IELTSとTOEFLの関係についての一考察
時々こういう話をすることがあるので、一回思いつくことをまとめてみました。「事実」というよりは私見です。
●いきなりまとめ
・日本でも大学院を中心に入学でこれらのスコアを用いる話が出ています。それも悪くはないでしょうが、むしろ学部の卒業要件に「最低スコア」のクリアを設定してもよいと思います。「最低スコア」は大学や学部ごとに異なっていいと思いますが、いわゆるそれなりの大学は、「最低スコア」は英語圏の修士課程が要求するレベルにしていいのではと思います。友人の話では国立台湾大学医学部(トップ)はTOEFL80とかやっているようです。
・研究をすることが目的ということになっている大学院では、英語の文献を読み、海外の学会に出る必要があります。ゆえに、それ相応の英語力が入学時点で必須なわけで、TOEFL, IELTSを大学院の入試の足切りに使用すれば良いと思います。現状の日本のアカデミアでは、入学後に教員が学生の英語の面倒を見るというよくわからないことが起きているようですが、それは大学教員の仕事ではないと理解しています。日本にはたくさん優れた英語を教えてくれる学校があります。大学院の教員は英会話教師ではない!!!
・私は渡米前(2013年)にIELTS7.0は確保しておりました。ハーバードはじめ世界中の多くの大学院がだいたい7.0以上となっております。現実は、これは「最低限のスコア」だと思います。まさにmininum requirementだと思います。つまり、それ未満では、まさに「お話にならない(支障がある、教える方も困る)」、という意味だと思います。それに日常生活での会話で求められるスキルは、IELTSやTOEFLとはまた別の能力ですね。スーパーの店員とか何言ってるかさっぱりw
●TOEFLとIELTSどちらがやりやすいか?
私は明らかにIELTSの方が「やりやすい」と思います。特にspeaking。
IELTSは人との会話ですが、TOEFLはパソコンに向かって一方的にしゃべるのみ。まぁ確かにspeakなのかもしれませんが、会話というものは、相互のやり取りで成立しているわけで、間違っても、一方的に話すだけでは会話は成立しないと思うのですが・・・(ある意味そこらへんも英米の違いか・・・・)speakingに限らず全体としても、単語レベルもIELTSの方が楽な気がします。
●TOEFLとIELTS(とTOEICと英検)の換算表
ネット上でも検索すればたくさん見つかります。さまざまな「換算表」が存在します。いろいろありますが、ホンマかいなと思う。私の場合、IELTSが一番上に行きやすく、英語圏の大学院入学の時に求められるスコアという点でも、多くの場合IELTSの方が到達しやすい。各大学院ごとに、TOEFLとIELTSで異なるスコアを提示しているが、自分に合った試験で選べばいいと思う。
●TOEFLとIELTS共通したライティングの対策
詳しいことは以下のようなまとめページにもあるので割愛しますが、ライティングは、お作法を勉強してプロに添削してもらうことを繰り返せば、結構すぐに7.0くらいに届くと思いました。
https://nakabayashikumiko.com/map-to-target/
この「お作法」は論文の、抄録の書き方やディスカッションの書き方にかなり似ていると思います。ですので、研究者で論文の書き方をわかっている人は、むしろ得意パートになるのでは。要するに、最初に問いに対する回答を書いて、あとはbody2つを具体例とともにかいて、最後は、in conclusionとしてまとめ。
●利用可能性(どっちが使えるか)
日本では圧倒的にTOEFLですが、欧米では最近では大差ないと思います。
元々の流れは、TOEFL=アメリカ、IELTS=イギリス連邦(らしい)で、ちょっと前まではアメリカの大学院はIELTSは受け付けていなかったようですが、調べた限りでは最近ではほとんどどちらでもOKなようです。日本はTOEICですね。あんなんじゃ英語できるかどうかなんてわかりません。TOEICで600-700くらいしか取れないとなれば、英語使えないだなぁ、それ未満なら基礎もないんだな、くらいしか私は思いません。TOEIC800届かない人は、TOEFL/IELTSのことはひとまず忘れて、TOEIC800超えるように基本的なお勉強を強化したほうがいいように思います。TOEFL/IELTSはお値段が高いので、受けるに値する水準になってから受けるほうがコスパが良いと思います。
●お値段
IELTSの方が、お金が高い。IELTSは24000円くらいで、TOEFLは200ドル?超円安になれば話は別ですが。
●試験会場、回数
IELTSの方が機会が少ない(気がする)。こと地方都市在住としては受験するのが大変です。仙台在住時には、IELTSの方が受けやすかった。TOEFL@東北は、主に、秋田と会津と仙台の端っこ(+まれに盛岡)でしかやっていない。受けに行くためにホテル宿泊したりして一苦労でした。
●筆記vs PC
パソコンに慣れていると、IELTSは鉛筆なのできつい。特にライティング。パソコンがいい。←これは昔話で、コロナもあり今はIELTSもパソコンだったり、WEB経由で自宅だったりとか聞きましたが私はわからないので調べてみてくださいw
●おまけ
・英検:基本的には、大学入試まで。
・TOEIC:日本の会社で必要に応じて受けるもの。
どちらも
・財布にやさしい
・資格の意味は日本人には理解してもらえるが、日本を出るとほぼ無意味
という共通点があります。
海外の大学院については以下の本がおすすめです(もう古くなってしまいましたが・・・)英米だけではなく、他の地域のことも書いてありました。
最新版 大学院留学のすべて 入学後絶対後悔しないための10のステップ (アスカカルチャー) (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2011/4/23
佐藤 庸善 (著), 大学院留学コンサルティング (編集)
まぁもっとも、行きたい大学や・国を決めたら、あとはググっていく感じですかね。
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