【エッセイ】忘れられないあの涙
私から溢れた涙はどこに消えていったのだろう。
私の記憶、時間、想いと共に全てがこの地上に吸収されていったはず。あんなにも流れ続けた雫の一つ一つの記憶を今、たどろう。
これまでどのくらい涙が出たのだろう。
小学生の時に楽しくておかしくてお腹をかかえて泣き笑いしたこと。母親とケンカして自分の間違えに悔しくて涙が溢れたこと。
一番大事な涙なんて存在しないと思う。
いつだってその時の自分に必要な涙のはずだから。
でも、あの涙は他のとは違っていた。
また同じことがこの先あるのかどうか