一番重いのは、選択の蓄積

今さらながら、ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」を読んでいます。

人間には、認知の制限、バイアス、身体的な制約がかなりあり、不都合な存在なんだなぁというのが、大変伝わってきます。

読んでいて、ふっと思ったことですが、自分はシステム2を使うことをけっこうサボってきたんだなと、重く実感しました。そもそもシステム2の存在をほとんど意識できず、自分では思考しているつもりになっていたのですが、ほとんどが自動操縦のシステム1だったんだろうと、今振り返っています。

連想したマンガ、”カイジ”に出てくる「金は命より重い」というセリフが出てきますが、たぶんもっと重いのは、日々の些細な選択(システム1、2どちらから導かれた選択でも)の蓄積の方が重いと、ようやく気づいた次第です。

自分が日々の選択で培っておきたいのは、システム2を使う時間を増やす訓練をしておくこと。すなわち知的な筋肉を日々鍛えておくことで、さらに思考活動が楽になっていくという良い循環を作ることです。

ではシステム2を使う時間を増やすにはどうすればいいか。いまのところ自分の場合は、ノートに書きまくることでした。おそらく自分の知的活動の強度、質、時間は、トップレベルの人と比べたらまったく歯がたたないくらいだと思っています。
でも、これまでの自分より、はるかにモノを考えられている実感があるし、言葉を紡ぐのも少しづつできるようになっていることを感じれます。

だから、あらゆるものに対して、自分の言葉で語れるようにすることは、システム2を普段使いにして、知的な筋トレをするには最高の方法なのではないかと考えています。

たぶん選択に正解はないし、すべてを考慮するほど認知の余白があるわけでもなさそうです。でも、今日のちょっとした選択が、次の良い選択を導く。自分のシステム2のキャパシティに限界があると認識しながらも、ちょっとめんどくさい、ちょっと背伸びが必要なことをする。
それが、後々めちゃくちゃ重くのしかかるという意識だけは、持っておいた方がいいと改めて思った日になりました。

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