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その1:旅行・観光消費動向調査

フリーランスになって1年、Lancersの研究員制度第4期に応募し、参画させていただくこととなりました。
地方観光DXという、フリーランスの集合体で自治体案件を獲ろうという取り組み。
うん、これが常態化したら、面白い世の中になるかもな、と思ったのです。
とはいえ何を研究するかと言う話もあるので、観光的な部分の無料データをどう使っていけるのかをいろいろ試してみようと思う次第です。


1)旅行・観光消費動向調査とは

相変わらず、大好きな(?)e-Statに参りまして、と(笑)
旅行・観光消費動向調査は、どの土地がどうこうというものではなくて、我々がどんな旅行をしているか、の傾向を見るものです。
調査方法は住基から無作為抽出した日本人に対し、郵送方式での調査。
約2万6000人が対象で、近年は郵送返送ではなく、オンラインでの回答も可となっています。
調査は四半期単位なのですが、集計はものすごく早く、1か月半程度で速報が、4か月で確報が出ます。
それだけ「旅行」に関する消費動向、経済波及などを見て動く、ということなのでしょう・・・

年齢は10歳刻み、居住は地方別の集計になりますが、例えばどんな目的で旅行に行ったか、宿泊か日帰りか、行先はざっくりどこか(地方別、海外もざっくりアジアとかヨーロッパとか)、延べ泊数、消費金額、業種、同行者、宿泊先の種別、交通手段の別、などが集計されます。

2)ここから考えられること

地方観光DXのプログラムは、自治体側に立って観光客呼び込みに繋がるプランを立てることです。
ですので、基本的には、地域の魅力を探してみたり、それらの売り込みをしてみたり、ということになりますが、そこにこの旅行・観光消費動向調査は役に立つのか、と言いますと
立ちます!
と、やはり言いたいです。

何故ならば、この調査は「旅行に行く側のトレンド」が見えるものなので、この調査を利用して、積み上げて、傾向の推移を見たうえで、
■全体の消費金額が下がる一方
なのに、高額プランを打ち上げてみたり(国内動向なので、インバウンドという話ならそれはまた別)というのはちぐはぐですし、
■この地域のこの季節はこうした傾向
と見えているなら、良ければ伸ばす、下がっていれば何か対策があるか、といったことを考えるなどと、訪れる人の実態に応じたプランニングができる訳です。
上手く使えば、春先には若い人が多くて安価な消費動向だけど、秋は年齢層が上がって消費額も高いね、なんて傾向が分かれば、
それぞれ別の層にターゲットを広げる、とか、そのままその層に合った展開を更に仕掛けるとか、そうした考え方に使えます。

3)注意点

しかしながら、個別の自治体に展開するには、くくりが「地方」であることは若干のデメリットです。
近しい区切りであるとはいえ、「中国(地方、国ではない)」や「東北」といった大きな区切りで見ると、例えば冬の雪の量も違えば、どこかの県にどんと目玉になるようなお祭りがあって、地方というよりその場所に特化しているとか、そうしたケースも出て来ます。
ですので、この調査から見える「傾向」をうまくつかみ、また調査範囲内を見渡して、特異点になるような要素が何かあるかも把握しておくと、よりよい分析ができると思います。
(四半期分ですし、きっと誤差の範囲で収まる気もします)

4)まとめ

ということで、ですが・・・自治体の観光やプロモーションの計画は、どちらかと言うとアピールありきになりがちです。
しかし、例えるなら結婚相手に経済力をお求めの相手に「家事が得意です!」と言って響かないのと同様で、旅行に行く側のトレンドを見込み、買い手に即した売り方を考えるというのも重要な話かなと。
そんな場合に使いやすいのが、こちらの統計かと思います。
(ちょっとね、並べて積んでいくのが面倒ではありますけどね・・・)


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