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『公園物語』 その14

僕も秘密基地を作ろうと思った。

先日の「秘密基地騒動」を経て、ぐるぐると考えが巡った。
しかし、考えても考えても、どうしたらよかったのか、どうすればよいのか、わからなかった。
それならいっそ、僕も渦中に入ろうと思った。

共にいる娘がまだ幼いので、
彼らのように山の斜面に作ることはできない。
しかし、山の中には作りたい。

と、いうことで、フェンスの向こう側の斜面になる直前、少し平らになっているところに、我が秘密基地を作ることにした。
せめてこれからの冬に、風をしのげると良い。

まずはその地を平らにする。
具体的には背の高い草や、小さな草むらを刈っていくのだ。

そんなことをしていると、小学生男子たちが集まってきた。
小六のワルたちである。

「おー! なにしとん!」
もちろん呼び捨てである。友達。
「秘密基地、作ってんねん」
「えー! 大人やのに?
 アハハハハ!」
楽しそうである。

「じゃあ、俺らが手伝ったるわ!」
「まじか!」
次にしたいことは材料集めである。

「じゃあ、おっきい石とか、木とか集めてきてくれ。山の下から」
「おっけー」
と、言って一瞬で山を降り、大量の石や木を集めてしまった。

すごい、、、
その速さに驚いてしまった。

その石や木でベンチを作った。
喜んでいた。

材料集めという大役を担って、小学生たちは誇らしげだった。

そうか、仕事とは、世界が繋がるものなのだ。
それだけで嬉しいものなのだ。

次は屋根を作ろうと約束をして、うちに帰った。

秘密の基地が、家の外にできた。

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