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クライアントワークにおける顧客課題の変化とこれから

Goodpatchのクライアントワーク事業で執行役員をしております大山と申します。昨年に引き続き、今年も今日から始まるGoodpatch Design Advent Calendar 2023のトップバッターとして記事を書いています。

私自身は2020年の12月より、Goodpatchでクライアントワークを事業とするDesign Divisionという部門の事業責任者を担い、今日でちょうど丸3年となります。Design Divisionは人数規模で言うと100名を超える人数の組織で、デザイナー・エンジニア・プロデューサー・プロジェクトマネージャー・デザインストラテジスト・デザインリサーチャー・コピーライター・HRBP・セールスなどなど、多種多様なロールのメンバーが所属しています。
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今回はGoodpatch全社の新たな中長期方針が発表された中で、私自身が捉えるクライアントワークにおける顧客課題の変化についてとこれから目指したい方向について、あくまで個人の意見になりますが考えをまとめてみることにしました。気軽に目を通していただけたら嬉しいです。

はじめに

Goodpatchは先のIRにて発表があった通り、中長期の方向性と成長戦略において存在と役割を大きく進化させていきます。これまでは「UI/UXを武器にソフトウェアをデザインする会社」としてご認識いただくことが多かったと思いますが、これからは「顧客体験を起点に、企業変革を推進し、イノベーションを『デザイン』する会社」へと変貌を遂げることを掲げています。

企業変革やイノベーションを支援するにはより顧客企業との関わり方を深める必要があり、事業共創による深いパートナーシップを築く事で、クライアント企業の企業変革と自社の事業ポートフォリオの拡張と事業成長を両立させることを目指しています。

そんな中、丸3年 Design Divisionの責任者として事業マネジメントを任せていただき、さまざまなクライアントの皆様の多種多様な課題に向き合う中で、クライアントの皆様が設定される課題に大きな変化を感じています。


課題・環境の変化:何が変わったか?

デジタルトランスフォーメーション(DX)、デザイン経営、生成AIの登場など、ビジネス環境が大きく変化する中で、ここ3年間でクライアントの皆様からいただくテーマは確実に変化しています。

例えば、

Before

  • サービスにおける顧客体験やプロダクトをユーザー中心にデザインしたい

  • ソフトウェア及び体験を品質高くデザインし、事業の成功につなげていきたい

  • 企業/事業が目指す世界観を具現化しタンジブルにしたい

  • 新規事業をクイックに価値検証し、事業開発を進めていきたい

After

  • サービスデザイン/ソフトウェアデザインにおいて、〇〇という自社内で解決できない課題がある

  • 新規事業やDXを成功させるための、仕組みや能力開発をしたい

  • 新規事業やDXを成功させるための、自社の意思決定の構造や評価/判断基準を変えていきたい

  • 企業/事業が目指す世界観の実現に向けて、自社の顧客体験全体をどうマネジメントするかが課題になっている

といった変化が起きており、

  • クライアントの皆様の事業変革やDXにおける課題解像度の向上

  • 権限/体制・評価/制度など、旧来の意思決定構造や判断基準に対する課題設定

  • 縦割りの事業の独立的価値の最大化から、事業横断の相乗効果による価値の最大化

といった特徴を捉えています。

特にクライアントの皆様と接している中で、サービス/プロダクトデザインの内製化、新規事業開発や事業変革の社内主導が大きく加速していることを日々感じています。

また昨今の事業活動においては、事業の背後にある社会環境変化が複数絡み合い、より事業環境が複雑化する傾向にあります。

  • 人口:高齢化、生産年齢人口の減少

  • 社会・経済:国内市場減少、先進国⇄新興国の構造変革

  • 環境・気候:社会や経済との両立、サスティナビリティの浸透

  • テクノロジー:技術革新への対応、フィジカル/デジタルの融和


支援の可能性

事業環境がより複雑になる中で、デザインの社会的価値は高まっていることも感じます。デザイン経営が推進される中で、デザインが経営資源として浸透しつつあることが背景にあることは間違いありませんが、デザインによる構造化と具現化が事業活動の中でしっかりと機能していると私自身は考えています。

  • 構造化:物事の全体を定義した上で、「構成要素」と「構成要素間の関係」を整理すること

  • 具現化:「考えや理想を実際の形やモノにして実現する」こと

一方で、デザインの社会的価値が高まれば高まるほど、クライアントにおける内製化の進行や同業他社の存在により、私たちの事業領域は競争環境になっていく傾向があります。

そんな中で、クライアントの皆様により専門性・独自性の高い価値を提供し、企業価値向上や事業成長に寄与するためにどうあるべきか?に向き合った際のテーマとして焦点を当てたのが、「クライアントの皆様とのパートナーシップのあり方」です。

クライアントの皆様にとって、パートナーとしてどんな存在でありたいか?

私の個人的な理想としては、「クライアントの皆様にとって専門性・独自性を補うアウトソース先という存在から、クライアント社内に無い(自社では調達しにくい)経営資源という存在」に進化していきたいと考えています。

イノベーションによるクライアントの企業価値向上や事業成長に寄与するためには、クライアントが自社で解決できない専門性・独自性の高い課題解決をアウトソースで支援するだけではなく、クライアントと「ヒト・モノ・カネ」という経営資源を共有し、時には両社が一蓮托生で大きなリスクを取る判断と実行が必要になる、さらには支援会社として生き残っていくために、クライアントがこれまでやってこなかった意思決定に貢献することが求められるという考えです。デザインのプロセスやアウトプットに紐付いた意思決定の連鎖が、チャレンジングな大胆な意思決定の後押しとなることを目指しています。

昨今、イノベーションに必要な「ヒト・モノ・カネ」という経営資源を全て自社内で補うことが難しいケースが増えていると思います。そのような状況下だからこそ支援会社として目指すべきは、クライアントの経営資源になり得るソリューションを提供し続けること、クライアントの課題の変化に対して我々自身が変化し続けることであると考えています。

具体的な支援の可能性としての例ですが、

  • クライアントの社内起点でイノベーションが生み出され続けるための構造づくり

  • プロジェクト実践型(伴走型)の人的資本投資

  • 企業間コラボレーションが生み出す、オリジナル性高いストーリーのジョイントベンチャーやM&Aによるイノベーションの種づくり

などなど、たくさんの可能性を秘めていると考えています。
(具体的と言っておきながら、あまり解像度高く言語化できていませんね・・・これから精進し実績を生み出せるようがんばります。)


価値創造のスタイル

結びとなりますが、私自身の考えとして、これらのチャレンジを組織として現場主導でトライ&エラーを繰り返しながらプロトタイピングしていくカルチャーを大切にしています。

ひと言で言うと、「上位下達ではなく、下意上達」です。

社内キックオフ資料より引用

事業の方向が進化し組織が拡大・細分化していく渦中においても、顧客ニーズの変化を現場で一番最初に感じ取り、ボトムアップでエスカレーションしていく。この価値創造のスタイルを大切にし、持続・加速していく仕組みや場づくりをしていきたいと考えています。

最後に、これから寄稿してくれる多くのGoodpatchメンバーがきっと素晴らしい文章でさまざまな思いを伝えてくれる事でしょう。
もっとこんな事を知りたい、これってどうなってるの、ちょっとお話ししたいんだけどなどなど、質問やメッセージなど大歓迎ですのでいつでもご連絡お待ちしています。Xはこちらです!もし良ければ覗いてみてください!


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