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ゼロから学ぶ継続(リピート)顧客の育て方vol.9〜「カスタマーサクセスの実践」

皆さんこんにちは。通販エキスパート協会事務局です。

当協会は文字通り「通販のエキスパート」を目指す方々に向けた資格「通販エキスパート検定」を実施しています。

前回は「カスタマーサクセス」についてお話しました。今回は様々あるカスタマーサクセスの実践方法のうち、従来の通販業務との親和性の高さと実践時の効果の高さとの観点から、テキストマイニングとナレッジ・マネジメントについて取上げます。

◯テキストマイニング
恐らく、この技術の進歩がもたらしたカスタマーサクセスに対するインパクは、一般の想像以上ではないでしょうか。かつてAppleの創業者スティーブ・ジョブズは「顧客は自分の欲しい物をそれが目の前に置かれるまで分からない」と言ったとされますが、実際のところ顧客は自分が欲しい物や、して欲しいことを明確に言語化できるとは限りません。

しかし、大量の顧客の声データを分析することで、会話の中で選択された単語、文章としてのニュアンス、文脈から見える感情のゆらぎなどから個々人がはっきり自覚していない欲求を可視化することが可能になりつつあります。

テキストマイニングの機能 出典:https://it-trend.jp/textmining/article/explain

こうなると、毎日大量の電話や問い合わせフォームから良せられる顧客の声を収集できる通販企業は、10倍以上の規模のメーカーや小売よりもはるかに顧客理解が進み、「どうすれば顧客を失敗体験ではなく成功体験に導けるか」「そのためには具体的に何をどんなタイミングで顧客にしてあげればよいか」という仮説検証サイクルを今まで以上に回せるようになります。

◯ナレッジ・マネジメント
上記のように、通販は常に顧客の声を蓄積しつつ、購買行動などの従来データ分析とも組み合わせながら、仮説検証サイクルを回しているわけですが、ともするとそこから得た知見は、特定の個人や特定の部署にのみ蓄積され、組織内共有がされていない傾向があるのも事実です。

ナレッジ・マネジメントとは、社内のナレッジ(知識)をマネジメント(管理)して、組織的に共有し、業務の効率化やサービスの向上に役立てる仕組みを指しますが、この概念をシステム化したツールとして、下記のようなものがあります。

出典:https://it-trend.jp/knowledge_management/article/operation

「ヘルプデスク型」と「業務プロセス型」は従来のカスタマーサービス的ですが、「ベストプラクティス共有型」と「経営資源・戦略策定型」はカスタマー・サクセスに必要なアプローチといえるではないでしょうか。

また、こういった新しい取り組みと成果の共有というのは、それまでの組織文化と摩擦を起こすこともありがちです。そこで、上記のようなツール類を使いこなし、活動を継続するには、以下のような工夫が推奨されています。

◯ナレッジマネジメントに関する責任者の選定
◯ナレッジの蓄積や共有に熱心な社員の表彰
◯新たなナレッジを共有する定例ミーティング

リピート顧客の育成に関しては、コールセンター/コンタクトセンターのような「顧客対応部門」の役目が再度クローズアップされ、今回取上げたテキストマイニングやナレッジ・マネジメントだけでなく、自社SNSやチャットボットの運用など、デジタルマーケティングの最前線で活躍する部門となる可能性を秘めています。



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