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色彩検定に行ってきた話。

わたくしの着物は「矢鱈縞」と言って、規則性のない縞模様です。
最近は割り切って、もう、着物の形の色彩構成だ!と思って作っている節もあります。
なので、「色」というものはとても好きですし、気になるものですし、
大切なものの一つです。
こんな感じになる前から、色辞典とか、色名辞典とか、
カラーチャートとか、色数の多い絵の具とか、色鉛筆とか、
そういうものにウキウキする性格でした。

思えば色彩検定を取ったのは、ずいぶん前、まだ染織の世界に入る前、
ラッピングの資格をあれこれ取っていたのですけれど、
もし独立するなら(つまりずっと仕事は辞めたかった訳ですよ)
他に何かないかなぁと思って、3級、2級の色彩検定を取りました。
1級は実務が・・・などと思ってそのまま、こちら側へ参りまして
ずっとほって置いたと言えばそうなんですけど、UC級というものができていましてね。
2019年から全都道府県実施となったそうですけれども。

今回、6月25日に受けたのはこちらのUC級。
気になりだしてから受ける機会を逸しており、今年行って参りました。
実は割と最後の頃の直近の上司の方がですね、ある日、
突然なんでそういう話をされたのか、そんな話になったのかですけども、
「俺ね、赤見えないんだよ」とぽそっと仰ったんですね。
いちおう2級まで持ってますので、そういう方が意外と少なくない
(男性で5%といいます)ということは存じていたんですけども、
実際にカミングアウトされたというのは初で。
そう知ってしまうとその方は、確かに赤ペンではなく、メモに紺のペンをお使いになる。
私は濃い色が得意ではなくて(見えないではなく好みで)
赤の代わりにピンク、青ではなく水色、オプションで黄緑、などを使う性質ですので
紺色ペンのご使用については、好みかなぁ、ぐらいにしか思っておらず。
お伺いして、なるほどそうかぁぁ、と思いました。

そう思い始めてから。
文書データに朱書きしたり、あるいは可動箇所を赤文字にしたり、
そういうものが気になり始め。
ありませんか、フォーマットを黒で作っておいて、
変わる部分だけ赤い字になっている文書ファイル。
赤字で訂正しろよーと言ってくる管理部門。
だってレーザープリンタで印刷したら黒字同等で出てくるから便利なんですもん。
(青だと少し薄くなるんですよね)
でも、そういう赤文字が、ヒューマンエラーを引き起こす・・・かもしれない。
少なくとも、青文字だったり、網掛けだったりするよりは、
リスクが上がっている可能性はあるわけです。

以来わたくしはカラーグラフの表示に気を使い、ハッチングや点線を使い、
資料のカラーリングは基本、色合わせを整えた紺とオレンジ、
紺と黄みのピンク、あるいは青と緑(緑がグレーに見えればよしという扱い)そういった組み合わせを優先するようになりました。
(もともと苦手なので真っ赤な資料とか作らないんですけど)
資料の視認性を上げるという部分にこだわりが出てきて、
他の方にも伝わり、フライヤー等一般行政文書以外の物にUDフォントを使うスタッフも出てきました。
(固い文書はですね、〇〇フォントで、などと決まっていますので変えられませんが)

また、このUC級の範囲では、加齢による変化も学ぶ必要があります。
水晶体が黄変するとか、白内障とか、そういったことで見え方が違う、
そういうお話です。
今後の超高齢社会では、重要な話なのではないでしょうか。
あと、瞳の色でも眩しさが違うと言いますよね。
ハリウッド映画で白人の将校さんが屋内でもサングラスなのは
偉そうでも格好いいからでもなく、多分、いろいろ眩しいから、あれで普通。
フランス映画がどれもなんだか画面が暗いのも、現地の方にしたら、普通。
そういうことなんだと思うのです。

そう考えたら、自分がきれいと思った色の組み合わせが、
他の人にはいったいどう見えているのだろうとか
悶々としたところに入り込みそうにもなりますが・・・
資料、サイン、重要なご案内、そういったものについては、
それを制約と厭わずに、極力やさしい色遣いを心がけたいものですね。
そういう意味で、色彩検定UD級。
お勧めしたい資格の一つなのでございます。

縞のお話はこちらにも



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