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第二十三話 いざ!真剣勝負姉妹対決
「では、はじめっ!」
ルーカスの声が響いた。
「ケイト、私も姉としての矜持がある、全てを受けた上で打ち負かして見せよう」
ブレンダはケイトリンに言った。
「はい、お姉様。では、全力ですべてを出し切ってみせます」
ケイトリンはそう言い切ると、小太刀を右手に持ち正眼に構え、空いた手を顔の前で握り「せーのっ!」という些か真剣勝負には気の抜けた掛け声と共に前に突き出した。
手を突き出すと同時にブレン
第二十二話 卒業試験
元勇者と元魔王の家で過ごして2週間ほどがたっていた。
その間も毎日魔王国の動きを確認していたが物資や小隊規模程度の出入りはあるものの、大きな動きはなく、反乱軍の活動も小規模で輸送部隊の物資を奪うことがあるものの体制に影響するほどの大規模の動きはなかった。
ルーカスとマヤはユウキの鍛錬を行うのと同時に、ブレンダ、マヤ、ケイトリンにも稽古をつけていた。
「さて、いよいよ卒業試験だ」
ルーカスは目の
第二十一話 魔王国での捜索
「ええい!忌々しい、なぜ見つからんのだ!」
荒々しい声を上げているのは白色のローブを着た男だ、魔王国の真魔王の側近という立場にある。
「あの混乱のさなかに外に逃げ出したはずがないのだ、城と街のすべての出入りを抑え、場内の人員が争うことなく我々に従ったのに、なぜ、姫とその侍女だけが見つからないのだ!」
苛立ちを隠さず、ドン!と眼の前のテーブルに拳を叩きつける。
「あの娘がいなければ、勇魔の剣を持
第二十話 スペシャル料理
「さあ!おまちどうさま、私の特製『鳥のからあげ』だ!」
ルーカスは、両手の料理をテーブルに並べながら言った。
「からあげってリナガリの街のアオイヤの食堂にもありましたよね?」
オリビアが聞いた。
「そうなんです!ルーカス様はアオイヤのほとんどの食べ物のレシピを教えた方なのだそうですよ!」
何故かケイトリンが誇らしげに返事をした。
「えっ!そうなのですか?ということは、あの『テゴネンチ』とか『