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中国、オリンピックに対する低い熱狂とメダルラッシュ

中国は世界で最も影響力を持つ国であり、途上国の盟主としての野心に燃えている。

そんな中国だが、歴史的にオリンピックへの国民の無関心で知られている。これは1970年代までの外交的孤立や歴史的に中国のアスリートがオリンピックのメダルとは無縁だったことに起因しているという説がある。

一方で、中国のアスリートは近年オリンピックにおいて多くのメダルを獲得するようになった。2021年の東京ではアメリカと最多メダル争いを最後まで続けていた。何がこの躍進をもたらしたのだろう?

中国のアスリートのメダル獲得にはかなりの特徴がある。花形とされるスポーツでメダルを獲得したアスリートは決して多くはない。むしろ、地味な個人スポーツで中国人アスリートは多くのメダルを獲得してきた。中国のスポーツ界は多くのメダルを獲得するために花形でないスポーツでのメダル獲得を優先してきたが、それによって中国は派手ではないが多くのメダルを獲得するようになった。

しかしながら多くの国民が関心を持たない地味な個人スポーツにフォーカスすることは熱狂を生み出すことはなかった。オリンピックがある種の馬鹿げた祭典であるとすれば中国はもっともそれに無関心であると言える。(もっとも国際的なイベントやオリンピックの開催自体には中国は前向きなのだが)

興味深いことに中国のプロスポーツ業界は鄧小平の思想に影響を受けているようだ。鄧小平は「ネズミを捕まえたネコが素晴らしい」と発言した。これは彼のプラグマティズム的価値観に起因するものだったが、この彼の思想はスポーツ業界にも波及し、中国の社会的・思想的土台になっているようだ。

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