「手放す覚悟」、最近の僕のテーマだ。

なにを手放すのか?
手放してよいのか?
手放さない方法はあるのか?
手放すって怖いな…。

ずっと考えている。

キャリアサポートを行うお客さんを絞り込んで、そこだけに特化してやっていくっていうことの怖さを今、見つめている。

これまでの僕は、広くお客さんに声をかけて僕に興味を持ってくれる人たちにキャリアサポートの機会をいただいてきた。興味を持って時間をくださる方のなかには、今すぐ転職じゃないけど一度話してみたいというひとも多い。中長期で話していくなかで、キャリアのひとつの選択肢として転職活動に踏み出す方がいる。

僕のキャラクターもあって堅苦しい感じではなくサポートを行うので、そのスタイルが合うお客さんには心地いいのではないかと思う。面接対策はめっちゃ厳しくしているけれど、基本的には、お客さんとの距離感は近くてゆるいのだと思う。

僕のサポートをいいなと思ってくれたひとは、他のエージェントはもう利用していないというひとがほとんどだ。

僕はこれが自分の強みだと思っている。

リクルート時代の上司からは、キャラで勝負するなと言われてきた。
キャラで戦うなんて戦略的じゃないと。
一生懸命キャラじゃなくて戦略で勝負をしようとしたけれど、どうしてもキャラが出てしまう。

キャラって消せるものなのだろうか、脱キャラって難しい……。

8月に彩乃ちゃんが入社した。彩乃ちゃんはパーソルキャリアでキャリアアドバイザーや法人営業を経験しているし、コーチングもやっていてキャリアのプロだ。
それでも、今、つぶだてるに入社して最初の立ち上がりに苦しんでいる。

原因は僕だ。
僕があまりにも言語化してこなかったから、僕のやり方でやろうとしてもできない。

テルと僕はそれぞれ好きなようにやるからいいけど、この環境に若手が入社したらしんどいってことがわかった。

僕はずっと個人でやってきたけど、テルが入社して、彩乃ちゃんが入社して、つぶだてるが組織になってきた時に、もっと事業価値を磨かないといけない。

僕はもうひとりじゃない、僕のキャラクター云々の世界観ではなくなってきた。
大手のエージェントやったら共感性を持って求人を渡していけたらよかったけど、うちみたいな極小のベンチャーはそれでは生き残れない。

彩乃ちゃんは、「パーソルと全然やり方が違う、めっちゃしんどい。それが、むしろ楽しい!」と言ってくれている。

「手放す覚悟」というのは、これまでの僕のやり方を捨てるということ。

僕のキャラクターは変わらないけど、
会社としての決めとして、手放さなあかんなって覚悟がある。

めっちゃ怖い。
やっぱりこれまで自分のキャラでやってきているので。

これまでのやり方を変えてみる時に、1ヶ月だけやってもとに戻すというやり方はしたくない。サポートさせていただくお客さんを絞ったときに、やっぱり半年はやってみる。
そのやり方は間違っていた!ってなった時に、事業の業績観点で考えると人材紹介はリードータイムが長いので、戦略を変えてそこからまたやり直していたら、彩乃ちゃんの業績が入社して1年間ゼロになる可能性もある。

その間も月給が発生するので、僕はその分も頑張るって腹決めしている。

キャラクター問題

「ゆるさ」ってどこからくるのだろう。
僕がお客さんとのやりとりで大事にしていることがある。
それは、「逃げ場を残しておく」ということだ。
これが「ゆるさ」なのだろうか。

僕自身はひとからキッチキチで詰められるとしんどくなる。
逃げ場のないコミュニケーションはしんどい。

リクルートで営業として働いていた時は、きっちりしていた。進捗を全部印刷して、面接以上のフェーズの進捗については、必ずキャリアアドバイザーに現状確認を毎日行っていた。

今でも面接後の感想など、連絡をとりあいたいタイミングについては、お客さんにも明確に連絡してほしいとお願いする。強く要望することももちろんある。

でも、コミュニケーションをとる上で相手の逃げ道を残しておくように意識している。

合同会社こっからで行っているアライブという研修のファシリテーターをやっている。
その会社の代表の方に言われたことがある。

「デビさんのキャラクターを型化したい」と。

ファシリテーターとして、研修をちゃんと進めようとする。
僕は研修の「場」を喋りやすくしようとする。

「めっちゃ真面目ぶってません?」と、参加者の発言に対してツッコミを入れることで、場の緊張感がゆるみ話しやすい雰囲気になる。すると、深いコミュニケーションが生まれてくる。

事前の研修の設計段階では、抜けてることがあってヤバい…という場面があるんだけど(笑)そういう場面もコミュニケーションで乗り切ってきたのが僕だと思う。

代表の方が
「もう、ほんまに、デビさんのいろんな人とのコミュニケーションの取り方を型化したい!」って言ってくれるのがありがたい。

先にも記したがリクルート時代には、「キャラクターにあぐらかくな!もっとロジカルにお客さんに提案を。自分のキャラクターに頼ることで、そこで成長は止まる」と言われていた。

僕は必死で、提案するための数字を組み立てたり、思考を回そうとした。
でも・・・、結局最後はキャラクターでなんとかしてきた。

今までの人生全てを…(笑)

だから、今、リクルートにはいないんだと思う。
型化に価値を感じ、型化ができるタイプだったら、リクルートでマネジャーや上のポジションを目指していたのかもしれない。

当時の僕は、自分がパフォーマーとしてやりたかったんだと思う。

今、つぶだてるを立ち上げて、彩乃ちゃんが入社してくれて、
組織として事業をどう創っていくかを考えるようになった。

“つぶだてる”のひとりひとりが「自分のキャラクター」を立たせていけたらいいなと思っている。

選択と集中…だから、手放す

先週、リクルートの先輩たちに飲みに誘ってもらった。シンガポール、福岡で働いている先輩と僕の3人で飲みに行った。先輩のひとりから聞いた話のインパクトが大きくて、ずっとそのことを考えている。その先輩は障害者雇用を専門として事業を営んでいる。これまでは新卒コンサル案件を丸ごと幅広く対応していたが、1年ほど前にそれを全部手放して、障害者雇用の領域だけに自分の全リソースを特化すると意思決定した。

「すげえな・・・」

その話を聞いた時に、僕はちょっと震えた。
もちろんすぐに売上は上がらない。それでも、ある程度の貯金があったからそれを全て妻さんに渡して、「1年間はお金入ってこないと思っといてくれ」と伝えた。

今では大手からの引き合いがたくさんくる。
法定雇用の側面じゃなくて、ユニバーサルデザインの領域で、大手の
サステナビリティ関連の部署から問い合わせがバンバンくる。

「なんでも広くやる」を手放して、狭い領域に全リソースを集中させたことで、短期の売上は失ったけど、気づけば日本でその領域の第一人者みたいになって、マーケットを独占状態。

これが事業というものか・・・とリアルに感じた。

その先輩は戦略云々というより、「この領域をなんとかしたい!という強い思い」が起点に事業を作った。今ないなら俺がやろう・・・から始まったんだと思う。

「1番大変なところで事業を作るには俺のリソースを全部はらんと無理や」と考えた。

その先輩の姿は、めちゃくちゃかっこよかった。

だからめっちゃ怖い意思決定やけど、僕も手放そうって決めた。

どこに自分のリソースを投下するのか。
どう区切るのか、領域、コンセプト、区切り方もいろいろある。

「つぶだてる」ならではのメッセージを発信して、興味を持ってくれるお客さんを長くサポートしていきたい。

まったくのゼロからやるんじゃなくて、
今、自分たちが持っているものをうまく活かしながら、“つぶだてる”が1番力になれるお客さんの方へと舵を切っていきたい。

そのための、「手放す覚悟」。


                                                                            (インタビュー・文=さおりす


最後に

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