映像の世紀 9.11 あの日が変えた私の人生を見た
映像の世紀はこれまでけっこう見てきたけど、出色の取材内容だったと思った。9.11から23年経っていることになる。
ビン・ラディンに手紙を書いた方、アメリカの出した事件レポートを執念で翻訳して残そうとする方、ヘイトクライムの加害者を恩赦にしようと活動する方。
固有な経験こそが、実はもっとも普遍性を持っているかもしれないと思わされる番組だったと思う。
こういうのがようやくわかってきたので、文学みたいな固有な世界を切り取った言語の体系に意味があるんだと、自分のなかで感じるものがあった。
文学なんて、なぜ読む必要があるのかと以前は思っていた。
でも固有なものこそ普遍的に、他者にも迫るものがある。
大学などでも、文系の学問は無駄という風潮がけっこう幅を利かせてきているように思う。まぁお金を稼ぐって意味では無意味なのかもね。
本番組を見て思ったのは、世界のほとんどは文学でできているんじゃないかということ。固有の細かいディティールこそ、他者の心を打つ。文学は世界の見方そのもので、わたしたちは文学の集合体を生きているのだ。イスラム圏の文学も読んでみたい。そう感じさせるよい番組だった。