オリジナルミュージカルを作る - 箱庭稽古日報 5/19
稽古日報
今日は歌唱指導の井上万葉による歌稽古でした!コーラスを中心に、どんどんハモりを当たっていきます。
最初の方の稽古日報にも書きましたが、「ひみつの箱には、」の楽曲は「まあだいたいこうでしょ」では歌えません。ハモりも、ソロも、歌いこんで自分のものにしてもらわなくては!そこから初めてお芝居が見えてくるので。
台詞を覚えてからがスタート、と同じように、音も覚えてからがスタートなのです。
歌唱指導・井上万葉
私たちはオリジナルミュージカルを作っています。
もうわかってることなんです。だけど、今日改めてそれを感じました。
日本でミュージカルをやる、となると、大抵が海外の翻訳作品です。ミュージカルといえば?ライオンキング!…みたいなイメージですよね。日本製のものといえば、戦争ものや時代劇っぽいものとか…。現代物もありますけど、まあ、なんというか…だいたいパターンがあるんですね。笑
だけどこの作品はあまりパターンに沿ってないのかもしれません。
脚本を書いた私は劇団四季出身だけど、四季作品で好きなのはファミリーミュージカルとストレートプレイ(フランス文学作品)です。そして退団してからは小劇場が好き。80キャパ〜本多劇場くらいの規模感の芝居が一番好き!作曲の樹原孝之介はゲーム音楽やオーケストラ、即興、それにバンドをやっている音楽家でちょっと変則的?な部分もありますが何より…
わたしたちは今回、「こういうシーンあるよね」みたいなことではなく、心が動く・うつりかわること、経験による視野の変化、人間の「恥」の感情…など精神の部分を舞台上で表現することに挑戦をしています。
つまり何が言いたいかといいますと
役者たちが自発的に自分の心に向き合い、何を表現すべきかを考えなくては作品が出来上がらないのかも、と最近の稽古で感じています。
ミュージカルあるあるをやっちゃだめなんです。
「こういう曲ってだいたいこうやって歌うよね」じゃだめなんです。
他の作品だって同じだけど、この作品をする時「モデル」になるのは歴史上の人物や背景ではなく各個人、それぞれ、自分自身の経験や過去なんです。
学生時代の無敵感や漠然とした将来への希望
友人たちとの距離の測り方
居場所がない時の覚束なさ
親しい友人といる時の絶対的な安心感
自覚がなかった差別意識に気がついた時のショックさ
誰かに恋心を抱いた時の不安定な気持ち…
そういえば高校生、思春期の頃は感情がジェットコースターみたいだった。1日の内にいろんな感情が走り抜け、学校に行きたくない気持ちと、学校に行けば家に帰りたくない気持ちもあった。友人たちと地下室でバンドの練習をしている時間が、永遠に続けばいいと思った…。
そういう自分の過去に、過去の感情に向き合って引っ張り出さないといけない。
だってこのミュージカルはオリジナルで、「わたしのはなし」なんだから。
きっと良い作品になります。役者たちが美しく見える作品になります。
稽古期間も短くなってきました。今日は二度目の通し稽古です。新たな可能性が見えてくることを祈って、今日も最前ドセンのお客さんをやってこようと思います。笑
ああ、楽しみだな!
公演詳細
ミュージカル「ひみつの箱には、」
日時 (開場は開演30分前・上演時間80分・休憩なし)
6月4日(金)19:00
6月5日(土)11:30 / 15:30 / 19:00
場所:北沢タウンホール
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https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=60950&
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