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商品開発マーケティング戦略。お客の使い方と価値を中心に進める「うれしさ開発」

実戦 商品開発マーケティング戦略 という本から、プロダクト開発について書いています。


モノ中心の発想ではなく、ユーザーや顧客を起点にしたプロダクト開発をどのように進めるかです。

価値は使い方に現れる

本書で強調されているのは、開発する商品のお客の使い方です。

消費者や利用者・ユーザーの立場で考えると、商品やサービスを買うのは、実際に使い消費する際に得られる「うれしさ」があるからです。うれしさとは、商品・サービスを使って得られる価値です。

まとめると、「使う → 価値 → うれしさ」と連動します。商品開発をするのは、お客にうれしさを届けるためです。本書には、「商品開発とは "うれしさ開発" である」と書かれています。

使い方を中心にした開発ステップ

本書で紹介される開発ステップは、以下の4つです。

使い方を中心にした開発ステップ
ステップ 1:アイデアを得る・思いつく
ステップ 2:お客の使い方を考える。具体的に描く
ステップ 3:使い方に合った強みをつくる。強みとは、利用シーンで競合ではなく自分たちが「選ばれる理由」 
ステップ 4:使い方を提案する。「価値は使い方に現れる」なので、使い方提案から価値をイメージしてもらう

4つは必ずしもこの順番ではありませんが、ポイントは「アイデアの出口は使い方である」ということです。

顧客視点での商品開発

本書で一貫している考え方は、お客の立場で商品を開発する姿勢です。使い方を中心に開発するとは、顧客視点で考えることです。

商品開発を「うれしさ開発」と捉えた時に大事なのは、自分たちが開発する商品がお客のうれしさに本当につながるのかという認識です。

開発する商品は自分たちのためである以上に、使ってもらうお客のためです。商品のもとになるアイデアや実現するための技術は、お客に使ってもらい、価値を実感してもらい、全てはお客のうれしさのためなのです。

一貫性と具体性を両立する

本書の最初に書かれているのは、商品開発が失敗する2つの要因です。

商品開発が失敗する2つの要因
一貫性のある戦略の欠如:自分たちは重要だと思っているが、お客が求めていない。強みがない
使い方の具体性の欠如:お客にとって使い方がピンとこない。利用シーンと商品が乖離している

開発にあたって重要なのは、関係する各組織での情報共有と認識のすり合わせです。商品開発では、開発、マーケティング、営業の3つの部署です。

顧客は営業の先にいますが、顧客との対話や顧客理解を営業だけに任せるのではなく、3つの全ての部署で顧客に向き合う体制が組め、異なる部署同士で密なコミュニケーションができるかです。

使い方の具体性も、顧客を明確にし、利用シーンでの使い方、どんな価値を提供し、具体的にどのようなうれしさを実現するのかを設定します。

商品開発から使い方を提案する際に、「それは今までの何を代替するのか」や「どこから売上を持ってくるか」という、開発する商品で何をリプレイスするのかの視点が大事です。

最後に

商品開発は、アイデアや技術がまずあり、自分たちの視点で何がつくれるかという発想になりがちです。

たとえ開発のきっかけは自分たちが主語であっても、アイデアや技術の出口は顧客です。顧客の使い方、価値、そしてうれしさで、主語は顧客です。

この考え方は、商品開発だけではなく、マーケティング、企業戦略においても共通します。


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