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【ネタバレ映画レビュー No. 5】ジョーカー


ピエロ恐怖症の私にとってこのメイクが恐ろしくて、話題作ながら未見だったこの作品。


金獅子賞を獲得するのも納得。
(このところ、すかぽんたんな作品ばかり見てしまって心が震えなかった。)
本当に本当に素晴らしい名作。

切り込んで叩きつけて、色んなことを考えさせてくれる最高の一作。大好きだー!

まだまだこの世には映画の名作があって、私の人生という映画ももっと面白くしていくぞと思えました。

特にこの作品こそ、恋人や大切な人と見て、感想を聞きたくなる作品です。

ロマンチックなものより、こういうガツーンとしたものを投下してディベートしたい派です。

以下、映画鑑賞後、わ〜っと溢れ出る感情や感想を下書きしたものなので、支離滅裂ですが保存迄に。


毒親のシーンは映画を見ている時は集中して引き込まれているが、あとになって振り返ると自分にも多少思い当たるので胸が痛んだ。

言っておくけど、今でこそ虐待死になる前に救おう声をかけようという風潮は生まれてきたが、じゃあ見つかったところでセーフティネットなんてありゃしない。

誰が母親の痛みに寄り添う?
親はきっと、虐待したくて虐待していないはずなんだ。

誰が親子間の縺れを解こうとしてくれる?

親が辛いままだと、高確率で負の連鎖になりやすい。悲しいかな。
適当に注意を促され、また同じことが起きて、救われない大人と要らぬ処世術を身につけてどうにか生きようとする子供が出来る。

何かが辛いから悪になる。
生まれ持っての悪人は居ないと私は思う。

ハッピーと呼ばれる程にまで常に母に笑いかけるアーサーくんの姿、悲しいことがありすぎると反射反応なのか笑ってしまう。それが故に患ってしまった新たな病。


私も経験があるが、取り合って、きちんと向き合ってくれる精神科医、心療内科医は少ないように思う。



ジャズやチェロの音楽やスーツのオシャレさ、殺戮者、稀代の悪なのにスタイリッシュさが極まっていて最高に痺れる。

映画鑑賞後、white room や Rock'n Roll 何度聴いただろう。





アリエルの能力や生まれてから元々備えられたものを心から羨み、奪おうとしたタコおばちゃん
超能力を使って人を助けるスーパーマン

どんなヒーローやヴィランでもない。
彼は私利私欲で殺しをしているのではないから、罪は罪だが、底なしの欲求が本当に圧巻だった。

社会に「お前は悪でもあり、善人でもあり、それを決めているのはお前の主観でしかない。」という言い返しようのない達観した考え。

悲しみを味わいすぎたが故の悟り。

彼は本当に人としての純度が高い。
そこに漬け込む人間がいる。
綺麗なままで生きると傷だらけになるのだろうか…
世の中の真理なのかな…?

彼は「 現実社会 」が作ったもので、鋭くて汚くて皆が触れようとしない核心に堂々と触れてくる。

その強靭なパワーと対比するように、とても優しくて純度の高い善を持った人間だったからこその人生。

「人を笑わせたいんだ。」それを心に頑なに持ち続け、職業にし、仕事中ではない時でさえも子供に笑いかけて、芸をする。
小さい男の人を逃がすシーン。(ちょっとアーサーやめてくれやめるんだどうしてだよ…の声が可愛らしくて、「君だけはいつも僕に優しくしてくれた」と言い逃がすシーンは大好きだ。笑)
数少ない光を感じたシーンだった。



彼の人生を悲劇か喜劇か
そうして生暖かい目で観ようとしたわたしたちだって彼を消費しようとした一員であるという一説にはハッとした。


映画としての伏線の回収も素晴らしくて、


唯一彼の味方が居たんだとほっとする私たちを華麗に裏切るこの事実…。笑

どこからが妄想で、どこからが真実なのか分からなくなる瞬間が多いが、見せ方が本当に優れている為、「夢オチか〜」とつまらない気持ちにはならない。

誰かひとりでも、彼を温かく包み込んでくれる人はいなかったのだろうか。
温かいミネストローネスープとひざ掛けをかけて、背中をさすってお話を聞いてあげたい。


そんな感想が湧くと同時にすっかりバットマンシリーズにどハマりしたつかちでした。


優しさと悪とは何か



純粋な心が泣き叫びながら笑う姿や毒にまみれていく姿を知ってみるのはいかがでしょうか?

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