アンサンブルが世界をつくる - 箱庭稽古日報 5/26

さて。５月も残り少なくなってまいりました。今日は最初にお知らせをさせていただきます。

S＆D Projectミュージカル「#ひみつの箱には、」公演につきまして、
緊急事態宣言の延長、時短要請に伴いまして【6/5(土)19:00公演】を中止とさせていただきます。
チケットをご購入いただきましたお客様には他の公演への振替、ご来場いただけないお客様へは払戻しのご案内をさせていただきます。 pic.twitter.com/ToQzQwHdFz

— S&D Project公式@ひみつの箱には、 (@sanddproject) May 26, 2021

6/5の19:00公演の中止が決定しました。カンフェティにて購入していただいていたお客様にはご連絡済みですので、メールをご確認ください。この回しかスケジュールが合わないお客様には大変申し訳ないです。他3公演、無事に幕が開くことを祈って残りの稽古に励みたいと思います。
後日になりますが配信もございます！今回劇場に足を運べない方、関東圏以外にお住いの方には配信で楽しんでもらえるよう、いい作品を作ります！

稽古日報

さて。今日は前半のシーンを返しまくりました。

私はいつも芝居の前半、特に起承転結の「起・承」らへんをやたらと稽古します。お芝居は前半にかかってると思うのです。物語がきちんと起き上がってくれれば、後半の気持ちはそれに乗っかるだけなので。

お客さんに対して誠実だなと思う作品はいつも冒頭が面白いと感じます。アニメなら１話がめっちゃ面白い、もしくは面白くなりそうな予感がする！

お芝居は冒頭で、世界や人物の設定を一気にお客さんに分かってもらわないといけません。一時停止も、巻き戻しもできないので。だけど説明的になってはつまらない。本当に、すんなりと、その世界の一部になっていただけたら…。そう思って作っています。

アンサンブルがいる世界

そんな中でミュージカルのアンサンブルはどんな役割を持つのか。彼らが必要な理由はなんなのか。

もちろん、舞台の上で目立つのはメインキャスト、所謂名前のある役、設定を公にされている役です。しかしミュージカルにはアンサンブルが必ずと言っていいほど存在しています。そして私はアンサンブルこそミュージカルがミュージカルである意味ではないかと思っています。

みなさん、自分がどんな人間かってどうやって把握しますか？自分の得意・不得意をどうやって感じていますか？

他人と比較したり、周りと自分を見比べたりして、自分という人間がどんな人間かをだんだん知っていくと思います。

学校という社会はそういう場所ですよね。「家庭」という小さな枠組みからひとつ大きくなった場所。大人になって思えば学校だってとても小さな枠組みだけど、あの頃は「学校」が自分の世界のすべてだったように思います。

アンサンブルはその周りや枠組みの役割です。

主人公がどんな人物かをお客さんに分かってもらうための「社会」です。

この世の中共通の「普通」なんてものはなくて、それぞれの土地や社会、環境によって「普通」は異なります。

私は愛媛に住んでる頃「原発」があるのが普通でした。そして原発に勤めている家の子はちょっと大きな団地に住んでいるのが普通でした。それになんの不安も抱いていませんでした。それに、授業で「部落差別」のことを習うのも普通でした。情報番組でやっているスイーツやディズニーランド特集は、遠い世界のお話で現実味がないのも普通でした。

それも今は変わっていると思います。同じ地元であっても。

その時代感、常識、土地柄。その時々の会話のニュアンス。それぞれが「え？」と耳を傾けてしまう言葉…。

それらを表現するのがアンサンブルです。とんでもなく大変な役割です。

なので私は特に！冒頭のアンサンブルがでるシーンは懇々と繰り返し稽古をします。それこそが世界を作り上げるために必要なことだと思っています。

メインキャストはメインキャストで大きな役割がありますが、それと同じだけの大きな役割をアンサンブルは担ってる。だから絶対に蔑ろにしたくない。

彼らが生きていることが、世界が生きていることなんや…！

てなもんで、トップの写真のように目をひん剥いて、身振り手振りをつけながら、わたしは汗だくになって指示を出しています。笑

今回のアンサンブルのメンバーもだんだん表情がほぐれてきたように思えます！はしゃいでおふざけしてる姿が見えてきたり、所々目を引くお芝居が増えてきて嬉しい。もっとたくさんみんなのことを知りたいな。

ニイナがいつもたくさんみんなと絡んでくれているのも可愛くて大好き。面倒見のいいニイナらしい振る舞いだなあと思わされます。

あ〜〜〜〜早くお客さんとみんな（役）が出会って欲しい！

明日はみっちり芝居稽古。体温を測り、消毒をし、手を入念に洗い、稽古後は光の速さで直帰！！油断せずに稽古に取り組みたいと思います！みなさんと物語が出会うのを、この目で見るために！

パンフレットも入稿しちゃったんだから！！引き返せないぞ〜〜〜！

公演詳細

ミュージカル「ひみつの箱には、」

日時　（開場は開演30分前・休憩なし）
6月4日（金）19:00
6月5日（土）11:30 / 15:30 / （19:00回は中止となりました）

場所：北沢タウンホール

チケット購入はこちらから！
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=60950&

配信チケットのお申し込みはもう少々お待ちください！

※感染状況によっては、客席を50%に制限される可能性がございます。その場合、チケットが突然買えなくなる回が出てくるかもしれませんので、チケットの申し込みはお早めにぜひ！