瞭になっていく。

森羅万象のすべてと調和していく。

マヤ文明滅亡の謎も「いや当然でしょ。」とわかり、ストーンヘンジの謎についても「そりゃタイミング的に、あの時に建てとかなきゃいつ建てるんだよ。」と余裕にわかった時、ついにこの密室事件の謎もわかった。

――プラスチックではない

記事内に、ちょうど「1年前にハンコンのクランプのネジがおかしくなってリコイルをした」という話を書いている。その時に盛大に金属を削るということをしていたためにかなり金属屑が出たと書いた。

さらにもう一つ。「モーターの軸の部分はハンコンの磁石センサーになっていて、磁気でハンコンの回転量を認識する重要箇所である」ということについても触れている。

さらにもう一つ、故障の状態とはハンコンの回転量が認識されていないという状態だったことも書いている。

さらにもうひとつ、私はホイールベースのカバーの外し方を説明していた。ホイールベースを「裏返して」その5つのネジを外せ、と。つまり最後にもう一度カバーを取り付ける時も、もちろんもう一度裏返していることは明らかなのである。

つまり掃除しきれずホイールベース内のあちこちに隠れていたその金属屑が、最後にカバーのネジを留める時にホイールベースを裏返さなければいけないわけだが、その時にセンサーの磁石に大量に付着して、磁力を捻じ曲げた。それによって、ハンコンのセンサーが誤作動を起こして動きがおかしくなった、ということがこの事件のトリックだったのである(そして実際に、リアルの話で、そうだったのである)。

――じゃあなんで最初にカバーを取り外した時には金属屑がつかなかったんだよ。ただの偶然じゃん

確かにそれは偶然のいたずらであった。最初に取り外した時には角度的にたまたま金属屑がつかないように裏返せていたのだ。とはいえ君は2枚の画像を見ているわけだから、偶然だろうがなんだろうが、その違いに気づけば最後にそういう偶然が起こったという事実にも気づけるということについては、必然なのである。

つまり君は2枚の写真の違いに気づき、その付着物の正体と、誤作動の原因を見抜き、去年私がリコイルという金属を削る作業をしたというところから、「ああ、去年の金属くずがモーター軸に付着して磁気センサーが不良を起こしているんだな。」と見抜けていれば正解だったのである。もちろん電子機器の知識などは特になくても解決できたのである。

私は正解した。

そしてその金属屑を丁寧に除去して、ハンコンを復活させた。

そして「アナログスティック付属ハンコン」を見事に完成させたのである。


■まとめ――秋の満月の狂気

ご納得いただけただろうか?

あまり意味がわからなかっただろうか?

まあ「よくわからない」という感想も、登場人物が複雑だったり、物語世界で何がオッケーで何がダメなのかいましちルールが判然としなかったり、ミステリーでは結構よくあることである。ともかく私が言いたいのは「秋にミステリーとか読んだり、電子工作すると楽しいね。」ということである。

最近はAIもあるので、電子工作もなかなか楽しい。

デバイスが意図通りに動いた快感が忘れられなくなった私は、実際今も「本当に壊すからもうやめろ!」という心の声をききながらも、頭の中でどうしても次に十字キーやらロータリーエンコーダなどをホイールベースに増設するプランを練ってしまう中毒状態である。メーカー保証と訣別して5、6万円するものをガンガン穴あけたり分解するというのはちょっと狂気の沙汰ではあるが、そんな狂気に駆り立てる満月の長い夜、君もこのようなスリリングなミステリードラマに挑戦してみるのもよいかもしれない。

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