見出し画像

ドリルでもなく穴でもない、その先の価値を考えよう (マーケティング思考を高めるコツ)

今回は、マーケティングについてです。

この記事でわかること

・マーケティングの知識をつけたい
・提供価値とは何か?
・自分の提供価値を他者に真似されないためには?

こんな疑問に答える内容を書きました。

この記事でわかるのは、提供価値とは何かです。

マーケティングの文脈から 「価値」 について書いています。

マーケティングのものの見方や考え方は、業務で直接マーケティングに携わっていなくても、ビジネスで広く役に立つスキルです。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。

ドリルではなく 「穴」 

マーケティングで大事なことは、顧客視点で考えることです。

よく言われる言葉で、「ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく穴である」 というものがあります。

これが意味するのは、「顧客が本当に求めているのは、商品やサービスそのものではなく問題解決である」 ということです。

顧客がお金を払ってでも必要としているのは、商品の使用やサービスを受けることによる便益 (ベネフィット) なのです。

顧客は 「ドリルではなく穴が欲しい」 を、もう少し掘り下げてみます。

穴を開ける価値を掘り下げると

さらに考えていくと、人が求めているのは穴そのものよりも、穴を使って何を実現したいかです。

例えば、ガーデニング用の棚をつくる状況だとします。

棚を作るには、木の板に穴を開けることが必要です。穴の先にある価値とは、ドリルで簡単に穴が開けられ棚がすぐに完成し、棚に鉢植えを並び庭の風景から四季を感じられることです。

つまり、顧客にとっての価値とは、プロセスと結果の両方にあるわけです。

ドリルの価値
・木の板に穴を簡単に空けられる [プロセス]
・ガーデニング用の棚が完成し、望んでいた庭の風景が手に入る [結果]

ここまで、ドリルと穴の話から、顧客にとっての価値について見てきました。

あらためて、価値とは何でしょうか?

価値は相対的なもの

価値は、顧客にとってうれしいことです。重要なのは、うれしさ (価値) は相対的なものだということです。

具体的には以下のように、同じものに対しても価値になったりならなかったりします。

価値は相対的なもの
・人により異なる
・状況によっても変わる
・何と比べるかによって決まる

それぞれについて、順番に解説します。

[価値とは 1] 人により異なる

1つ目の 「人によって異なる」 とは、同じものでもある人は価値に思えることでも、別の人はそうとは限りません。

ドリルの例で言えば、自分の手で作業をしたい人にとってはドリルは価値をもたらしてくれますが、そうではない人にとってはドリルは必要ないわけです。

[価値とは 2] 状況によって異なる

2つ目は、同じ人でも状況によって価値になるかは変わります。

ドリルで穴を開け、作りたいものが完成した後はしばらくはドリルを使う機会がなければ、ドリルは価値を提供しなくなります。保管が必要で置いておくのに場所をとることが、わずらわしく思うかもしれません。

[価値とは 3] 何と比べるかによって決まる

価値が相対的であることの3つ目は、比べる対象によることです。

比べる対象とは、人が何かをしようと思う時に、その人の頭の中に浮かぶ選択肢です。選択肢の中で、自社以外のプレイヤーやブランドが、自分たちの競合になります。

比べる相手 (競合) に対して、優位な提供価値があれば自分たちは選ばれます。買ってもらえたり、使ってもらえます。

提供価値を見極めるために

ここまで見てきた、価値があくまで相対的であることは、以下の3つがあるからでした。

価値は相対的なもの
・人により異なる
・状況によっても変わる
・何と比べるかによって決まる

3つをまとめると、提供価値かどうかを見極めるためには、「人 × 状況 × 競合 (他の選択肢) 」 の3つの視点から見るとよいです。

STP を価値の視点で理解する

マーケティングには STP というフレームがあります。順番にセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングです。

価値の視点で STP を説明すると、以下のようになります。

マーケティングの STP
Segmentation: 同じ価値を求める人同士で分ける。求める価値が似ている人をくくる
Targeting: どの価値を重視している人たちを優先するかを決める
Positioning: ターゲット顧客から、価値を提供してくれる企業やブランドであると認識してもらう

先ほどの提供価値を見極める 「人 × 状況 × 競合 (他の選択肢) 」 とは、2つ目のターゲティングにおける顧客群の選び方です。

その人が具体的にどのような状況下で、他の何と比べてのものなのかを見極めるということです。

まとめ

今回は、マーケティングについて、特に提供価値とは何かを書きました。

最後に今回の記事のまとめです。

マーケティングで大事なことは顧客視点。
 「ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく穴である」 が意味するのは、お金を払ってでも必要としているのは、商品の使用やサービスを受けることによる便益 (ベネフィット) 。
人が求めているのはドリルでも穴そのものでもなく、穴を使って何を実現したいか。
ドリルの価値とは、プロセスと結果の両方。
・木の板に穴を簡単に開けられる [プロセス]
・ガーデニング用の棚が完成し、望んでいた庭の風景が手に入る [結果]
価値は顧客にとってうれしいこと。ただし、うれしさ (価値) は相対的なもの。
・人により異なる
・状況によっても変わる
・何と比べるかによって決まる
提供価値かどうかを見極めるためには、「人 × 状況 × 競合 (他の選択肢) 」 の3つの視点から見るとよい。
顧客ターゲティングで、その人が具体的にどういう状況下で、他の何と比べてのものなのかの視点で、顧客にとっての価値を見極める。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?