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第一種奨学金 : 所得連動返還方式の大きなデメリット

こんにちは。
奨学金に関して「所得連動返還方式と定額返還方式、どっちが良いの?」と悩んでいる学生もしくは親御さんへ。
いきなりですが結論を書いておきます。

以下に当てはまる人は所得連動返還方式ではなく定額返還方式にしましょう!!

・大学を卒業後は大学院に進学予定の人
第一種(無利子)の奨学金をJASSO(日本学生支援機構)から借りる予定の人

これらの人にとって、所得連動返還方式にどのようなデメリットがあるかを説明していきます。

そもそも所得連動返還方式とは?

所得連動変換方式とは、前年の所得によって月々の返還額が変わる仕組みのことです。
借りた総額などは一切関係がありません。
具体的には、前年の課税対象所得の9%を12で割った返還月額によって返還します。

例)
年収300万円 → 月額8,600円
年収400万円 → 月額12,975円
年収500万円 → 月額17,850円

所得連動返還方式の罠

ここでの問題は、大学院まで進んだ場合も全く同様の計算式で返還月額が決まり、かつ大学と大学院の返還月額が重複するということです。
すなわち、前年の課税対象所得の18%を12で割った返還月額によって返還します。

例)
年収300万円 → 月額17,200円
年収400万円 → 月額25,950円
年収500万円 → 月額35,700円

一方、定額返還方式の場合は借りた総額に応じた月額を払うことになります。

例) 学部で5万円/月を4年間=240万円, 大学院で5万円/月を2年間=120万円借りた場合
学部分 → 月額13,333円
大学院分 → 月額8,333円
合計 → 月額21,666円

つまり、新卒で年収が400万円以上の会社に入る場合は、常に定額返還方式の人よりも多い月額を払い続けることになります。
かつ、基本的に会社員は毎年昇給などで所得が増えるので、年々払う月額が増えていきます。

返済期間が短くなるだけでは?

もちろん第一種は無利子なので、借りた総額は変わりません。
ですので、多い月額を払えばその分早く返済は終了します。

しかし、若い頃から多い月額を払うとその分家計を圧迫します。
所得連動返還方式は年収300万円以下になりうる可能性がある人への半ば救済措置のようなものです。
特にそのような可能性が低ければ、定額返還方式にしておくことをおすすめします。

また、定額返還方式を選択しても、繰り上げ返済は可能です。
なるべく早く返したい方は、定額返還+繰り上げ返済が良いと思います。

卒業後は定額返金方式に切り替えられない!

そして最大の罠が、卒業後は所得連動返還方式から定額返還方式への切り変えが不可能なことです (2024/05/23時点)

在学中は
・所得連動返還方式 → 定額返還方式
・定額返還方式 → 所得連動返還方式
のどちらも切り替えが可能ですが
卒業後は
・定額返還方式 → 所得連動返還方式
の切り替えのみ可能になります。

すなわち、卒業後に一度でも所得連動返還方式になると、一生そのままだということです。

もし大学もしくは大学院在学中の方は、今すぐに定額返還方式に切り替えてください。

まとめ

大学院まで行くなら、所得連動返還方式ではなく定額返還方式に!!

この記事があなたの役に経てば幸いです。



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