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小さい頃、蟻が大の苦手になった夏の夜

皆さんは苦手な虫っていますか?
蝶とか蜘蛛とかムカデとか……色んな種類がいるのでひとつふたつは当てはまるかと思います。

私は断然、蟻です。TOP画を探すために検索していても「うへぇぇ」となり、いざ飾ってみてもやはり「うひぃぃぃ」となっています。(やめたらいいのに)

それでも、小さい頃は蟻が大好きな子供だったんです。蟻を手で捕まえて葉っぱで遊んだり、虫かごに土を入れて何匹か蟻をその中に放り込んで観察したり。
女子だけど、昆虫全般素手で捕まえられるし、イモリやカエルやミミズなんかも全然へっちゃらでした。逆に女子の友達が離れていくレベル。

そんな私が忘れもしないあの夏の夜をきっかけに、蟻が大の苦手になってしまったのです。

私はアイスクリームが大好きな子供でした。


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小学校の頃から1日最高で10個食べるほど。(もちろん普通サイズのです。箱入りの小さいやつじゃないです)

そんな私がある夜、居間でひとりクーラーで涼みながら食後のアイスクリームを食べていたわけです。
何をしていたのか油断して、ボトッとアイスクリームを床の上に落としてしまいました。まだ半分強残っていました。

あーあ。お母さん呼んでこよー。

そんな感じで台所にいる母を呼びにいったのです。
しかし母、ちょうど電話中でした。電話が終わるのをひたすら待っていました。(自分で処理しようという考えは全く無し)

ようやっと電話が終わった母と居間に戻ると、さっきとは異なる風景が目に映りました。


……え? あの床にある黒いのなに!?


落としたアイスクリームはバニラでした。外側を薄くチョコレートでコーティングした、よく安売りしているようなやつです。それなのに、落としたはずの床は真っ黒。

母、それを見つけるや否や大声を出しました。


「あんたこれ! 蟻がたかってる(集まってる)やないの!!!」


ふたりしてギョエ~~~~~!!! と叫びました。
家の中に!
蟻の大群が!!
アイスクリームをめがけてやってきている!!!


我が家は古い家なんです。木造なんです。冬なんてすきま風ビュービューです。
そんな色んなところにある穴から、やっこらやっこら1匹の冒険蟻がやってきた。そうしたら、なんとまぁ見事な甘味の山(アイスクリーム)があるではないか!!!
仲間を! 仲間を呼ばなければ!!!

という風に集めに集めてあっという間に侵略されてしまったんでしょう。


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※蟻たちの気持ち(イメージ図)


母はおもむろに掃除機を出してくると、何の迷いもなく蟻の大群を吸い込み始めました。
よし、ここは母に任せることにしよう。(おまえも何か手伝え)
私はちゃっかりその場を離れようと回れ右しました。


が、そんな私に罰が下ったのか。なんの前触れもなく体のバランスを崩してしまい……


蟻の大群の中に右足がダイブ!!!(ダンッ!)


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!! 痛ぁぁぁぁぁいぃぃぃぁぁぁぁ!!!」


ガッツリ噛まれました。もう、どれくらいの蟻に噛まれたかわかりません。
転がってヒーヒー泣いていると、掃除機をガンガンにかけながら母が呆れたように言うのです。

「アホやなー。そんなとこに足入れたら、そりゃ噛まれるわ」


わざとじゃないのに!!! まず心配して!!! 私、あなたの娘!!!


他の部屋にいた父と姉に事情を説明して、手当てと慰めをもらいました。母との温度差は今でも鮮明に覚えています。(ウラミツラミ……)


その事件以降すっかり蟻が苦手となった私ですが(大群に関わらず1匹でも無理)、これは自分に非があるので致し方ない。


余談ですが実は私、蜂も苦手なんです。
その原因を作ったのは昔母と一緒に見ていた映画でした。


こちら一番詳しくわかりやすく説明していたので。


きっと私は大群で襲ってくるものが何であれ怖くなってしまったようです。

冬、虫いなくて最高ですね! いやっほう!



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