間違いだらけの顧客中心主義(番外編)〜改めて・・・顧客中心の反対は自社中心ではなく「製品中心」です
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皆さんこんにちは。通販エキスパート協会事務局です。
当協会は文字通り「通販のエキスパート」を目指す方々に向けた資格「通販エキスパート検定」を実施しています。
最近改めて、顧客中心主義に関する議論で「顧客中心」vs「自社中心」的な議論を見たので、ちょっと整理したいと思います。
顧客中心主義と似た言葉で「顧客起点」「お客様第一」が有ります。どうもほとんどの顧客中心主義にまつわる話題は、これらの言葉を区別していないようです。
顧客中心主義は、もともと「製品中心主義」との対比で生まれた言葉です。多くの日本企業は「お客様第一」や「顧客起点」を言いつつ、実態は「製品中心」のままのように見えます。
この、製品中心から顧客中心への移行を唱える議論の歴史は結構古く、私が知る限りでも1960年にハーバードビジネスレビューに掲載されたセオドア・レビットの「マーケティング近視眼」という論文や、ほぼ同時期にダイレクトマーケティングという概念を打ち出したレスター・ワンダーマンが提唱しています。
彼らは、企業に利益をもたらすのは製品ではなく「顧客」であり、さらにその顧客に対しては製品を提供しているのではなく「価値」を提供しているというコンセプトを打ち出しました。そしてその後1990年代にはこの考え方が浸透し、いわゆるマーケティングミクスの4Pも、顧客視点で見た4Cに置き換えて考えようという意見が台頭してきました。
<4P(製品中心)> <4C(顧客中心)>
Product → Customer Value
Price → Customer Cost
Place → Convenience
Promotion → Communication
マーケティングの教科書と言えばコトラーですが、彼は「コトラーの戦略的マーケティング」という著作で、STP→4C→4Pの順番に検討することを推奨しています。
確かに、「顧客に奉仕する」「顧客を起点に考える」という基本は「顧客起点」「お客様第一」と共通していますが、事業戦略やマーケティングのアプローチの違いが、製品中心と顧客中心の間には鮮明にあるのです。
また一回で書ききれなくなったので、次回もう一本記事を上げます。
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