ゼロから学ぶ継続(リピート)顧客の育て方vol.8〜「カスタマーサクセスとは」
皆さんこんにちは。通販エキスパート協会事務局です。
当協会は文字通り「通販のエキスパート」を目指す方々に向けた資格「通販エキスパート検定」を実施しています。
前回は「仮説の検証」についてお話しました。ここまで、データや仮説といった施策立案の前提のお話が続きましたが、今回は具体的な顧客育成施策立案の際のコンセプトである「カスタマーサクセス」ついてお話したいと思います。
カスタマーサクセスという考え方は、従来のカスタマーサポートが「問い合わせ、クレーム対応」などの受け身の姿勢であるのに対し、「顧客の成功体験創出のために、こちらから積極的に動く」、という発想のものです。
この両者の違いを比較すると、下表のようになります。
そして、顧客の成功体験創出に向けた具体的取組みとしては、下記のようなものがよく取上げられます。
◯テキストマイニング
◯ソーシャルリスニング
◯ナレッジ・マネジメントシステム
◯チャットボット
◯自社コミュニティ構築
◯上記に関するAI活用
つまり、「困ったことが起きたら、すぐに助けてくれる」というよりも、「その商品やサービスを購入した目的を、より良く達成=成功」できるような支援や示唆を積極的に提供すること目指しています。
通販では従来、コールセンター/コンタクトセンターに代表されるカスタマーサポート部門は、出来る限りコストを削減する対象として「コストセンター」と呼ばれて来ました。KPIも上述のように対応件数や時間など「効率」を追求する指標がメインでした。
一方でカスタマーサクセスのKPIはLTVや継続率/解約率で、これは会社の利益向上評価する指標です。つまり、カスタマーサクセスにおけるコールセンター/コンタクトセンターは、「顧客の成功体験のために投資を行い、そのリターンがLTVの向上や継続率/解約率の低下といった利益指標で評価される」=プロフィットセンターとしての位置づけに変わろうとしています。
これは顧客対応を、良い商品を提供したり、刺さる広告媒体を制作したりするのと同じように、利益成長のための中核機能として進化させようとしていることになります。
通販はよくお悩み解決ビジネスだと言われます。シンプルに言えば、通販にとってのカスタマーサクセスとは「その商品やサービスを購入するきっかけとなった悩みが解決すること」です。しかし、それは多くの場合、商品を送付するだけでは実現しません。適切な使用対象、適切な使用場面、適切な使用方法など、スポーツで言えばインストラクターのような指南役が必要です。
通販は無店舗、無対面ですから、この「指南役」に該当する機能は、コールセンターのオペレーターであったり、メルマガであったり、HP上の動画コンテンツであったり、先輩ユーザーのレビューだったりするわけです。
上記に上げたテキストマイニングやナレッジ・マネジメントシステム、チャットボットなどは、このカスタマー・サクセスのための指南を効果的に行うためのものです。これらの取組みの整備には当然大きな金額の投資が必要になりますが、それにより顧客の継続率が上がり、LTVが向上すれば、企業と顧客の関係はいわゆるWin-Winになるわけです。
それでは、次回から具体的にこれらの取組みの実践方法についてお話したいと思います。
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