「天才とホームレス」 第13話 『賛辞と始動』
おっちゃんは不労所得が嫌いらしい。
「働いた分、お金をもらう。
働かんと儲かったらそれは搾取や。友達やない」
鍬を横においてまっすぐな目で言った。
「え、でも、いろいろタダでもらってるやん。
あれはおっちゃんが助けたからやろ?
それって報酬じゃないん?」
てっぺいがツッコむ。
「ちゃう。あれに義務はないやろ。
あれは善意で友情や。
働いた分の報酬はもうもろとる」
確かにてっぺいも、勝手にお金が入ってくるシステムを作るのを嫌った。
僕はそれがゴールだと思っていたか