見出し画像

年間30人のリファラル採用に成功した秘訣

こんにちは、メタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスター株式会社の岩崎です。主に人事を管掌しています。

下記の4コマにもある通り、クラスター社は2022年に100名から200名まで人員が拡大いたしました。その中でもリファラルでの採用が30人近くと大きな割合を占めており、せっかくなので今年の取り組み内容の振り返り兼ねてまとめてみました。

スタートアップ界隈では比較的知られている施策も多く含まれていますが、リファラル採用を強化したい人事担当者やスタートアップ経営者の参考になれば幸いです。

リファラルに取り組む意義

そもそもなぜ会社全体で取り組むのかについて、最初にしっかりと社内に説明して理解と協力を得る必要があります。

  • 会社、事業、組織の現況と今後の展望

  • その中での採用の重要性

  • 採用手法としてのリファラルの位置付け

    • 事業を成功させる仲間集めをみんなでやってる感の醸成

    • 内定承諾率の高さ

    • 定着率、早期活躍期待の高さ

    • コストメリット 等

このあたりを会社のトップや人事担当役員から発信し、全社的に取り組んでいく意思表明をし、全社ALLで採用に取り組む空気をつくっていきます。

加えて、弊社では毎週の全社会で耳にタコができるほど下記を言い続け、社内メンバーの脳内SEOが下がらないようにしています。

  • 採用進捗の共有

  • 空きポジション、注力ポジション

  • 新規オープンの求人説明

  • リファラル報奨制度等の説明

インセンティブ制度

スタートアップ序盤のフェーズではインセンティブ無しでやっていることも多いですが、組織が大きくなってからもワークさせるには一定のインセンティブがあったほうが良いと思います。

弊社の場合では、正社員の採用決定で紹介者と入社者の双方に30万円を支給しています。(正確には早期離職の可能性もあるので、内15万円は3ヶ月後に支給しています。また、社員以外の採用決定でも3万円を支給しています。)

紹介者だけでなく入社者にも渡しているのは、入社後に紹介者だけがもらったことを知った場合に微妙な空気になったり、紹介者が入社者に「その分お寿司ご馳走するよ」と伝えていて実行されないことがあるなど、入社後に変にお金周りで揉めたり気まずくなったりするのを避ける意図があります。

なお、経営メンバーは本インセンティブの対象外としています。経営陣が自ら率先して仲間集めするのはインセン関係なく息を吸うようにやって欲しいという想いからです。

採用会食補助制度

可能性が少しでもある方と気軽にご飯に行ってもらえるように、1人当たり上限1万円での会食を制限なく行ってもらえる制度を用意しています。(2人で行けば2万円です)

何かしら転職機運やお悩み機運をキャッチしたら、「うちにこういう制度があって、まだ全然受けるとか考えてなくても良いので、ひさびさ情報交換がてらタダ飯食べに行こう」って感じ誘ってもらっています。ちなみにUber Eatsなどを活用してオンラインでご飯してもらうのもOKです。

20回ご飯に行って1人決まっても採用コスト100万円(1万円×2名×20回 + インセン30万円×2名)なので、エージェント経由で採用するよりはるかに安上がりです。

制度利用のための条件としては、誰といつ行くかを採用管理システム(弊社ではHERP)に事前登録してもらうだけです。お店については、依頼があれば人事が要望に合わせたお店をピックアップし、選んでもらったところの予約まで対応しています。(特に開発系職種の方でここを面倒に思う人が多いので結構大事!)

ごめんねご飯制度

一次面接以降まで進んだ方でお見送りになった場合には、紹介者と候補者の2人でご飯に行ってもらえる制度を用意しています。こちらも上記と同様1人1万円まで精算可能です。(あれ、どこかで聞いたことある制度だな?と思ったあなたは採用業界に詳しい方です笑)

この制度のメリットは、応募前の最後のひと押しで「受けてみてダメだったら二人で美味しいもの食べに行こうぜ」って感じで、応募喚起のトークに使ってもらえることを想定しています。

ちなみに、この制度に関係なく、せっかくご紹介いただいたのにお見送りになってしまった場合には、どの選考フェーズかどうかに限らず、採用担当者から紹介者へのフォローを徹底しています。ここが雑な対応だと二度と紹介してもらえなくなってしまいます。

メモリーパレス

メモリーパレスって何?と初耳の方もいらっしゃると思いますが、直訳は「記憶の宮殿」。これはリファラルあるあるなのですが、「誰か良い人いたらリファラルしてください」だと意外と人は思い出せないものです。

メモリーパレスは、その人が知っている優秀な人を記憶から呼び起こしてもらうために、ちょっと違った確度から質問をして思い出してもらう取り組みです。

メモリーパレスのシート例

具体的には、弊社では下記4つの方を思い浮かべてもらってシートに記入してもらいます。

これまで一緒に働いた人(取引先含む)、学んだ人(学校等)の中で
①最も優秀だった3人
②また一緒に働きたいと思う3人(上記と重複NG)

一緒に働いたことはないが
③社内や界隈、取引先で優秀と評判だった人(何人でも可/いればでOK)
④Twitterでフォローしている人で優秀そうな3人

新しく入社した方には皆さんやってもらっています。(弊社内でまだの方がいたらこれから行くのでお待ちを!)

これを運用する際におすすめなのが、1対1でやるのではなく、3-5人くらいのグループにして、人事がファシリテーションしながらワイワイやると盛り上がります。特に同じ職種でグループにすると、Twitterで見かけるちょっと名の知れた人が「この人どう?あり?なし?」的な感じで話のネタになります。その人ありならこの人も良いのでは?的な感じで、できるだけリストに入れる敷居を下げて名前が上がっていくように人事がその場を取り回します。

また、名前を書いた本人には直接のコンタクト方法が無い場合も、弊社の人事部から丁寧にメッセージを作成して、Twitter DMやFacebookのメッセージリクエストから直接お声掛けさせていただいています。(実際にそこから入社が決まった方も複数いらっしゃいます。)

メモリーパレスについては下記の記事もご参考までに。

YOUTRUSTアプリ

意外と個人的に活用していたのがYOUTRUSTです。YOUTRUST最大の特徴であり良いところは、直接繋がっている友達の転職機運を知れるというところです。

私はそのフラグ変更からたくさんの面談や会食をさせてもらっていたので(フラグ変更だけ見て直接メッセンジャー等で連絡することが多い)、全社でもアプリダウンロードと通知設定だけ一斉にやってもらいました。

これは初速の即効性があり、アプリを入れた直後から「あれ、この人いま転職活動中じゃん!」と声が上がって、早速制度を使ってご飯に行ったりしていました。

もちろん、直接本人が動いて友人・知人を紹介してくれて決まればYOUTRUST起点だったとしても30万円のインセンティブがもらえます。一度設定して、あとは寝かせておくだけで30万円もらえるかもしれないのでお得ですね笑


リファラル紹介者の発表、評価の加点

リファラルを盛り上げるために、毎週全社会で入社決定者の発表を行う際、誰の紹介で決まったのかもセットで全社で共有し、その場で人事から感謝を伝えています。

また、半期での個人評価において、弊社では個人成果と組織貢献を50:50で評価しているのですが、この組織貢献の部分に採用協力(ブログ作成や登壇、リファラル)も織り込んでおり、組織への重要な貢献として評価に織り込むようにしています。(評価シートにも明示的に記載しています)

さいごに

見知った内容も、目新しい内容もいろいろあったと思いますが、いかがだったでしょうか。

リファラル手法について書きましたが、実は最も大事なのは「自信を持って友達を誘える会社か?」という観点です。会社や事業の成長確度や今後の展望、社会的意義やインパクト、社内の雰囲気や組織のコンディション、給与水準や評価制度など、会社に関する全てのことを総合した上で、迷いなく誘える会社かどうかが重要になります。(リファラルは会社や組織の写し鏡と言っても過言ではありません。)

その上で重要なのが社内の空気づくりです。いかにみんなで仲間集めする重要性について目線合わせできているか、またそれを推進する採用チームが社内メンバーから協力を仰げるような関係値が作れているか、採用は社員全員でやるものだと認識しているか、このあたりがポイントです。

2023年もリファラル中心に採用を加速していきますので、よろしくお願いします。ここに書いていないリファラルTipsがありましたらぜひ教えてください!

「最も発信する人に最も情報が集まる」と信じて、今後も発信頑張っていきます。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?