リサーチが役立つのは、顧客の経験や意見を顧客の言葉で聴くときである
マーケティングリサーチについてです。
有用なリサーチとは何かを考えます。
リサーチが役立つとき
エスキモーに氷を売る - 魅力のない商品を、いかにセールスするか という本に、マーケティングリサーチへの言及がありました。
「リサーチにだまされない」と題する章において、次のように書かれています。
これが、私が、リサーチに役に立つと考えているタイプの分野である。つまり、商品あるいは経験について現在の顧客にリサーチするというものである。
(中略)
リサーチが役立つのは、顧客の経験や意見をはかるときである。
(引用:エスキモーに氷を売る - 魅力のない商品を、いかにセールスするか)
お客の使い方を理解する
この考え方は、私自身もマーケティングリサーチの経験から同意するものです。
自分たちが提供する「自社商品の機能」や「サービスの中身」は、自分たちが一番わかっています。商品の仕様やどのように作られたかなど、作って売っている側なので知識は豊富です。
一方、その商品をお客がどう使うかなどの「実際の利用シーン」には、商品提供側が想定していない使われ方がされることがあります。
リサーチが有効なのは、このような商品提供側では見えていないことについて、顧客からの直接の声を集める手段として用いる場合です。
利用シーンから提供価値を知る
いつ・どこで・どんな状況で使われるのかの利用シーンを把握することは、顧客が得るベネフィット (価値) を探ることです。
先ほどの引用にあった「リサーチから顧客の経験や意見を知る」とは、顧客が自分たちの提供する商品やサービスの「何に価値を感じているのか」を知ることです。
私が思うリサーチの魅力は、価値を顧客自身の声や言葉で知ることができる点です。特に、インタビュー調査やアンケートの自由回答をうまく活用すれば、顧客の生の声を集めることができます。
お客の声から何を見い出すか
ただし注意点は、「顧客の声 = 答え」とはならないことです。
顧客に聞けば、答えがわかるわけではありません。顧客の声を自分たちはどう解釈し、意味合いとして何を得るのかが重要です。得られた意味合いをどのように活用するかです。
ここにリサーチの難しさと、何よりおもしろさがあります。
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