雪に不慣れな地域で昔雪が積もった思い出

昨年末辺りから大寒波だとニュースで言っていたのでビクビクしながら年を越しましたが、昼間が全くもってあったかいです。

香川県、（特に平野地では）今年も雪が積もりそうにありません。

東日本の方々は年末年始と雪で大変な思いをされているかと思います。
どうかお身体気を付けて、温かくしてお過ごしくださいね。

水不足以外ではなかなか災害らしい災害のない香川県ですが、昔は何度か雪が積もりました。

特に息子が生まれてからは一度しか積もったことがない……はず……（記憶が欠けらしか残ってない）。

社会人になってからは、雪が積もったところで恐怖でしかなかったのですが（車の運転とか。タイヤなんてどの車もノーマルだし）。
子供が生まれてからの雪は、やっぱり子供のはしゃぎようが可愛いんですよね！　もう、とんでもなく可愛いんですよ！！　分かりますかこれ！！！

可愛すぎて動画を何本撮ったか覚えていません。
ただただ、雪が降っている中マンションの通路を歩かせている動画を何本撮ったことか！

可愛い！！！（完全な親バカ）

そんな状態でしたので、雪が降るだけでなくましてや積もった時のはしゃぎようといったらなかったです。私が。
夜のうちに降り積もったであろう雪を、休みの日の朝早くに発見した私はすぐさま息子を叩き起こしました。（落ち着け）

「息子！　雪が積もってるよ！！　早く外出て雪だるま作ろう！！！　そしてパン屋さん行こう！！！」

パン屋さんはですね、単に長く歩かせて動画を撮りたかったからです。
考えてもみてください。
その時息子はまだ2歳半くらいで、足もちっちゃいし背もちっちゃいし、コロポックルのような姿なんですよ。
そんな彼が雪に残す足跡のなんて可愛らしいことか！
楽しみすぎて秒で着替えました。

息子はモコモコの上着にモコモコのズボン、そして長靴を履かせました。
私もモコモコの上着にジーパン、そしてモコモコの靴を履きました。

モコモコの靴です。

ご存じでしょうかみなさん、昔とてつもなく流行ってみんながみんな履いていたあのブーツと呼んでいいのかわからないブーツのことです。

それは「ムートンブーツ」。

今でこそ底部分がしっかりと作られているんでしょうが、当時の私はやっすいふにゃふにゃのムートンブーツを履いていました。
まぁ、1シーズンで掃き潰そうと考えて購入していたので仕方ないのですが。

あれって、あったかいんですよね。本当に冬は毎日のように履いていたのを覚えています。

その日私は当然のようにムートンブーツを履いて、息子には「雪が積もってるからね、濡れちゃうから長靴履こうね」と言って履かせていました。
わかりますかこれ、伏線ですよ。
ちゃんとこの後しっかり回収する伏線です。

まずマンション下で10分ほど雪だるま作りに興じて息子とキャッキャと遊んでいました。

そのあと、「じゃあこのままパン屋さんへ行こう」と息子の手を取って歩き始めました。

パン屋さんは息子の歩幅で片道大体15分くらいかかります。
雪はもう止んでいて、5センチ～8センチほどに積もった雪の上をサクサク足跡を付けながら歩いていきます。
私は時々息子の後ろを歩いて、気持ち悪いほどの笑みを浮かべながら動画を撮ってました。親子じゃなかったら通報もんです。

異変が起こったのは歩きだして5分も経っていなかったでしょう。

私の足は完全に止まりました。

「……づめだい……っっ！！！」（冷たい）

めちゃくちゃ足が、特に爪先が痺れるような痛みを感じ始めました。
モコモコのムートンブーツ、触るとびっしょびしょに濡れているではありませんか！
そうです、ムートンブーツは、雪に（水に）弱い！！！

完全に見た目に騙されていました。
ムートンブーツって雪国でも履いているイメージだったので全然いける！　なんなら雪向きよね！　なんて喜々として履いて出かけたのですが。
普通のムートンブーツではダメだったようです。しかも安物だし。

しかし息子は歩みを止めない。

雪の感触が楽しくて楽しくて、もうスタコラサッサと歩いていく。

私はその時、息子の歩幅の半分くらいしか歩ける状態じゃありませんでした。

「待って……息子待って……おがあざん……づめだいっっっ！！！」

泣いてました。これ凍傷になっちゃうんじゃないかと思ったほどひえっひえでした。

もう、逆にムートンブーツ脱ぎ捨てて素足の方がいいんじゃないかと思ったほど。
逆にの意味がわかりません。

歩みを止めない息子。
パン屋への道のりはまだ半分もきていない。
引き返して靴を変えてからまたパン屋へ行けばいいのでは……と考えましたが。

いや、それはそれで面倒くさいな！！！

心を決めました。

私は息子を抱きかかえました。
息子の意見？　聞いちゃおられん！　こちとら緊急事態だよ！！！

走るようにパン屋へ向かい、ちょっとだけ不機嫌だった息子をなだめながら急いでパンを購入。

帰りは息子に、

「ほら！　早く帰ってお父さんと一緒にパン食べよう！　お父さんもう起きてるかもしれないから急いで帰ろう！　お母さん、抱っこしてあげるから！！！　ねぇお願い！　お願いだから！！！（必死）」

とまたしても抱っこの状態で家路へと急ぎました。
息子、雪の中を歩いた時間たったの5分。
私の足は凍傷寸前。

無事家に帰ってから私は「うおぉぉぉぉん！」と雄たけびを上げながら玄関でムートンブーツを脱ぎました。
勝手に靴下も一緒に脱げました。
ひえっひえの足は真っ赤になってました。

そこからはとにかく足を毛布でくるんであっためることに必死です。

旦那さん、そんな私の姿を見て笑ってました。

「ムートンブーツじゃ無理やろ～」と笑っていました。

でもちゃんと心配もしてくれたので、今でも旦那さんは生きています。

雪国の皆さんはそんな失態をしないでしょう。
しかし雪に不慣れな地域の皆さん、どうか覚えておいていただきたい。

ムートンブーツを履いて、積もった雪の上を歩いてはいけません。

ちなみに念のために調べたところ、どうやら雪用のムートンブーツもあるようですね。
購入する際は念のためそちらをオススメします！！！

#休日のすごし方