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役者の中に産まれる役 - 箱庭稽古日報 5/23

髪を染めました。私は本番にでるわけじゃないのですが、本番くらいしか身綺麗にするべきタイミングがないので、いつも本番に向けて髪を綺麗にします。果たしてこのグリーンカラーが全人類の「綺麗にする」に当てはまるのかは謎ですが、少なくとも私の中では綺麗になっているので良いのです。

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鏡を見るたびに、自分の髪色からパワーをもらえます。色落ちしていくのを見越したカラーなので、これからが楽しみ!

稽古日報

今日はメインキャストの芝居を小返ししまくりデー!

先日の通し稽古で見えた新たな課題を何度も試し、修正した台本も体に入れていきます。だんだんと新鮮さがなくなってきました!演劇というやつはなんともややこしく、回数を重ねないと見えないものもあり、回数を重ねると見えなくなるものもあるのです。

「次はあの人がこういう台詞を喋る」とか

「この後後ろの人が前に出てくる」とか

何回もやっていくと脳みそが勝手に思い出すじゃないですか。クラスに馴染んでいくとクラスメイトの名前を覚えていくじゃないですか。だけど、「初めまして」なんだから「初めまして」にならなくてはならないのです。脳みそに焼きついたクラスメイトの名前を、あたかもまだ知らないかのように振舞わなくてはならないのです。

なんちゅう難儀な仕事だ。笑

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楽しそうな舟出高校の皆さん

「もっとこう見えたいんだけど、どうアプローチすべきかわからない」私の未熟な部分です。どうにか役者に何かを見つけてもらいたい。だけどどういう導きをすればいいのかがわからない。

ここ数年そんなに悩むこともなかったんですけど、今回の作品はそういう壁があります。そしてこの壁を乗り越えれば、今すでに出来上がりつつある「ひみつの箱には、」がもっと良いものになる…!

新鮮さを取り戻すため、新たな知見を得るため、今日は役を入れ替えて稽古してみたりもしました。ワークショップ的なアプローチ。

二人の役者が、お互いの役を演じてみる。二人のシーン。間逆の立場。だけど、同じ立場。複雑な役回り。

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その一人が、私の大好きな役者・田中里佳です。

彼女の芝居はいつだってニュートラル。無理のない、自然なお芝居。それは田中里佳の人間性から溢れ出るものだと思います。稽古場でも、彼女はいつも"そこにいる"のです。

まるでゆめのようだ という私の自主企画公演「マーガレット または、」リア役、「おしまい おしまい」空山川きつね役、そして前回のS&D Project第一弾ミュージカル「ひとりぼっちの夜」にも空の機織り・ビロード役で出演してくれているのですが、私はキャスティングの話になると いの一番に「里佳ちゃん!」と言います。笑

稽古場含め「その場を楽しむ」才能に溢れた人だなと思います。

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彼女の表現欲は大きく前にでるものではなく、「作品の一部になりたい」というものに見えます。溶け込むように、沁み込むように。田中里佳は役に染まっていきます。そのじんわりとしたお芝居が私はいつも大好き。

いつだって脚本や演出を汲み取ろうという力強さを、ぐりぐり大きな目から感じられます。だから里佳ちゃんとの稽古はいつだってドキドキします。笑

「こんなに真っ直ぐ分かろうとしてくれている人の前で適当なことは言えないぞ」といつも思わされるのです。

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だけど、今回は役に溶け込むだけではイマイチ壁を越えられないようです。田中里佳演じる「天野はじめ」は特に。

彼女のなかに…自分のなかに役を産み出し、産み出した役の過去を俯瞰したりなんだりしなくてはならない。自分の望みはなんなのか。なにを叶えたいのか。「誰かの望み」にシンクロするのではなく、「自分の望み」に向き合い、受け入れる必要が…あるのかなぁ。私もまだわからないけれど!

役を入れ替えてやった稽古で「やっぱりこの人が天野はじめだ」って思えたので絶対に大丈夫。

一緒に旅に出ようと思います。

私にできることは、役者の旅路に茶々を入れることくらいなので。笑

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「感動」とかじゃない涙がぼろんぼろん出てきちゃう、なんか変な芝居です。書いた私に一番刺さって、泣きまくっています。笑「泣ける芝居!」とかいうわけじゃないんですけど…。変な涙なんですよね、これ。

自己肯定感低めの方や、HSPである自覚のある方は、マスクの予備と、タオルをご持参ください!笑


公演詳細

本チラシ

ミュージカル「ひみつの箱には、」

日時 (開場は開演30分前・上演時間80分・休憩なし)
6月4日(金)19:00
6月5日(土)11:30 / 15:30 / 19:00

場所:北沢タウンホール

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https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=60950&

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