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採集暮らし:庭にツツジが多いもので

庭や河原の植物などで糸を染めたりいたします。
本日は、庭の躑躅の枝を使った染のお話。

前の居住者の方のお好み?

明治築の我が家ではございますが、わたくし実に5人目くらいの持ち主でございまして。そのうち先代の方は数十年お暮しだったようです。(昭和10年代お生まれの方から、その方と異なる姓をお持ちのご友人の家だったとは伺いましたが)
なので、先代の方のお暮しぶりというか、お好みだったのかと思うのですが、住んでみて思ったのは、躑躅が大きいのです。松の下のものなどは丈が2mを超えておりまして、正直「城か⁉」と思ったりもしております。
紫のものと真っ白のもの、花の小ぶりな赤いもの、加えてサツキが植わっておりまして、計14本でしょうか。(一本切ってもらって伐根しました)お城丈なのは紫と赤が一本ずつなのですが、他も何だか仕立てが大きい。庭師さんに、「躑躅は小さめに仕立てて行ってください」とお願いしてみたところ、間から見えてくる庭石やら柘植やら…
いや、躑躅への愚痴は置いておいてですが、そんな風に材料には事欠きませんので、このたび躑躅で染めてみた次第。

まずは、刈りこみまして。

今年の春から伸びた枝をざくざく切りまして、寸胴に投入。

躑躅の若枝

出来た染液はよくある飴色です。今回は鉄媒染でグレーを作りたいと思います。(飴色の染液×鉄でグレー方向に行くか濃茶方向に行くかということはありますが、そこは先達方のご本などに頼りまして)

染液はよくある色です

グレーはグレーでも

乾いてみますと、ちょっと緑がかったいいグレーです。紬糸の方は何やら温かみがある気がしますね。

手前が紬糸2綛、奥が生糸1綛

春から初夏にかけて染めておりました、バラと比較してみます。
バラの方は逆にちょっと紫方向に振れておりますので、なお緑っぽいのが際立ちましょうか。

こうして見ると、グレー?緑じゃなくて?とも思ったり

同じ植物の媒染剤違いは色がマッチしやすいもの。この先アルミや銅でも染めて、合わせてみたいと思います。


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