マガジンのカバー画像

小説 詩篇

11
聖書の中の「詩篇」と共に歩む大学生の日常を小説にしています。 人生のその時々に、必要な言葉が現れる。
運営しているクリエイター

#讃美歌

小説 詩篇 3篇

小説 詩篇 3篇

3

もう入学して1ヶ月が経つのに、僕には友達がいない。
どうしても、大学生のノリについていけないのだ。
当然のように彼女もできない。

墨田聖書教会が僕の逃げ場所だった。
教会はいい。
座っている僕に誰も話しかけることはなく、そっとしておいてくれた。
静かな空間の中で寂しさが癒されていく。

この日も静かに端っこに座っていた。
そのうちに古い讃美歌が流れてきた。

「主よ、わがあだびと、いとも多

もっとみる