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北海道知来別の小さな村20240531

目的は未来への不安をなくすこと

一言で言えば我々の未来の社会のありようを見つけたいということ。それは経済のあり方の基礎とも言える社会のあり方、それを考える我々人間の思想とも言えます。どうしたら誰もが幸せに不安のない社会をつくることができるのでしょうか。最終的には共助を基本としてお金を使わない暮らしを実現することなのですが、そこにいくまでのステップが必要です。
まずは現行の収入のうち使えるお金を増やしていくこと、そこが第一の鍵になります。そのためには最も高い費用である住宅費用、住宅建築コストをどう抑えるかが鍵になると思います。村づくりをしようという動きはたくさんありますが、多くの場合、廃校や民家などを利用してセンターハウス的なものを作るというリノベーションから始まります。しかしどうしてもそれだけでは定住という選択の時に持続可能ではなくなります。住むとなるとどうしても独立した家(シェアーハウスもあるでしょうが、ここでは定住して住むことができるスペースという意味です)が必要になります。もちろん賃貸で安く借りるという選択はあるものの、古い民家であればそこを直して快適にするにはそれなりの費用もかかってしまいます。

そこで考えたのが、小さくても独立した家、小屋より大きく家より小さい、そんな住居です。小さいということは安いということがありますが、そのほかに重要な2つの大きな良い点があります。
1つは簡単に作れる、自分の手の内で多くの人が作れるということ。もちろんキット化するなどの工夫が必要でしょうが、そうした効果が発揮しやすいということ、そしてモチベーションが保てるということ、大きな家では完成まで気が遠くなります。2つ目は小さな家に住むとは、暮らしに工夫が必要でなるべく少ないもので、多くのことをやるという工夫が生まれることや、整理整頓を心がける必要が出てきます。
そこで今回は4畳半を3つでワンユニットにして作りました。僕自身は4畳半1つに住んでいますが、一般にはかなり難しいでしょうし、家族がいれば無理でしょう。まさに小屋暮らしになってしまいますので、小屋より大きく家より小さいという今回の建物に落ち着きました。

繰り返しになりますが、この建築の手法はあくまでも、社会のあり方を模索するための方法論の1つです。建築が目的なのでなく、そうした建築に住むことで住居費を安く抑え、稼ぐことが目的なるような社会から、暮らすことが目的となるような社会を作ることができるのではないかと考えたのです。
今回のプロジェクトでは、土地も安く購入できました。自分で野菜を育てることもできます。家は安く、しかし美しく、そして暮らしは楽しく、これができれば経済的な不安はかなりなくなるでしょう。

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