経営者とプロダクトマネージャー (PM) の共通点から考える、置かれた状況と自分の役割を理解する重要性
今回は、経営者とプロダクトマネージャー (PM) について、共通点を掘り下げて、PM の役割を解説しています。
✓ この記事でわかること
経営者の3つのタイプ。経営者は会社の成長段階によって役割が変わる
3つのタイプには、プロダクトマネージャーと共通点がある
共通点から、プロダクトマネージャーに求められる役割
よかったらぜひ最後まで読んでみてください。
会社の成長段階ごとに変わる経営者の役割
論語と算盤と私 という本に、経営者は、企業の成長ステージによって大きく3つに分類できると書かれています。
3つとは、起業家、事業家、経営者 (狭義の意味) です。
それぞれを具体的に見ていくと、
✓ 起業家 (創業期: 0 → 1)
事業を立ち上げ、0 から 1 を生み出す
事業を構想し仲間を集め、アイデアや技術から製品やサービスを開発する
初期の顧客を獲得する
✓ 事業家 (成長期: 1 → 10)
1 にした事業を、継続して利益を創出する 10 の規模に育てる
ビジネスモデルや事業のオペレーションを洗練させる
継続して売上や利益が出る仕組みをつくる
✓ 経営者 (成熟期: 10 → 100)
事業規模が 10 のものを 100 にする
1つの事業を10倍にするよりも、10 の事業を10個並行して運営する
個々の事業を深く見るよりも事業全体を俯瞰し、組織や経営のマネジメントをする
企業の成長段階において、トップに求められる役割は異なるのです。
* * *
プロダクトマネージャーの3つの役割
プロダクトマネージャー (PM) は、製品やサービス開発に責任を持ち、主導する役割を果たします。
先ほどの企業のトップの3つの段階および求められるタイプは、PM にも当てはまります。
✓ 開発: 0 → 1
プロダクトを 0 から立ち上げる開発マネジメント
製品やサービスのアイデアが受け入れられる市場があるか (product market fit) 、最初の顧客やユーザーは誰かを見極める
アイデアから初期仮説をつくり、検証するための必要最小限のテスト用プロダクト (MVP: Minimum Viable Product) を開発する
✓ 拡大: 1 → 10
プロダクトを 1 から 10 にする
安定してプロダクトが運用され、使われるように仕組みをつくる
開発初期は属人的な運用であるが、拡大期には組織で運用がまわるようにする
✓ 安定: 10 → 100
プロダクトのメンテナンスや定期的なアップデートを、滞りなく行われるよう主導する
いかに安定した運用ができるかどうかが求められる
1つのプロダクト開発に深く入るよりも、複数のプロダクトを俯瞰してマネジメントをする
経営者とプロダクトマネージャーの共通点からの考察
経営者が企業の成長段階によって求められることがあり、プロダクトマネージャー (PM) の役割も同様であることは興味深いです。
なぜ両者の役割が同じかを考えると、PM とは 「プロダクトの CEO 」 だからです。
経営者は、企業の事業を開発し発展させ、成熟するようマネジメントをします。PM はプロダクトという対象を生み出し、拡大させ、成熟したプロダクトにします。
扱う対象は、経営者は事業や組織、PM はプロダクトです。
本質的には、いずれも外部環境に応じて常に変化をし適応し、開発・成長・成熟というプロセスを目指すのです。
自分の状況と果たすべき役割を見極める
経営者と PM で、扱う対象の段階の違いによって求められる役割が異なります。
重要なのは、今の自分はどの段階にいるのか、果たすべき役割は何かを常に自問しながら進めることです。
状況を見極め、認識した上で戦略を立て、実行し、実行からのフィードバックや学びから戦略と施策に反映させることが求められます。
最後に
今回は、経営者の企業の成長フェーズごとの3つの役割に分け、プロダクトマネージャーとの共通点を掘り下げました。
フェーズごとに役割は異なります。
人によっては、向き不向きがあるでしょう。企業のトップでも、安定運用や経営を俯瞰するマネジメントは苦手で、0 から 1 にする事業の立ち上げが得意な人、その逆の人もいます。
今の自分の状況と求められる役割の把握とともに、自分自身の理解も大事です。
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