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仕事の任せかた

前職のITベンチャー時代から数えて、マネジメントに携わり10年が過ぎました。改めて振り返ると、失敗→反省→改善の繰り返しです。

そこで今回は、ぼくが「仕事を任せる」にあたり意識していることをまとめてみました。


個人の能力と任せる内容のミスマッチを避ける

まずは言うまでもなく、誰に何を任せるかを決めます。そのときに気をつけているのは、個人の能力と任せる内容のミスマッチです。

例えば、入社間もない新卒社員に、「既存事業を活かした新規事業を考えて」とお願いしても、おそらく期待通りの成果は出ません。既存事業を理解していないからです。意図のない無茶ぶりはしません。

たまに、「無茶ぶりのおかげで成長できた」という話を聞きます。しかし、それは任された側が思っていただけで、任せた側は能力を見込んでの勝算があったはずです。

人選は経験の有無より、やる気を含めた能力を重視しています。

成果と期日を握る

仕事を任せるにあたり、期待する成果と期日を握ります。

成果はわかりやすい数値目標がベストです。もし数値目標の設定が難しければ、お互いのイメージを共有します。例えば、クリエイティブ関連なら、言葉だけではなく、画像や制作物でイメージをすり合わせます。

一方、期日は軌道修正が必要な場合に備えて、バッファを持たせます。期日が間に合わない仕事は、アウトプットの質に関係なく、その時点で失敗だと思っています。

手段に口出ししない

よほどのコストがかからない限り、手段には口出ししません。細かい進捗確認もせず、相談があれば乗るスタンスです。

一度でも口を出した瞬間に、任された側のモチベーションは一気に下がります。こちらの顔色を伺うようになり、主体的な動きも減ります。たかが一度、されど一度です。

仕事を任せたからには、我慢が必要です。我慢できないのであれば、最初から任せず自分でやるべきだと思っています。

責任を求めない

成果が出なかったときの責任は、任せた側にあります。任された側に責任を求めてはいけません。大事なのは、責任追及ではなく原因追求です。

自分は求める成果に対して50%のアウトプットがあれば、良しの気持ちでいます。勝手に期待して勝手に落胆するのは、任された側に過度なプレッシャーを与えるだけです。

任された側の成果であることを強調する

成果が生まれたときは、任された側の成果であることを強調します。失敗はマネージャーの責任、成功はメンバーの手柄です。

割に合わないと思うかもしれませんが、マネージャーの仕事はそういうものだと思っています。承認欲求は捨てなければなりません。


というわけで、思いつく限りを書き出してみました。

ぼくも管理職になりたての頃は、まわりに仕事を任せることが苦手でした。「自分がやらなければ、うまくいかない」と思い込んでたんです。

しかし、自分のキャパオーバーをきっかけに思い切って任せてみると、予想以上の成果が返ってきました。完全に思い上がりでした。それからは、仕事を任せることに抵抗が無くなりました。

自分の能力なんてたかが知れてます。今では、まわりを信じて任せることが、成果への最短ルートだと思っています。

権限委譲に対する価値観の違いから、思うように進まないこともありますが、地道に取り組んでいきます。

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