見出し画像

やりたいことがない人の"逃げる"就活戦略

3月から就活開始ということで、就活生の方は気合いが入っている時期でしょうか。

「さっさとキメて遊ぶわ!」

な人もいる一方で

「頑張らなきゃ…」
「やりたいことがない…」
「私の得意なことって…」

と焦ったり、すでに疲れている人もいると思います。

就活のプロでもなんでもないので、履歴書の書き方や面接対策について有益な情報は一切ないのですが、飲み会で

「就活1ヶ月で終わりました!」

から話を始めるとわりと面白がられるので、そのお話をしたいと思います。

戦略と言っているのですが

やりたいことがない人(特に自己分析が苦手な人)が就活で迷宮入りしないための方法

くらいの感じで、ゆるく読んでいただけると嬉しいです。

概要だけお伝えすると

消耗戦を避けつつ、自分に合った企業を選んで就活さっさと終えようぜ

って話をしています。

よろしくお願いします。


2016年の就活事情と私の基本戦略

私は2016年卒なのですがイレギュラーな年だったので当時の状況と私の就活方法をお伝えします。

  • 経団連の指針では8月から就活スタート

  • 実際は2014年12月くらいからフライングスタート企業が多発
    (2015年8月時点では65%が内定済み※リクルートキャリア調べ)

  • 就活スタート時期が入り混じり就活生も大混乱

大手の解禁前に内定者を確保したい企業が内定をチラつかせ、「この場で内定受諾するなら出してあげるよ」となどとパワハラが出たのも問題となりました。

私が就活をしたのは8月半ば〜9月半ばの1ヶ月間。2社目で内定をもらい受諾、10月1日の内定式に滑り込めました。

無名大学にもかかわらず後半戦に絞っての短期勝負で周囲には大変心配されましたが、ちゃんと理由があります。それは

有名大学の人と、真っ向から当たらないためでした。

この年に限らずみんな大なり小なり就職できない不安があるので、意識が高い人ほど早いタイミングからスタートを切ります。

この意識が高い人たちと同じタイミングでスタートを切ると、無名大学の私は書類で落ちる可能性が高い。

たとえ書類が通ったとしても、就活生側も気持ちに余裕があるので、面接でバッチバチに良いパフォーマンスを発揮できる。

ポケモンで例えるなら、Lv.99のミュウツーやリザードンが混ざっている中、Lv.23のコダックがリーグ戦で勝ち進められるか、という話です。
かなり工夫が必要そうですよね。

そこで私が狙ったのが「8月に大手内定した就活生が蹴った、中小企業の二次募集」。

就活生がよりどりみどりな序盤では書類が通らなかった企業も、ここを逃すと後がないので大学名の判定が甘くなります。

さらに、ここで残っている就活生はここまで内定が取れず(もしくは受諾せず)、一生懸命就活していた人ほど疲れや焦りが出ている可能性が高い。

Lv.99のリザードン相手でも体力ゲージ5で毒持ちなら、Lx.23のコダックにも勝機があります。

大学名や資格のカードが弱い人はめちゃくちゃニッチな企業を調べ上げるとか、企業や就活生が焦る時期を狙うかして有利なカードを持っている人と同じテーブルに乗らないだけでも消耗戦を避けられます。

戦略的に攻めていきましょう。

嫌なこと苦手なことから全力で逃げる

就活より入社後の方が長いので、本番とも言えるのが企業選び。

最初に自己分析ツールで、やりたいこと、得意なことを捻り出していくと思うのですが、それより重要と強くお伝えしたいのが

嫌なことや苦手な環境から全力で逃げることです。

これ見落とす人がめちゃくちゃ多い。
もしくは「逃げ」が足りない。

例えば「服が好きだから」とアパレルに就職しても、数字に追われるのが苦手であれば販売ノルマがあるとストレスになるでしょうし

「人と話すのが得意だから」と営業職を選んでも、お酒が苦手であれば飲み接待がある業界は避けるのが無難だと思います。

もちろん「やってみたらできた」「お給料がいいから頑張れる」みたいなことってあると思うのですが、自覚できているレベルの嫌なことは自分が思っているよりも許容量がありません。

ストレスで倒れ退職、なんてことを避けるためにも嫌なことからは全力で逃げましょう。

過去のバイト経験から、苦手な作業やストレスになりやすい環境を思い出してみてください。

ポイントは「無能な上司の指揮下」といった他責ではなく、自分に焦点を当てて考えることです。

たとえば、私はいろいろアルバイトをしたのですが

  • チームプレイ必須の環境(飲食店のフロア・キッチン)

  • クレーム対応が多い仕事(コールセンター)

  • 力仕事やマルチタスクが多い仕事(コンビニ)

  • 単純作業(スーパーのレジ打ち)

  • 小さな子どもが多い環境(商業施設)

といった、苦手傾向にありました。
(アルバイターに向いていなさすぎる。)

得意でなくても「苦手」に当てはまっていなければ、大ハズレは避けられます。

「天職」なんて大アタリを、就活時点で狙おうとすると大変。

「ハズレでなければ良し、当たってたらラッキー」くらいまでハードルを下げると気持ちも楽だと思います。

言語化しにくい職種・業界を狙う

自己分析ツールの「得意なこと」から探すのも否定的ではないのですが、それをしなかった理由が

得意なことから探すと、言語化しやすい職種・業界に人が偏りやすい。

例えばクリエイティブ系に向いているよ!みたいな結果が出ると、広報やPR業界、もしくは〇〇デザイナーと名前のついた職種を推薦されると思うのですが、この情報だけで探し始めると無限の選択肢が出てきます。

これを絞り込みたい時にどうするか、大体の人は地域で絞って、待遇で絞っていきます。

それでも都市部であればざーっと企業が並んでいる。

こうなると待遇を上げるか、職種や業界で絞るしかありません。

問題なのがこの時に「なんとなく興味が持てるかも」「この職種なら聞いたことある」とふわっと選ぶ業界や職種が、めちゃくちゃ偏ることです。

だいたいの人が「ウェブデザイナー」とか「広告代理店」とか、言語化しやすい・知名度のある仕事を選ぶと思います。

自己分析ツール使った人がみんな同じような動きをするので、知らず知らずのうちに結構な倍率のところを選び、撃沈する羽目になりかねません。

でも本当は「クリエイティブな仕事」ってめちゃくちゃ幅が広いんですよね。

たとえば、カフェでコーヒーを買ったとします。その瞬間だけでも

  • カフェの内装をデザインする仕事

  • テーブルやイスをデザインする仕事

  • メニューやカップをデザインする仕事

  • コーヒーを渡してくれたお姉さんのネイルチップをデザインする仕事

  • メニューに使われているフォントをデザインする仕事

  • お姉さんがポケットに入れているマニュアルを作る仕事

無限のクリエイティブな仕事が出てきます。
呼称の有無を問わないと、仕事ってめちゃくちゃ多い。

特にその職種にこだわりがないなら、カフェの内装をデザインする「インテリアデザイナー」よりも「テーブルに使われているネジの説明書を作る人(事務兼任)」みたいな仕事のほうが、待遇が良くて倍率も低いかもしれません。

皆がふわっと選びそうなところはあえてはずして、ニッチそうな業界・職種を狙ってみてください。

名もなき仕事、案外面白かったりします。

生活の最低ラインをイメージする

条件フィルタってどう選んでいるでしょうか。

SNSで「◯◯と書かれていたらブラック!」といった文言をめっちゃくちゃ見るのですが、これをそのまま条件にするのは危険。

当たり前ですが、理想条件は人によって違うからです。

「完全週休2日」「都内勤務」「転勤がない」などよくあるフィルタ条件を取捨選択するのも大事なのですが、その前に自分がしたい生活の最低ラインを設定しておくのがおすすめです。

私の場合は

  • 実家を出て猫と暮らしたい(1人と1匹の生活費手取り18万円くらいほしい)

  • 極力残業はしたくない(定額残業含むところは避ける)

  • 引越しは極力したくない(転勤不可)

  • もう就活したくない(倒産リスク低いところ)

  • ブラック企業は避けたい(信頼できる人の口コミがある企業)

といった条件で絞り込みました。ここで大事なのが

自分にとって重要なもの以外は捨てる勇気。

視野を広げていろいろな企業を見るのもいいですが、たくさんの企業を調べていくと条件ばかり目が肥えたり、「この職種がいい」みたいな当初なかった謎のこだわりが発生します。

本当にやりたいことが見つかったのであればいいのですが、それが周囲への羨望や見栄ではないか、自分を疑う視点は常に持っているのがおすすめです。

自分を見失わないようにしましょう。

後悔しない選び方を知る

最後に、自分の「選び方」を考えておきましょう。

いくつ内定が出ようが、最後に残るのは1社。

就活がある程度適当でも、決め方さえ間違えなければ大きな失敗はしません。

自分が過去なにかを選択したとき、どんなことで後悔する傾向にあったか思い出してください。

アイスの味でも、部活でも、なんでもいいです。

たとえばコンビニでアイスを買って帰り、食べた時に「なんか気分じゃなかったな」と思うことってないでしょうか。 この時に

「おすすめ商品じゃなくて、いつものにしとけば良かった…」
「なんか今日品揃え少なかったんだよな…もう一店舗行けばよかった…」

など後悔が人によって違うと思います。

前者の人であれば経験0よりすでに経験したことがある職種に近いものがいいかもしれませんし、後者の人であれば内定をたくさんとって比較検討した方が後悔は少ないかもしれません。

ポイントは、成功率の高さではなく後悔したかどうかです。

就活が成功したかどうかは、入ってからでないと分かりません。

どんな大手や希望していた業界に入れても、合っていなかったなんてことはザラ。入社前にできるのは、入社後合わなかったとしても納得できる選択することだけです。

ひとりでじっくり考えて納得したいのか
信頼できる人に相談してお墨付きをもらいたいのか
たくさんの選択肢から選びたいのか

これはその人の個性ですが、最終的に自分で選ばないと後悔につながりやすいので、人に決定を委ねるのはやめましょう。

最後になりますが

就活中はどうしても自己肯定感がボロボロになりやすいです。

書類で落ちたら自分の経歴がくすんで見えるし
面接で落ちたら人としての魅力がないように思えるし

みんな一緒って言われてもツラいもんはツラい。

ぜひ小休憩を挟みながら、肩の力を抜いて自分のペースで就活を進めてください。

先日8年ほどお世話になった会社を退職しフリーとなりましたが、この会社に入社して良かったなと思います。

10年後振り返った時に「入社してよかった」と思える企業と出会えるよう、陰ながら応援しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?