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【読書】体験格差

地元の
『総合型地域スポーツクラブ』
の運営に
ちょっとクビを突っ込んでいる。

総合型地域スポーツクラブとは
地域住民によって運営される
非営利の団体で、
その地域の様々なひとが
様々なスポーツに触れられる機会を
提供しているものだ。

自治体と協力して
公共施設などを使いながら
地元指導者による
安価なプログラムを
いろいろな世代向けに
展開している。

人材不足
資金不足
開催場所の不足…
そのわりに
高いレベルのものを求められる…
という、
まぁ
ボランティアとしては
やってらんないな…
と思う面も多いのだが、
ここで出会ったスポーツで
なにかがちょっと変わるひとがいればいいな
特に子どもたちにとって
よい機会提供になればいいな
と思って
関わっている。


そんな
総合型地域スポーツクラブの仲間から
オススメされて読んだ本が
こちら。

『体験格差』
今井悠介
(講談社現代新書)


子どもたちの中に、
習い事や旅行などの体験が
できるかできないか
の格差がある、
という話。

著者は
子どもたちに
体験の機会を与えるべく
活動されている方だ。


体験格差ね…

言われるまでもなく
あると思っている。

経済的な理由もあるが、
習い事には
親による送迎や見守り当番など
心身の負担があるという
理由もある。

当番ができないなら
高い料金を払って
全部やってくれるところへ行け。

高い料金を払えないなら
お当番などの労力は出せ。

親なのだから
わが子のことなのだから
それは当然の義務。

どちらもできないなら
習い事は諦めろ。

…という圧を
わたしもずっと
感じてきた。

サッカー少年団で
車で荷物運び(車出し)をしない家庭が
けちょんけちょんに言われてたのを
目にしたこともある。

子の習い事は
プラスアルファの贅沢なのだから、
それを望むなら
親が頑張らなくてはいけない、

そういう空気の中で
子育てをしてきた。


だが
著者は
習い事は贅沢なのか??

問うている。

やりたいと思う子が
やりたいときに
やりたい体験をする
ということについては、
もっと平等に
機会があってもいいんじゃないか
と。


安価で身近な
総合型地域スポーツクラブは
そういう機会提供の
役にたっているかとは思う。


運営には難しい現実もある。

いやいや通う子もいる。
全く取り組む気がなく
コーチの話をきかない子もいる。
水筒も持ってこない子もいる。
無断欠席もいる。
安価なせいだろうか…。

一方で
保護者から指導や対応などについて
高度で細かいことを
いろいろと求められることもある。
安価とは言え
お金を払って子どもを預けているのだから
当然なのだろうか…。

いくら運営の熱意があったとしても、
善意のボランティアが
本業の片手間に
ちょっとした謝礼で動くには、
きれいごとだけでは済まない
難しいことばかりだ。


子の体験格差は
親の問題だけではなく、
習い事界隈の仕組みにも
おおいに課題がある。

著者は
クーポンにより
子どもが習い事を選べるシステムを
実践しているらしい。

子が好きなことを選べて、
親も負担を感じず選べて、
機会提供側もちゃんと
手厚くフォローされる、
ということを
身近な地域で実現するには
まだまだ
遠い道のりになりそうだ。

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