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【文部科学省にて意見交換の機会をいただきました】アイドルのキャリアサポート会社から見る《若年層×個人事業主×女性としてのキャリアと教育の課題》

はじめに

ご挨拶

こんにちは。
株式会社ツギステ代表の橋本ゆきです。

ツギステでは、アイドルの就職支援やキャリアサポートを行っております。
これまでサポートを行う中で見えてきた、表に出るアイドルの華やかな一面の裏側にある
「アイドルの活動環境」や「セカンドキャリアの課題」について発信してまいりました。


そして今回!
文部科学省の篠原 量紗様より、

アイドル起点の課題抽出と
社会全体の構造的問題が共通している可能性がある

ということで、
私たちの活動に興味を持っていただき、
アイドルの方々の「キャリアや性・ジェンダー」についての認識や知識、教育についての意見交換をさせていただくため、文部科学省を訪問してまいりました!!

(意見交換後の集合写真)

ご参加者様

【文部科学省】
総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課 女性政策調整官
 田才 貴大 様          
         
総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課 安全教育調査官
 木下 史子 様

高等教育局 私学部 参事官付 私学経営支援企画室長
 篠原 量紗 様

私たちも、日々の事業推進の中で見えてくる課題は、アイドル「だけ」の課題ではない部分が多くあると感じています。

「働き方の多様化」や、「SNSなどで発信活動をする若年層の増加」など今ある社会の状況が今後さらに加速するとすれば、
現在、アイドルが卒業後に当たる壁は多くの人にとっても、同じく壁となることは明らかです。

そうした将来的な課題の解決手段、予防手段として、
「教育」が果たせる役割は非常に大きいのではという期待も含めて
今回の意見交換では現場で見えている状況や、生の声をお伝えさせていただきました。

今回は文部科学省の皆さまとの意見交換の内容を抜粋・編集の上、まとめさせていただきました。


意見交換(抜粋・編集)

1.若年層としての「アイドル」とキャリア

仕事の選択肢

一般的に企業からは年齢が上がると共に経験が求められることが多いです。
「20代前半のできるだけ若い人材」や「即戦力となる経験者」を求められることは企業の立場で考えれば理解はできます。

しかし、それゆえに自身の希望する職種に向けて就職するには経験やスキルが必要だが、スキル習得や経験を積むための就職がそもそも難しいという方も少なからずいらっしゃいます。

人生100年時代と言われる昨今において、「多様な選択肢がある社会」は多くの方が豊かな人生を歩む上で、必要なことでは無いでしょうか。


「自分が制度の対象者だと思えない」という課題

また、キャリアについても、
「何をどう調べればよいか分からない」という状況の方も、非常に多くいらっしゃいます。

履歴書の書き方も調べれば情報はいくらでも出てきますが、自分で調べられない、調べたところでどうすればよいか(これで合っているのか)分からず、「ツギステの伴走・サポートがあって初めて動き出せた」という声をいただくこともあります。

中には、「自分がサービスや制度の対象者だと思えない」という声をいただいたこともありました。

自治体や企業が提供する教育プログラムや資格取得の機会も多くありますが、用意して待っているだけでは必要な方に中々届かない。

という現状をお話させていただきました。


「知る機会」をどこで作るか?

「困っているのに必要な情報にたどり着けない」「何に困っているのか、今後何に困るのか自覚がなく、必要なサポートまでたどり着かない」という状況は、

アイドルに限らず、
情報があふれる現代において、経験や前提知識の少ない若年層にとって共通の課題なのではないでしょうか。

このような状況を踏まえて、
・行政が整理された情報をプッシュ型(SNSを活用したターゲティング広告など)で発信すること
・キャリアやリスキリングについての情報をあらかじめ公教育の時点で教えておくこと

また、教育や社会の中で、
10代20代の早いうちから、ライフステージに沿ったキャリア計画を考える学習機会が必要ではないか」など、

若年層へのキャリア教育の可能性についてお話をさせていただきました。


2.個人事業主としての「アイドル」と社会制度

少子高齢化を生き抜くための社会保障の知識や将来への備えの不足

アイドル含め、フリーランスとして「個人事業主」という形態で活動を行う若年層も増えている昨今、
将来への備えや社会保障の知識は必須だと思います。

しかし学校で具体的な知識を得る機会はほとんどありません。
大人になってもよく分からないまま、という人も多いのではと思います。

若い時には目の前のことで精一杯で、将来のことを考える余裕がないというのもあり、教育で知る機会を逃すと、知る機会に巡り合うことは少ないのではないでしょうか。

私たちも、キャリアサポートをさせていただく中で、目前に迫った課題には焦って興味を持っていただける反面、
社会保障やお金の話は「今すぐ知る必要がない知識」としてアクセスされづらいと感じています。

ツギステのサポートでは、アイドルの方に「正社員とフリーランス(個人事業主)はどう違うのか」といったことから説明したりもしています。

それは、そうした基本的な就労形態や社会保障の知識がないと、
自分が思い描く将来・やりたいことに自分の選択が合っているかの判断ができず、後から「こんなはずじゃなかった」「もっと早く知っていれば」と後悔してしまうと考えているからです。

そうしたことから、公教育の中での

  • 就労形態や社会保障についての教育

  • ライフプランニングの普及の重要性

について意見交換をさせていただきました。


3.女性としての「アイドル」とキャリア・性教育

特に出産/育児を希望する女性にとって30代前後でのキャリア再構築の難しさ

サポートをさせていただく、アイドルの方々で「20代後半から30代前半」にあたる方は多くいらっしゃいます。

アイドルに限らず、
30代前後というとこれまでやりたいことに全力で突っ走ってきた20代前半までとは異なり、出産や育児を考える方々も増えてくる年代でもあります。

企業の中でも、妊娠中や結婚したばかりの女性は、出産や育児による離職のリスクがあるため、採用をためらってしまうことが多いのも事実で、

そうした女性としてのライフイベントとキャリアの再構築が重なることで、キャリア形成のハードルが高くなっているように感じています。

実際に、「会社に子供が欲しいと言えない」「入社してすぐに妊活していいのか」という相談を受けたり、就活の段階で「すでに妊娠している」「数年以内に子供が欲しい」という方もいらっしゃいます。

先述した内容とも一部重複しますが、
女性としてのライフイベントも加味したキャリア計画」を考える機会が必要ではないか」とお話させていただきました。


性に関する知識が乏しい故に、性的被害・健康被害を受けてしまう

アイドルはその性質上、身体的な表現と性が関わる職業でもあります。

そんな中で、知識がなくて身を守れなかったり、嫌だけどアイドルとしては当たり前のことなのかもしれないと思って我慢してしまうということも多くあります。

また、自分の体を酷使してしまって起こる、摂食障害や生理不順といった体の異常を自覚できなかったり、専門家への相談にアクセスできなかったり、自分のココロやカラダのケアがなかなかできていないというお話を、私たちツギステが行った「アイドルのココロとカラダの実態調査」を元にさせていただきました。
これはまさにアイドルに限らず、若年女性にとって必要な知識がなかなか公教育で得られていないという事例ではと考えています。

以上を踏まえて、

・親しい間柄での暴力「IPV」に気づき、SOSを出すことの大切さ
・自分がどこまで許容できるのか、相手が嫌だと思う境界線を尊重する「バウンダリー」
・将来の妊娠について考える「プレコンセプションケア」

といった改めて教育に不可欠だと感じているトピックをお伝えしました。


文部科学省の皆様からのフィードバック

アイドルのキャリアサポートというニッチな立場から見えてきた《女性のキャリアと教育についての課題》として様々な観点から、所掌を超えてのざっくばらんな意見交換をさせていただきました。

【女性のライフステージ/社会保障の知識/キャリア教育/性教育】などを主題として、

文部科学省の皆様から、
そもそも「アイドルという遠い世界の話だと思っていたが、若年女性全般に共通する部分も多くある」と共感していただいた上で、

女性のライフステージに関しては、
・ちょっと先のことや人生トータルでの計画を考えることは大切。
・ライフイベントを踏まえ、若い女性が早い段階からライフプランについて考える機会を提供することが必要。
・企業も柔軟な働き方や支援体制を整えることが重要。
・社会の仕組みを理解し、自分らしく生きるための将来計画を行うことは大切である。

社会保障の知識については、
・マネーリテラシーを高める教育は重要である。
また、教育を行うための、教育者の育成も大切である。

キャリア教育については、
・キャリア教育も、どういう職業があるかだけではなく、ワーク・ライフ・バランスや男女共同参画の視点を踏まえ、どういうキャリアを作っていくか、を子ども達に主体的に考えてもらうことは重要。

性教育に関しては、
・幼少期から、プライベートパーツなどの境界線の話を学校でしていただくようお願いしているが、自分の境界線は自分で決めていいこと、
相手の境界線は尊重することは、特に高校生などの思春期の子ども達にもっと伝えていきたいと思った。

また、キャリア教育でも、金融教育でも、性に関する指導でも、学校現場では先生たちがすべての分野のスペシャリストになるのは難しいので、外部の専門家と連携しながら教えていくことは重要。

といったご感想や、認識の共有をさせていただきました。


また、「業界を知らず、世代も違う教師からのアプローチより、(橋本のような)経験者が語ることは、より説得力があると感じた」と当事者目線のアプローチの必要性についてもご感想をいただきました。


意見交換を終えて

アイドルというと遠い存在のように感じられるかもしれませんが、
アイドルという要素を分解すると、

「若年層」×「個人事業主」×「女性」ということで、
それぞれにおける課題と捉えた時には、マジョリティの課題でもあると考えられます。

そうすると、「公教育で必要なものも実は多い!」
という認識を公教育を司る文部科学省の皆さまと共有することができた貴重な時間でした。

未来を生き抜くための教育とは何か?
女性が生きやすく働きやすい社会を作るために必要なことは何か?

ツギステの代表としても、
一人の政治家としても、
考え、アクションを起こし続けていきたいと思います。

株式会社ツギステ 代表取締役社長
渋谷区議会議員
橋本ゆき


お問い合わせについて

株式会社ツギステは、不安無く夢を追いかけることが出来る社会の実現に向けて、引き続きアイドルのキャリアサポートに邁進してまいります。

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