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食べ物はどこから来るの?-Farm to Table- 映画上映「カレーライスを一から作る」+トークセッションを開催しました!

地域内資源循環を目指す社会実験プロジェクトTsugu.
「Tsugu. TABLE」では食の循環に取り組んでいます。
この記事は、フードロスゼロチャレンジデイズ参加者の戸奈さんに寄稿いただきました。

食品スーパーで映画上映?!

2023年11月23日に、阪急オアシス キセラ川西店のイートインコーナーにて「カレーライスを一から作る」上映会とトークセッションが開催され、約30人が集まりました。
 
食品スーパーで映画上映?!一見、変わった組み合わせですが、食品スーパーは「食べる」ことにとても近い場所。そこで「カレーライスを一から作る」というドキュメンタリー映画を上映して、食べ物がどこから来るのか、どれだけの時間がかかるのかなど、みんなで観て考える時間となりました。

舞台は食品スーパー 阪急オアシスのイートインコーナー

準備の段階から、皆の力が結集!

上映会の開催にあたって、準備の段階からチャレンジデイズのメンバーの力が光り☆ました。まずは、企画会議を開催!いろいろなアイデアが出て、当日の装飾についても有志の方で制作することになりました。自然な素材で、たくさんゴミがでないもの・・・コンポストバックの端材と土に還る生地などを使って、ガーランドを制作。制作の様子は、LINEにもアップしてくださり、ワクワク・楽しい様子が伝わってきました。

土に還る布にネギや小松菜でスタンプ!

コンポストバッグの端材は、小さなバッグやクリスマスツリーになっていて、会場を温かく包んで彩ってくれていました。森本さん、ひろみさん、ななこさん、ありがとうございました!

コンポストバッグの端材がクリスマスツリーに!
こちらには小さなコンポストバッグが

当日は、15時ころからチャレンジデイズ有志も加わって、会場設営。イートンコーナーの椅子を並び替え、前面には大きなスクリーンが設置されました。手作りガーランドも飾り付けられ、どんどん会場ができ上がっていきました。普段は、イートインコーナーということもあり、周りのお客さまは「何、してるんだろう!」という感じで見ておられました。

設営もみんなで行います

お待ちかね!映画上映会がスタート!

そして、だんだん日が暮れてき、17時半、いよいよ映画上映会の時間に。
スクリーンの映像が色濃くなり、会場が一気に映画館の雰囲気になりました。
地球Labo 上野りかさんから開会のあいさつのあと、映画上映がはじまりました。

上野りかさんがチャレンジデイズについて説明

「カレーライスを一から作る」は、探検家 関野吉晴さんが、武蔵野美術大学で行った課外ゼミ活動の9カ月間を映画化したもので、野菜やお米、お肉、スパイスなどの材料を一から作るドキュメンタリーです。参加した関野ゼミの学生たちが、カレーの材料のじゃがいもやウコン、お米を畑で一から作り収穫、お肉としてほろほろ鳥や烏骨鶏を飼育していました。映画の中で、ゼミ生が飼育していた鳥を食べるために殺すことについてディスカッションをしていました。「鳥は食べるために飼ったのであってペットではない」「命をつなぐために他の命をいただく」などの意見が出ていて、うまく言えませんが“命をつなぐという厳しさ”を感じました。

映画鑑賞後の参加者同士のディスカッションでも、実際に鳥の命をいただくシーンが印象に残っていて、命の意味を考えるきっかけになったという意見が聞かれました。また、動物を食べるために殺すことは抵抗があるのに、同じ生き物である植物では抵抗がないのか、などという質問もありました。

参加者を引き込んだトークセッション!

そして、いよいよトークセッション!!
登壇者は、東京農業大学の入江准教授、地球Laboの上野晴人さん、チャレンジデイズから山下さん、ファシリテーターはエイチ・ツー・オー・リテイリングの高橋さんです。

トークセッションのワンシーン

11月23日は勤労感謝の日ですが、新嘗祭(にいなめさい)でもあり、収穫された新穀を神さまに奉り、その恵みに感謝する日です。その意味ある日に映画上映会が開催できて嬉しいと話す上野さん。「友だちからの本を借りたとき、できるだけ早くきれいなままで返したい。それと同じで、地球も次の世代にきれいな状態で渡したい」という言葉が印象的でした。
 
入江准教授からは、土壌と呼ばれるものは地球の表面のわずか2メートルしかなく、その土壌を大切にすることが地球環境や生物の命を守ることにつながる、とお話がありました。そのために、コンポストはとても良い活動だと言われていました。
参加者ディスカッションで出た「動物を食べるために殺すことは抵抗があるのに、同じ生き物である植物では抵抗がないのか」という質問には、「動物は命を絶つと終わってしまうが、植物は根や茎から復活するので抵抗がないのでは」という回答に、とても納得しました。
 
チャレンジデイズ 山下さんからはコンポストを始めたことで、自分自身がいろいろな変化を感じていると、お話がありました。その変化が周りの人に伝わって、どんどん広がっていて、「きっと変わることはそんなに難しいことではない!」という言葉に力強さを感じました。

さいごに・・・

フードロスゼロチャレンジ*コミュニティのLINEオープンチャットにも参加者の皆さんの感想があがっていましたので、抜粋してご紹介します。

・「いただきます」の「命をいただく」という意味はわかっていましたが、映画を見てその意味を深く考えるようになりました。
・人とのつながり、そして未来につながっていく壮大なスケールの取り組みなのだということを改めて感じました。
・山下さんの素直な思いが心に沁みました。トーク中とっても輝いておられました。
・山下さんと同じで、私も小さな一歩が大きなうねりにきっとなると信じています。
・皆さんでイベントを作り上げていく雰囲気がとても素晴らしく、ほっこりとした気持ちになり、自分の生活を見直すきっかけになりました。
・映画の内容は濃くて、皆さんに広めたいと思いました。
・上野さんの巻き込み力、高橋さんのフォローアップ力、そして何より、りかさんのポップ力が、皆を惹きつけ、大きな力に導いているんだと思います。

「カレーライスを一から作る!?」「最後にカレー食べるの?」などなど、どんな会になるのだろうと想像しながら参加しましたが、皆さんと同じ時間、同じ空間で過ごさせていただいて、とても嬉しかったです。「一人の百歩より、百人の一歩」、一人ひとりのパワーが掛け算となり大きくなっていくのを感じました。そして自分もその一員になっていきたいなと思った一日でした。とても素敵な会に関わることができて、感謝しています。

フードロスチャレンジデイズとは…?

フードロスチャレンジデイズは、コンポストバッグ*を活用した家庭用コンポスト実践企画です。

 *コンポストバッグ:家庭で出る生ごみを微生物の力を借りて、分解・発酵してして堆肥を作ることができるバッグ。地球LaboのAgripoucher®は、手軽なバッグ型でありながら、しっかりとした素材と密封性で、臭いを気にせず、室内でも快適にコンポストに取り組めます。

3週間、参加メンバーが家庭で出た生ごみを一斉にコンポストバッグに投入!毎日、生ごみを計量し事務局に報告をします。事務局では毎日の投入量を集計し、参加者のコメントともに発信してくれます。疑問点やコメントをメンバーで共有できるので、励みになったり、参考にしたり、この過程も楽しみの一つです。
 
投入期間中はバッグに生ごみとともに水分補給をし、かきまぜて微生物に空気を運んであげます。最初は「これは、バッグに入れても大丈夫?」と迷いながらでしたが、「実験するつもりでトライしてみましょう!」という事務局の方の声に後押しされて楽しく取り組めます。だんだんバッグに愛着が出てきて、“育てている”という気持ちが沸いてきます。
 
投入期間が終わったら、3週間程度の熟成期間へ。その間もバッグに水分を補完しながら、かきまぜ、微生物へ空気を届けます。

これまで4回開催され、約180世帯600人が参加、700kgの生ごみが資源になりました。
リピート参加する参加者も多く、チャレンジ期間外でも「もう生ごみを捨てられない!」とバッグを2個持ちして、生ごみゼロを生活の一部として、無理なく楽しみながら続けている方もどんどん増えています。

できあがった堆肥はキセラ川西プラザの花壇や能勢電鉄 絹延橋駅にあるコミュニティファームでの野菜づくりなどで活用され、メンバーの交流の場にもなっています。2023年、ファームでは、夏にとうもろこし、盆茶豆、トマト、カボチャなど、秋はラディッシュ、大根、人参、じゃがいもを育てました。生ごみがコンポストバッグ内で堆肥に生まれ変わり、野菜やお花を育てる。そして、収穫した野菜から出たくずをコンポストバッグへ。
 チャレンジデイズの取り組みから「小さな循環」が広がっています。

みんなで作る堆肥から新たないのちが育っていきます
ちいさな循環で未来を変えよう。


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